表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/42

4キス♡復活とスイーツ

「コルニクス家の令嬢が暗殺者としてサラを?

その装束はまさに暗殺者の装い、訳が分からん!」


まさにって露出感が多めすぎません?

それとも暗殺者ってこんなのばっかり?


「早急に調べる必要がありそうだな。

だがしかし、コルニクス家か……

おいそれとは手が出せん」


「パパ! きっと何か裏でとんでもない計画が進んでるんだよ!

ということはだよ?

リーリエ嬢は生き証人として確保しておかないと!

死刑はなしだね!

それとね?

リーリエ嬢はわたしの管理下に置かせてもらうから!」


「はあ!? また何を言い出す!?」


「その耳かっぽじってよく聞いてパパ!

リーリエにもしも何かあったら舌を噛みます!

分かった! パパ!」


「分かるわけないが!?

お前は子どもの頃から、こうと決めたらほんとにやりかねん!

だが、むざむざ娘が殺されるのを黙って見ていられるわけがなかろう!」


「あ、そっか!

それなら大丈夫だよ!

リーリエ、思いっきりわたしを刺して」


「えい」

「サラああああ!?」


驚愕の表情を浮かべるパパを尻目にリーリエのダガーがわたしの小さな胸に一直線!

がっつん!

バキンとダガーが折れちゃった。


「あ……エンチャントダガーが折れました」

「え!? もしかして大事なものだったの!?

なんかごめん!」



そんな訳で国王であるパパに夢?で見た内容をかいつまんで説明してみた。



「なるほど。そんなことがあったというのか。

一度死んだかもしれんが、女神の恩寵で復活。

傷も癒えて、ダガーで刺そうとしても傷もつかんと?」


「まあ、そんな感じかな?

いろいろ実験してみないと分からないけど?

死すること能わず。

天命が突きるまで生きよ。

って言われたし、何されても死なないんじゃないかな?

見ての通りでしょ?」


「しかし女神とは……聖皇教会にでも知られたら面倒なことになりそうだ」


面倒でごめんね、パパ?


「えいえい」


あいも変わらずリーリエがわたしの首を2本目のダガーで刺す刺すしてる。

その様子を呆れ顔で眺めるパパと、わたしの近衛騎士団一番隊隊長にパパ直属の騎士2名。

他の騎士たちは廊下に下がらせた。


ぼろぼろの寝巻き姿をいつまでも見られるのは嫌なので、ミンケちゃんにガウンを羽織らせてもらった。

パパ直属の騎士さんたちは男性なんだけども目のやり場に困って……というかガン見されてた気がする!

不敬が極まりないよ!


わたしとリーリエの腕には持ってきてもらった手錠で繋いでいたりする。

リーリエに逃げられないようにしないと!

運命の銀色の手錠だね♪


「そんじゃまあ。そういうことだから?

とっととわたしの部屋から出て行って!」


「なぬ!?

何を言うか!

話はまだこれからだ!」


「舌を噛むよ?」

「ぐぬぬぬぬ!

ええい! 分かった!

あとでしっかり話をするからな!

覚えていろ!」


でも舌を噛んだからって死なないと思うんだよね?

そんなことはパパも近衛騎士隊長も分かってると思うんだけど。

パパと隊長さんが目配せしてたしなあ?

やっぱりパパはわたしに甘い♪


「そんな悪役の捨てゼリフみたいなことを王様が言うかね?」

「誰のせいだと思ってる!?」

「はいは〜い。

出て行ってちょうだい!」

「サラ〜〜〜!」


バッタン!


しっかり部屋から押し出しました!

残ったのはわたしとリーリエとミンケちゃん。


「ふっふ〜!

それじゃあさ!

これからわたしたちがどうするか。

いろいろ相談しようね!」


そんな感じで世が明けるまで、未来に向けていろいろルールを決めたのさ!

わたしとリーリエの10の約束!

増えるかもしらんけど!




そしておよそ一ヶ月経った今!

わたしとリーリエは商街区のショッピングモールで歩き食いをしていた。


「手作り生キャラメルとナッツのハーモニー♡マスカルポーネクリームとホイップクリームとココナッツクリーム添えショコラとバニラアイス彩りフルーツたっぷりまるで王女様気分なエレガントクレープ。

って長いわ!

どこらへんが王女様!

そしてこれはうまいのか!?

リーリエのは丸ごとバナナのチョコクレープ?

一口ちょうだい♪」


「嫌です」

「即答!

朝ごはん食べてないからお腹ぺこぺこだよ!

早速あ〜……」


一口目をかぶりつこうとしたらリーリエの視線が気になった。

わたしのクレープをガン見してる。

おお? もしかして食べたい?


「食べる?」


少し顔を赤くして、ふいっと顔を背けるリーリエ。

かわいいなあ♪


「はい。あ〜ん♪」

「…………」

「味見したいんでしょ?

先に食べていいよ?」

「いりません」

「いいから一口食べなって」

「いりません」


繰り返すこと50回くらい。

さすがにあきらめました。


「おいっし〜!

やっぱり城下のスイーツは最高だよね!

食べ歩き最っ高〜!

ほんとに一口いらないの?

おいしいよ〜?」

「いりません。毒を仕込めたらいいなあと思っただけです」

「そっちかあ!」


わたしはパクパクと食べたけど、リーリエはお上品に口に運んでいた。

丸ごとバナナを舐める姿がなんだか……

結局、それぞれ自分のだけを食べて終わったんだけど?


「口のまわりに生クリームがついてますよ?」


わたしの口元をなぞるリーリエの指先。

その指先には生クリームがついてる訳で。

かわいい舌先で指についた生クリームを舐めとってる……


「マナーがなってませんね?

王女ならもっと上品に食されてはいかがですか?」


マナーがなってないのはどっち!?

どういうことか分かってやってるの!?

わ、わたしの顔が熱いんだけど!?

よし、それじゃあ思い切って攻めてみよう。


「お忍びだからいいの〜。

ねえねえ? 直接舐めとってくれない?」

「嫌です」


つれないなあ。

思わぬご褒美が嬉しかったけど?

次はしっかり舐めっこ、じゃない食べっこしたい。

また今度リベンジしてやるんだから!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