29キス♡女癖と精力剤
「1対2?
植物風情が何を?
わたしの炎の前では植物などゼロに等しい!
百火繚乱!」
「サクラちゃん」
「おうよ!
綴華流桜瀑布!」
たっぷんドライアドを狙ってイリスちゃんの手から放たれた炎の花々。
舞い踊るように忍者刀が上下に振るわれると、まるで瀑布のような桜の花びらが流れるように炎を相殺して消えていた。
ザンバラ髪の桜のエフェクトは水魔法で組成されてるみたいだね。
「おお〜。花火と水芸がきれ〜♪」
「水芸じゃねぇし!」
「お喜びいただいてうれしいです!
燃え咲かれ刃!」
花のように燃えるイリスの片手剣とザンバラ髪の忍者刀が交差しつつ、魔法で交戦してる。
「魅惑のお庭」
「風刃斬」
床にはびこるつるがわたしとリーリエを捕まえようとするけれど?
リーリエが繰り出す風魔法の斬撃が斬り払っていくんだけど?
激しい戦いのあれこれは省略して、リーリエの後方から伸びたつるがリーリエのたっぷんを縛り上げて持ち上げていた。
とっても強調が嬉しいです。
「不覚です」
「こっちのオーナメントも縛りがいがありますよ。
ごくり」
ヘソだしベストと暗殺ショートパンツの裾からしゅるしゅるっと侵入する朝顔のつる。
「……あ」
リーリエの無表情なお顔が?
なんだかちょっと悩ましいような?
「あ! アサガオ! お前、ちゃんと戦え!」
「ぜひ続きを!
じゃないリーリエはわたしの!」
「ハレンチ王女」
「あなたも続きをするですよ」
「わたしはいいの〜!」
逃げるわたしをあっさり捕まえるつるがまた隙間から〜!
「サラ様のあられもないお姿が!?」
「お、お前ら!?」
戦う手を止めてこっちに釘付けなザンバラ髪ちゃんのお顔が真っ赤っか。
「百火繚乱!」
わたしとリーリエを拘束するつるとはびこるツルを炎の花々が燃やしつくすと同時に燃える片手剣をたっぷんドライアドの首に切先を向けていた。
「サクラちゃん、戦いに集中できないなんてアホでおバカですよ?」
「アサガオのせいだと思うけど!?」
「くっ!? 最後まで見たかった!」
イリスちゃん、ちゃんと助けてくれたのはうれしいけど見たかったんだね?
「イリス様、ありがとうございます。
ザンバラ、武器を捨てなさい。
でないと相棒が燃えますよ?」
「ちっ! 捨てねぇよ!
だけど降参だ!
まったくアサガオの悪趣味のせいで負けちまった!
女癖が悪すぎだぜ!」
忍者刀を背中の鞘に収めるザンバラ髪。
「うう。ごめんなさいですよ。
だって可愛かったんだもん」
「お前絶対スミレとタンポポに怒られるぞ!」
「ええ〜!」
「たんぽぽ綿毛の白い闇」
部屋の入り口から聞こえる呪文!
「何にも見えないよ!」
ふわふわと飛ぶ綿毛がまるで煙幕のように真っ白。
「サラ様! お気をつけを!」
「……」
時間にすると3秒くらいだったと思う。
綿毛がなくなってザンバラ髪とたっぷんドライアドの姿が消えていた。
「逃げたのかな?
リーリエ!
イリス!
助けてくれてありがとう!」
二人まとめて抱きつく♪
「ご無事で何よりです」
「離れてください」
「やだ。
どうしてここにいることが分かったの?」
「リーリエ様がいつもの暗殺でお部屋を訪れたところ不在のため居場所をお知りになりたいとわたしに連絡がありました。
このような遅い時間に行方知れずで焦りましたよ。
ですが居場所を突き止めるにも手段がなく、レオーネに助けを求めたんです」
「レオーネとサリーの嗅覚でここを突き止めました。
外で待機してます」
「おお! なるほど!
みんなすごいねえ!」
「すごいじゃないですよ!?
間に合ったからよかったもののサラ様の身にもしものことがあったらと思うと!
