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27キス♡にゃんこ耳とハート

「サラ様からメールでいただいた発注はこちらにご用意できてますのにゃ」


「わお♪ ありがとう!

急なお願いを聞いてくれる料理長にもちゃんとお礼をしないとね!」


「日持ちのいいお菓子をちょっとずつ300人分にゃんて、にゃにに使うんですにゃん?」

「へへ〜。明日行くところで配ろうと思ってさ♪」


「明日ですにゃ?

にゃるほど分かりましたのにゃ。

本日はペーシェ様とお久しぶりにお会いしていかがでしたかにゃ?」


「とってもなめらかすべすべたぷたぷだったよ〜♪」


「そっちですにゃ!?

先日といい本日といいサラ様に危険にゃことが多すぎますにゃ。

ミンケはやっぱり心配で心配にゃんですにゃ」


「ああ! ミンケちゃん、わたしなら大丈夫だよ!」


ミンケちゃんが涙ぐんでるからにゃんこ頭を抱き寄せてよしよしなでなで。


「諜報部にお願いした件は大丈夫そう?」


「六芒星の魔法適性が増えるではにゃく減るという内容にすげかえる件ですにゃ。

明日からでも作戦開始しますのにゃん。

近衛騎士隊も協力してくれますにゃん」


ほんとはすぐにでも回収したいとこだけどなかなかいい方法がないんだよね。


「……ミンケはサラ様をお守りするためだけの人材が欲しいのにゃん」


「そうだねえ。

最近は特にいろんなことがあるからね?

確かに身近に手伝ってくれる女の子がいたら嬉しいなあ。

急にお願いした名簿の件はありがとうって伝えといてね。

さあ、ミンケちゃんのお仕事の時間はもうおしまいだよ♪」


時計の針は10時を指していた。


「今夜はリーリエ様はお休みにゃのですね?」

「うん。起き上がれないみたいだったからね」


「そしたら夜更かしはしにゃいでたまにはぐっすりお休みになってくださいにゃのにゃ」


「ミンケちゃんが添い寝してくれたら寝る!」

「うにゃ〜。

ミンケは予定がありますので無理にゃんですにゃ〜」


「そっかあ、残念だよ〜」

「それではイリス様と諜報部からの報告書がございますのにゃ。

くれぐれも夜更かしはにゃさいませんようにしてほしいのにゃん。

うにゃん!?」


ミンケちゃんのにゃんこ耳をはむはむ♪


「おお〜。やっぱりミンケちゃんのにゃんこ耳の方がペーシェちゃんのダークエルフ耳よりも高速パタパタが素早いねえ♪」


「にゃにを比べてるのですにゃ!?」

「二人とも比べられないくらいにかわいいってことだよ♪

それじゃあお休みのちゅ〜ね♪」


ミンケちゃんのにゃんこ耳に口付けをするとやっぱりこそばいのかパタパタしてる♪


「うにゃ〜。

サラ様はずるいのにゃ〜。

それではお休みなさいませなのにゃん♪」

「お休み〜♪」


パタンと隣室のミンケちゃん専用侍女部屋に下がっていった。

予定ってなんだろ?

街のにゃんたちと猫集会してたりして♪


「さて、まずは報告書を確認しましょうか。

どれどれ」


机に座って報告書をめくっていく。


まずは諜報部の情報。

進展なし?

それだけペーシェちゃんの解析能力がすごいってことだね。

流通ルートもまだかあ。


イリスちゃんの方はと。

わたしの養護施設にちょっかいをかけてきた組織のことだね。


「特別子ども育成復帰支援センター?

なんだかそれっぽいネーミングだなあ。

他の施設の子どもを何十人も引き取ってる。

設立してからたった三ヶ月で?

ますます怪しいなあ?

しっかり内部調査した方が良さそうだけど、こういうとこって国費や貴族の支援があったりするよね?

事業計画のリストはっと……あ、やっぱりある。

てことは正規の手続きを踏んでの調査は時間がかかるかもしれないし、横槍が入るかも?」


読み進めると。


「場所が何箇所か書いてある……ふ〜ん。

一番近いところに事務所がある。

間取りまで調べていて仕事が早いなあ♪

イリスちゃんたらこんな情報をわたしに渡すなんてうっかりだね?

