第3記 ー契約完了ー
どうもドラ吉05です。
遅れました。
あと、1話目の前書きも変えますがこの話はプロジェクトα 「『弱いから繋がる』そんな物語」です。
ではではごゆっくり。
「はぁはぁ」
喉が痛む。
視界が涙で眩む。
でもでも走った。
ただひたすらに走り続けた。
炎が強くなったのかデパートに近づいたからかよく分からないが煙の大きさが窓から見るより大きく見えた。
僕は空に向かっていく煙を見てデパートを探すのがやっとで手探りで曲がっていた。
そして次の角を左に曲がった瞬間、人ごみが出来ているのが見えた。
新しいデパートは少し小さめで駐車場も土地の関係でか小さめの面積になっている。
遠くからでよく見えないが、たしかに煙がたっていて消防車らしき赤色の車が見える。
人ごみを掻き分けながら先頭までくると、目の前に写し出された光景はとてつもなく悲惨な光景になっていた。
デパートが見えなくなるくらいの煙。
さらに何もかも飲み込み燃やそうとする赤い赤い炎。
「母さん!母さん!」
僕はただただ叫ぶだけが精一杯だった。
『叫ぶだけじゃ分かんねーぞ。』
「誰?」
周りを見るが誰もこの『声』には気づいていないようだ。
多分だけどこの声は自分自身の心に直接話しかけられているようだ。
『まず人ごみから抜けろ。』
「でも母さんが…」
『大丈夫だお前の母さんはまだ生きてる。』
よく分からないがそいつの言葉には嘘が無いように思えた。
『そのまま後ろへ下がって来い。』
言われるがまま後ろに行き人ごみから抜けた。
「君は…」
目の前に居たのはドッぺルゲンガーだった。
「よう。」
「ねぇ。どうするの!」
「どうするって、お前が叫んでばっかりだから落ち着かせようと…。」
「それがために呼んだのかい…」
「おう。」
「………なよ…」
「どうした。」
「ふざけるなって言ってんだよ!」
「………。」
怒り狂って周りが見えていないのか救急車や何やらのサイレンの音でかき消されたのかどうやら周りは僕が叫んだことに気付いていなかった。
「はぁ、はぁ」
「………。」
さっきより人が増えた気がする。
「おい!あれまだ人が居るじゃん」
そんな声がどこからか聞こえてきた。
「母さん!」
僕は思わずもう一度人ごみに入ろうとした。
「行ってどうする。」
「何がだよ」
「だから行っても叫ぶしか出来ねーだろ。」
「………」
「だから、そうやって家に籠ってしまったんだろ。」
「黙れよ…」
「いっても叫ぶことしか出来ねーんならこの状況は何にも変わんねーだろ。」
「黙れ…」
「また大切な人を失ってしまうのか。」
「黙れ!お前に何が分かるんだよ!」
「分かるさ。俺はお前の影だからな。」
「………」
「………。」
「…助けるよ…」
「あ?なんて?。」
「俺が…俺が母さんを皆を助けるんだ!」
「ふっ。その言葉を待ってたんだ!。」
そいつがそれを言った瞬間、僕とコイツを囲むようにして黒い黒いオーラというか何と言うかなものが出てきた。
このオーラはさっきとは違って黒くさらに僕とコイツを囲むぐらいに大きいものとなっていた。
「これは俺とお前にしか見えない言わば目に見える契約の形と言っていいだろう。」
「どうなるの?怖いよ」
「いいからそのまま居ろ!。」
言われるがままじっとしているとオーラが僕に近づいてきているのが分かった。
「ほんとに大丈夫なの?」
「大丈夫だから黙ってろ。」
「うん…」
そんな話をしているとオーラはドッペルゲンガーだけを先に飲み込もうとしているのが分かった。
「ちょっと待ってよ」
そんなことを言っているうちにオーラは今度は僕自身を飲み込もうとしていることが分かった。
「た、助けてーーー」
しだいに視界が暗くなり、まるで浮いているような感覚だった。
(どこだ…ここ…)
あたり一面真っ暗で、目を開けているのか閉じているのかが分からなかった。
「おーい」
声を出しているが何にも反響しないので声自体出ているか不安に思う。
すると頭の上に『契約完了』となんとも白い文字でアナログチックな文字が表記された。
僕が創造したのとはかけ離れた『契約』の仕方だった。
なんか説明しにくいけどもっと漫画みたいなすごい事になるのだと思っていた。
それはまるでゲームの時に表記されるようなモノに似ていた。
すると今度は白いものが周りを少しずつ飲み込もうとしていた。
この白いのもアナログなモノになっていた。
まるで一昔前のゲームのような形になっている。
今度はさっきと似たような形だからすんなりと受け入れることが出来た。
目の前はさっきと反対で真っ白の世界になっていた。
どうでしたか。
今回出てきた白黒の世界はDプロジェクトの最後に分かります。
でわでわ。
ばーい。
センキュウ!!