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第8話 空の番人



 猫がやってきてからしばらく。


 猫は浮遊島の生活にも慣れ、のびのび過ごしている。


 羊や白熊の仕事の手伝いをしたり、エルフやロボ娘から文字や魔法の教育を受け、何もない時は広い浮遊島を駆け回ったりとその様子はとても楽しそうだ。



 猫は羊や白熊の時のようなクロウが欲していたスキルを所持している訳ではないので、クロウは特に何かを強要するつもりもなく自由に過ごさせていた。


 では何故わざわざ猫を迎え入れたのか?


 それにはとある理由があるのだがそれについては気長にやっていくつもりだ。





 そんな感じで日々が過ぎていきしばらく。


「マスター、敵襲です」


「ああ」


 何者かが浮遊島に向かってきている。


 浮遊島まで距離はかなり大分離れた所にいるがクロウとロボ娘はその存在を感知していた。


「3人は遺跡の中に避難していて。エルフはどうする?」


「我はここに残るぞ。世界樹を守らねばならぬからな」


 亜人たちは遺跡に避難、エルフは世界樹を守るためにクロウとロボ娘と共にその場に残る。





 クロウたちが警戒を始めてから少し。浮遊島に迫ってくる何者かの正体が遠目から姿を現す。


「あれはまさか!?」


 姿を確認したエルフが驚く。


「ロボ娘、アレがここに上陸しても問題なさそうかな?」


「はいマスター、問題ありません」


 一方クロウとロボ娘は冷静だ。



 そして浮遊島に旅客機のように上陸したのは真っ白な毛を生やしたドラゴン、いわゆるファードラゴンだ。


「ふむ、島の魔力に動きがあったと来てみれば中々面白いことになっておるのう」


 ファードラは浮遊島の魔力の変化を感知してやってきたらしい。



「はじめまして、貴方のことは前任者からうかがっております」


「ほう、守護者ガーディアンか。まだ残っておったか」


 ロボ娘がファードラに挨拶する。どうやら2人はお互いのことを知っているようだ。



「あ、あの!僕はクロウと言います。今はこの浮遊島でお世話になっています」


 興奮気味にファードラに挨拶するクロウ。


 大きなモフモフが現れテンションが上がっていた。


「異界の使徒か、ずいぶん珍しいのが住みついたようだのう」


「そこまでわかるんですね」


「うむ、伊達に長生きはしておらぬのでな」


 ファードラはクロウが転生者であることを見抜いているようだ。


「なるほど…、異界の使徒であるならば転移魔法が使えるのも頷ける」


 クロウの正体を知り納得した様子のエルフ。



「それでここに来られた目的を聞いてもいいでしょうか?」


「ああ、先程も申した通り島の魔力の変化を感知しての。確認しにきたが問題なさそうだのう」


 ファードラは遥か昔にこの浮遊島の住人たちととある約束を交わしていたそうだ。


 それは自分たちがいなくなったあとの浮遊島に何かあった場合の見極めと対処。



「うむ、見たところそこのエルフとも上手くやれているようだし世界樹も育っている。ここをそなたらに任せよう」


 どうやらクロウたちはファードラのお眼鏡にかなったようだ。


「あ、あの!時々でいいので遊びにきてくれませんか?」


「うむ、気が向いたら来るとしよう」




 こうして浮遊島にやってきたファードラに認められたクロウたち。


 のちにファードラは頻繁に浮遊島にやってきて最終的には浮遊島に住み着くようになる。



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