14キス♡おしりとゆっさゆさ
「ねえリーリエ。
わたしが狙撃されるってなんで分かったの?」
後ろに控えるイリスたちに聞こえないようにこそこそと耳打ちする。
「……なんとなくです」
「なんとなくで分かるもの!?」
「はい」
なんだか自信たっぷりに大きな胸を張ってる。
ぽんこつのくせに野性の勘とかあったりして?
魔導狙撃銃の使い手でもあるし、分かることもあるのかな?
「あ、終わったみたいね」
貴族や軍部のお偉いさん、最後にパパのありがた〜いお話しが終わると、パパから順に偉い人が軍事演習場をあとにしていく。
最後に演習場に残った軍人さんたちがそれぞれ解散していくわけだけど?
退路で待機していたわたしは、移動を始めた軍人さんたちの列、先頭に駆け寄る。
わたしの姿を確認して軍人さんたちがギョッとした反応をしてたけど、そんなことは気にしない。
手を振ったり、握手したり、おつかれさまでしたとか、かっこよかったですとか、用意してもらっていたドリンクやアメちゃんを渡したりとか。
軍人さんたち、最初の方は戸惑っていたようだったけど、途中から前の様子を見ていた軍人さんたちがとっても明るい表情で行進してくる。
ソワソワなんだかとっても嬉しそうだね!
でも人数が多いなあ?
わたし一人じゃ行進のスピードに追いつかない。
「そうだ!
いいこと思いついた!」
リーリエの手をとって隣に並んでもらう。
「ほら! 一緒によろしく!」
「ええ? わたしがですか?」
いやそんな冷えきった顔しないでほしいんだけど?
まあそのうち慣れるでしょ!
長い列が果てしない!
けど、国民のためにがんばってる彼ら彼女らを労わないと!
なんだけどリーリエが無表情。
握手も熱を感じないし、それじゃあ喜んでくれなくない?
「ほら! 笑顔で力いっぱいみんなを送ってあげて!」
「……はい」
笑顔が固い!
ぎこちないけどさっきよりはいい!
「みんな、ありがと〜〜〜!」
そんなこんなで。
大人数の軍人さんたち最後の一人と、お手伝いしてくれた人たちまでお見送りすることができました♪
残ったのはわたしとリーリエとイリスと数人の近衛騎士ちゃん。
「サラ様……なぜこんなことを!?」
「え? だってみんなを労うのが今回のわたしのお仕事なんだよね?」
血相変えて問い詰めるイリスににっかりと笑ってみせる。
そいうえばイリスにもこのことを伝えてなかった。
「労うの意味! スピーチで充分なんですよ!?」
「あれ? そうなの?
でもまあ、みんな喜んでたからいいんじゃない♪」
「王女手ずからあのようなこと前代未聞です!」
「そう? じゃあこれからは定番にしようか!
それとさ?」
「サラ様!? 何を!?」
「イリスちゃんもいつもありがとうね〜♪
よしよしなでなでだよ♪」
わたしより背の高いイリスの腰を引き寄せて頭をなでなでする。
「はわ!?
サ、サラ様、恐れ多いです〜」
わたわたしてるし顔が赤いし。
「イリスもかわいいねえ♪」
「さすがハレンチ王女です」
「余計な一言多いよ?
別にハレンチなことしてないし?」
「サラ様……その……腰は!」
「あれ? ごっめ〜ん!」
ちょっとおしりに近かった!
でもそんなつもりは本当になかったよ?
ほら、身長差があるからさ?
おんなじように騎士ちゃんたちもハグ♪
「リーリエもありがとね!
リーリエと握手した軍人さんたちも喜んでたね!」
「……そうでしょうか?」
「うん! わたしが保証するよ!
でもみんな付き合わせてごめんね?
すっかり時間かかっちゃったよ!
ただでさえ遅いお昼ご飯を食べる時間がない!
すぐ従魔省の施設に行かなきゃいけないんだったよ!」
ぐう
「ハレンチ王女もお腹が空いてるみたいですね?」
「あはは〜。そうみたい。
ん〜、それじゃあさ!
あとでみんなで夜ごはん一緒に食べよっか!」
「却下です!
我々は王族と同じ席で食事をすることはできません!」
「ちぇ。つまんないの〜」
「じゃあリーリエは!」
「時間外は同行しません」
「わかったよ!
とりあえず次に行くよ!」
みんな冷たいよ〜。
「いよう! サラ姫! 久しぶりだな!
会えてうれしいよ!」
「わたしもうれしいよ!
レオーネは相変わらずもっふもふだねえ♪
ハグしてもいい?」
「ダメって言ったって……
うわ!? 早速飛びついてきたな!
へへ♪
好きなだけモフるんだな!」
「うはは〜♪」
レオーネは獅子の獣人。
友愛に満ちた好奇心旺盛な瞳は黄水晶のように輝いている。
爽やかなオレンジ色の髪の毛がオスライオンの立て髪みたいにふっさふさで、手入れもしないで無造作に足元まで伸びてすごくボリューミー。
立派なのは髪だけじゃなくて、お胸も腰も!
ゆっさゆさのたっぷんだったりする!
「あ! おい!
ど、どこ触ってるんだよ!
ふみゃ!? みゃう〜!
……って、みんなの前でやめろって!」
「みんなの前じゃなきゃいいの?」
「お前、そんなやつだっけ!?」
「一回死んでから少し変わったかも?」
「死んだってどういうことだ!?
まあ、元から変なお姫様だったけどな」
「レオーネ。元からなんて不敬です。
物静かでお淑やかで変なところがあるのが元からです」
ん? どういうことかな?
「イリスも久しぶりだな!
確かにこんなにはっちゃけてはないけど、もふり具合は変わってないぞ?
そんでこっちの令嬢は?」
「リーリエ・コルニクスと申します」
「コルなんとかってどっかで聞いたことあったような?
まあどうでもいいや。
あたしは従魔省のお荷物部門で働くレオーネだ。
あんたみたいなお嬢様がこんなとこに来るなんて嫌じゃないのか?」
レオーネがリーリエを訝しそうに見てる。
理由は簡単。
ここは従魔がそれなりにいる厩舎だから。
獣臭がすごいし、あまりキレイとは決して言えるような場所じゃない。
実際、レオーネも汚れた作業着で厩舎の掃除をしていたところだしね。
こういうところを嫌がる令嬢はたくさんいる。
「レオーネ、もふもふ〜♡」
「ひゃうん! だからやめろって!
キレイな服が汚れちゃうだろ!?」
確かにどろどろが付いちゃうけどね。
洗えば済むし。
今度、侍女のみんなと一緒にお洗濯しよう!
「べっつに〜♪ 嫌じゃないよ〜♪」