時間をかけてらんなさそうだし!

はい! 今から単独調査決定〜♪」


ほんとは誰かに来て欲しいとこだけど時間も遅いし、わたしは無敵だから死んじゃう心配はないしね。


早速着替えを開始!

深めのフードがついたパーカーにスキニーパンツ。

全身真っ黒。

リーリエ、わたしを見習いなさい!

膝までかかる長いストロベリーブロンドは邪魔なのでお団子にしてまとめた。

わたしはそれほど背も高くないから男の子にしか見えない。

……お胸が出てないからなおさらだったり。

悲しみが深い。


リュックサックに役に立ちそうなアイテムを詰め込んで背負う。


「さてと! 早速行きますか!

まずは一番近い場所から♪」


月明かりに照らされてバルコニーの手すり壁に飛び乗る。

城内から抜け出すにはこの方法が一番♪

一人の夜はわたしだけの時間だよ!


グッと足を踏み込んで一直線に跳ぶ。

城内の屋根を次々と跳躍していく。

もうすぐ満月になる月明かりを浴びながら都に跳び出す。


わたしだけの跳躍術って言ってもいいのかな?

無敵を色々試していたら発見したこの方法。

あれは偶然だった。

転びそうになった時、足を怪我しそう!と踏ん張ったら高くジャンプして跳べたんだよね。

足の裏に攻撃をされるイメージで練習したらできるようになった。

理屈は分かんない。


「いよっと!

ここが目的地だね?」


商街区の一角にあるそれほど大きくもない建物の屋上に着地する。

ここまで来るのにいろんな屋根を踏み砕いたのはごめんなさい。

雨漏りしませんように。


「あ! 扉があるラッキー♪」


懐中時計を見るとまだ10時半。

もしかしたら残業してる人もいるかもしれないし、もうちょっと待ってからにしよう。


うっかり居眠りしそうになるのを0時まで耐える。

こんなことするの初めてだから大失敗。

もっと出発時間を考えた方がいいかも。


そろそろいいかな?


ガチャっとドアノブを回してみるけど開かない。

そりゃそうか鍵くらいかけるよね?

それでは。

ペーシェちゃんから以前にもらったマジックスクロールを広げる。


「え〜と、書いてある呪文を感情を込めて読み上げればいいんだよね?

閉ざした心よ開け 開かないとこじ開けちゃうなの♡

こじ開けるんだ!

ハートマークの意味あるの!?」


かちゃっと音が聞こえたからドアノブを回してみる。


「おお。ちゃんと開いた。

ちゃんと意味があるんだね?

なんでこんな呪文にしたのかペーシェの心の意味は分かんないけど。

潜入調査開始♪」


心臓がドキドキいってる。

暗がりの中、よく見えないけれど魔道具の明かりをつけるのも危険だし、誰かがいるかもしれないし慎重に慎重に。

と思ったんだけど、上階から一部屋ずつ確認したら人の気配はなし。

次の階も。

普通の商会とかならこんな遅くまでいるわけないもんね。

ていうか?

ほとんどの部屋が何にもなくて空っぽ。

ちょっと安心。

だけどここってペーパーカンパニー的なやつじゃない?


「それじゃあ、一番怪しそうな場所に行ってみますか」


どの階も小部屋ばっかりだけど、真ん中の階だけワンフロアしかない。

きっとここでしょ。


「あれ? ここも殺風景だね?

あ! ど真ん中に机がある!」


机が一つに椅子が一脚に魔導コンソール。


「起動するかな? どれどれ?

ついた!」


起動ボタンを押すと魔導コンソールが明るくなる。


「あ……認証パスが必要かあ!

まあそうだよね。

うーん。魔導学の論文はいっぱい読んでるけど、わたしには解析できるような技術はないしなあ。

やっぱりペーシェちゃんにきてもらえばよかったかなあ?

しょうがない。引き出しになんかあったりして」


早速引き出しを開けると目を引く一枚の紙があった。

癖のある走り書き。


「魔族再興現存種族殲滅計画?

何それ?

きゃあ!?」


ザシュ!っと背中に衝撃!

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