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15キス♡もふもふとミルク

「わたしも嫌ではないですよ?

どこかのハレンチ王女に比べたら、一億倍もふもふは好きです」


「わたしよりもふもふの方がいいの?

わたしももふもふになりたい!

わんこなんてどうかな♪

そしたらもふもふしてくれるわん?

リーリエわん?」


両手をわんこっぽくおねだりポーズしてみる♪


「あそこの……従魔を撫でてもいいですか?」


そっぽを向いてわたしを無視するリーリエの視線の先には猟犬みたいな従魔が寝そべっていた。

見える範囲だけでも猪っぽいのや鹿みたいのがいる。

みんなでっかい。

でも無視しなくてもよくないですか?


「あはは! そっか!

よろしくな!

でも、いきなり撫でるのは危ないからやめときな!」


「ところでレオーネ様、お荷物部門ですか?」

「ああ。ここはさ。

怪我や病気、歳とって引退した従魔の面倒を見てるんだよ。

使えない従魔の面倒なんて金がかかるだけだろ?

散々こき使ったくせに使えなくなったら殺処分しろだなんて酷いよな」


「ただでさえ、軍部への資金は少なくなってるからねえ。

経理はコストカットしたいんでしょうね。

レオーネ、報告書は見たけど案内してくれる?」


「もちろん!

できれば助けて欲しいんだ」




「かっわいい〜♡

なんてかわいいの!」


「……わたしがこんなことをしていいのでしょうか?」


「いいんじゃねぇか?

しゃぶりついてミルクを飲んでるし」

「リーリエの母性がたっぷんにぴったりだねえ♪

わたしにも飲ませてほしい」


椅子に座ったリーリエの豊満なたっぷんに頭を押し付けて、哺乳瓶にかじりついてる生き物がゴキュゴキュとのどを鳴らしてる。

うらやましいから代わって?

黒毛のもふもふがたっぷりな狼の赤ちゃんだ。

赤ちゃんなのにかなりおっきい。


「サラ様、そんなことばっかりおっしゃるから寝言で恥ずかしい思いをされるんですよ?」

「イリスちゃん、手厳しい!」


「飲み終わったようです」


「背中をさすったりトントンしてゲップをさせてあげてくれるか?」

「こんな感じでしょうか?」

「うんうん。リーリエママ、上手だねえ♪」

「わ、わたしがママですか?」


なんだか珍しく照れてる!


げぷっ

少しだけミルクを飛ばしながら上手に空気を吐き出した。


「おお! ゲップが出たよ!」

「うん。これで吐き戻しは大丈夫だ。

ミルクを飲むと空気も一緒に飲み込んじゃうんだけどな。ゲップをさせないとせっかく飲んだミルクを戻しちゃうからな」


「なるほど。いい勉強になった!

わたしとリーリエに赤ちゃんができたらしっかりゲップしてあげられるね!」

「女同士で子どもはできません」


「そうだけどさ。できたらいいね♪」

「……そもそもできるようなことはしませんから」

「できるようなことって何かなあ♪

リーリエは何を想像したのかな♪」

「し、知りません!」


またそっぽ向いて表情を見せてくれない!

どんな顔してるのさ!


「わ、わたしも抱っこしてもいいでしょうか?」


イリスがおずおずと聞いてくる。

おお! 普段なら護衛のお仕事として控えてるだけなのに!

よっぽど黒狼の赤ちゃんがかわいいんだね!


「どうぞ、イリス様」

「ありがとうございます!

な、なんてもふもふかわいい!

はわ〜♡」


熱血イリスのお顔がとろとろになってる!

とってもかわいいじゃないですか!


「で、レオーネ。

この子が報告書にあった魔獣の赤ちゃんだね?」


「昨日、黒狼ブラックウルフの成獣が運搬中に逃げたらしいんだけどな。

警備隊の話じゃ通りかかった冒険者の手で殺害されたらしい。

うちは死んだ魔獣の埋葬もしてるから呼び出されて行ったんだ」


「ん? 逃げた黒狼って?

もしかして昨日、わたしとリーリエで倒した黒狼のことじゃない?

冒険者と間違われたのかな?

でも殺してなんかないよ?

ねえ、リーリエ?」


ジャイアントノミは殺処分したけど。

報告書、というかレオーネの手紙には黒狼の子どもを保護したから見にきてほしいってだけ書いてあったんだよね。


「同一個体ではないかもしれませんよ?」


「待て待て。

なんかおかしなこと聞いたぞ?

倒したって黒狼とやりあったのか?

あんまりイリスや騎士たちに無茶させるなよ?」


「違うよ?

わたしとリーリエで黒狼を倒したの。

警備隊がわんさと来てさ。お忍びだったからあれこれ面倒になるのが嫌ですぐに逃げちゃったんだ」

「倒した!?

サラ姫と……この令嬢でか!?

嘘だろ!?

イリス!?」


「わたしも初耳です!

わたしがお休みをいただいていた日のことですか!?

サラ様、何をなさっているんです!?」


「ごめ〜ん。特に言う必要ないかなあって」

「そんな一大事ちゃんとお教えください!

もう休みをとるのやめます!

そしてどんな時でも護衛をご用意します!」

「ああ! ごめんてば!

今後はちゃんと報告するから!

ちゃんとお休みはとってね!?」


わたしが護衛はいらないって言ったからなんだけどね?

ちょっとさみしかったりもしたけど、ちゃんと指示を守ってくれたわけだし。

余計なこと言っちゃった。

今後、護衛が増えちゃいそう。


「それに嘘なんかつかないよ〜。

リーリエはぽんこつだけど強いんだよ!

わたしはちょっと手伝っただけなのさ!

ね、リーリエ!」

「ぽんこつは余計です」


「手伝ったって何をどうした!?

病気がちで大人しかったのに!」


ごめんレオーネ。それ仮病です。


「でもサラ姫が嘘なんか言う訳ないもんな。

黒狼が逃げるなんて話、一日で2件も起きる訳ないだろ。

てことは、後から来た冒険者ってのが殺ったのか?

でもあたしが到着した時にはもういなくなってたし。

くそ! せっかくサラ姫が生かしてくれたのに無駄に殺したのかよ!

でさ、死んだ黒狼を回収しようとしたら魔法省のやつらが突然現れて持っていっちまったんだ」

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