ミンケだって大泣きだったんですよ!」
「あちゃ〜。ミンケちゃんごめんねえ」
「まさか養護施設のご報告でこのようなことをなさるとは夢にも思いませんでした!
今後は報告書の内容を制限させていただきます!」
「それはダメだよ〜。
王女としてはちゃんと教えてくれないと困っちゃうからさ♪」
「でしたら王女らしくなさってください」
「やだ」
「わがままですか!?」
「ハレンチわがまま王女」
「二人ともひどい!
でもそうだよね?
う〜ん。これからはちゃんと相談してから行動するからさ♪
それで許して?
ね、お願〜い♪」
「後でしっかりご相談しましょう。
それであの者たちは何者ですか?」
「知らない。バイトがどうとか闇ギルドがどうとか言ってたよ?」
「闇ギルドですか? わたしは存じ上げませんが」
「……裏組織です」
「リーリエ知ってるの?」
「暗殺や戦闘、強盗、人身売買など非合法の仕事を請け負うプロ集団を斡旋するギルドです」
「なんだかおっかないところだねえ。
リーリエも所属してるのかな?」
「……いえ」
「でも知ってるんだね?」
「乙女の秘密です」
「乙女の秘密じゃしょうがない!」
「サラ様、しょうがなくないと思いますが?」
「まあまあ。
それはともかくさ?
なんかすごいの見つけたよ?
見てくれる?」
「「魔族再興現存種族殲滅計画?」」
「うん。なんかすごいよね?
魔導コンソールがなくなってる。
あの一瞬で持ってったのかあ。
プロってすごいねえ。
結構へっぽこだった気もするけど?
他の引き出しはっと……
あれ?
これって……
見て見て!」
「六芒星のシートです」
「いっぱいありますね?
どういうことでしょう?」
そっか、ペーシェちゃんに解析してもらったことは二人は知らないか。
「実はね?
こんなことが分かったんだ」
ザクっと説明。
「なるほど……
つまり魔族を憑依させるアイテムが六芒星のシートなんですね。
施設の子どもを集めて六芒星を貼るんでしょうか?」
「多分そんな感じだとは思うけど、魔族に適性があるなんてそんなにいると思わないけどなあ。
だから流行させて増やしてるのかな?
それとも何か違う理由があるのかな?」
「イリス様から他の施設から子どもたちが引き取られたと話を聞きました。
保護が最優先かと……」
「うん。リーリエの言う通りだね。
イリス、明日にでも報告書にあった場所に騎士隊を派遣できるかな?」
「問題ありません!
人数的には少々不安ですので警備隊にも要請したいところですが」
「そうだよね。
でもペーシェちゃんが技術の流出について気にしてたしなあ。
警備隊はわたしだけの一存でどうにかできるわけじゃないし」
「では、非番の者も招集しましょう。
今から準備をはじめます!」
「今からなの!?」
「はい。先ほどの二人が雇い主に連絡しているかと。
近衛騎士隊にお任せください」
「そっか。うん、ありがとう!」
「それはともかく!
サラ様、お一人で自由がすぎます!
明日からわたしも同行いたします!」
「ダメ。イリスは明日の任務を最優先!
わたしはもう一回ペーシェちゃんのところに行くからさ。
リーリエにも行ってもらうから大丈夫だよ!
ところでリーリエ?
体は大丈夫なの?」
「はい。
治癒は完了してますし、当家秘伝のどんな無能も爆発精力剤を飲んできましたから」
あれ? それってだからさっきのつるで悩ましい表情だったり?
じゃあ……
ほっぺにちゅ♡
「ひゃ!?」
おお! もじもじ真っ赤っか!
ちゅ〜したところに魔法陣が現れて光ると消えた。
「今夜もポイントゲット!」
「……ずるいです」
「そんなに顔を赤くしちゃって♪
これはなんのせいなのかな♪」
「……知りません」
「わたしにも抱きついたまま見せつけないでいただきのですが。
……その……ずるいです」
「それじゃあイリスにもちゅ♡」
「うはあ!」
ばったんと倒れた……
イリスはどんな無能も爆発精力剤を飲んでないよね?
そんなに刺激が強かったかな?




