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10キス♡生理現象とチャンス

「それではサラ様。

子どもたちの流行については諜報部からのご報告の通り、こちらの書類にまとめてありますのにゃ。

これにてミンケはお休みさせていただきますのにゃ。

今夜の暗殺バトルもがんばってくださいなのにゃ」


「報告ありがとう!

バトルじゃなくてデートなんだけどなあ」


外はすっかり暗くなって夜。

いつもの通り、自室に夕食を運んでもらって済ませている。

ミンケちゃんの口に運ぶと焦るのが可愛くて楽しかった♪


「そう思ってるのはサラ様だけなのにゃ。

陛下もイリス様たち騎士もみんにゃ心配してますのにゃ。

もちろんミンケだってですにゃ。

いくら頑丈すぎるお体ににゃったとはいえ……

もしもにゃ?

もしも……

サラ様ににゃにかあったら……

ミンケは……ミンケは……

うにゃあああああああ」


「ああ!

ミンケちゃん、そんなに泣かないで〜!

大丈夫だよ!

あんなにでっかい魔獣の黒狼にだって殺られなかったんだから。

わたしは無敵だから大丈夫だよ!

ね? 泣き止んで?」


寝巻きの裾でミンケちゃんの涙をすくう。


「はいにゃ……

黒狼で思い出しましたにゃ。

その黒狼について、明日ご報告があるそうですにゃ」


「なんだろ?

明日聞いてみるね。

ミンケちゃん今日もおつかれさまでした。

明日もよろしくね」


「うにゃ〜。

ほっぺたをこすりつけにゃいでくださいにゃ〜」

「うは♪

もふもふあったかあ♪

お休み〜♪」

「お休みなさいませなのにゃん♪」


パタンと隣室のミンケちゃん専用侍女部屋に下がっていった。

この後シャワーを浴びて夕飯を食べてプライベートなことに勤しんで就寝すると思う。

ミンケちゃんは夜は何をしてたりするのかな♪


時計を見ると21時55分。


「そろそろ時間だね!

今夜はどんな暗殺方法で来るのかなあ♪

とりあえず報告書に目を通しておいてから、新規事業計画の確認と……魔導学の論文も読んでおこっと♪」


椅子に座って書類を広げると黙々と紙の束をめくっていく。

一度机に向かうと時間が経つのを忘れちゃう。

集中しすぎて朝日を迎えたことが何度もあるくらい。

結果、馬車の移動中は寝ちゃってることも多くなるんだけどね。


カチカチと時計の針が進んでいくことも気づかない。


「ん? おトイレ行きたいかも?」


いくら集中しても生理現象だけはどうにも。

もよおしたら気になって集中できないしね?


「でもめんどいなあ……」


一度気になると我慢できないものだし。


「おっトイレ、おっトイレ」


おトイレはもちろんある。

わたしの自室は、応接室が大中小三部屋、執務室、勉強環境完備の寝室、ドレッシングルーム、バスルーム、給湯室、おトイレ。

華美な装飾は好きじゃないけど、あんまり地味すぎるとお金が回らないのでそれなりの調度品や家具を適度に一新している。

出入りしている商人さんたちの顔も立てないとね。


特にベッドの品質にはこだわることにした!

マットレスのスプリングは超レア素材の虹彩輝銀シルバタイト!

寝台のフレームは世界樹の木材で香りもいい!

超高級わたあめ綿花のわた枕!

幻獣グリフォンの羽毛がたっぷり詰まった超高級ふかふか羽毛おふとん!


これは公費は使ってない。

お小遣いだ。

もちろん高価だけど新規事業の取引なんかとの交渉の結果、あれこれ引き換えに価格を抑えてもらってる。


そして、枕元には手作りしたリーリエ人形にミンケちゃん人形♪

あんまり上手には作れてないけど。

毎日が安眠し放題!

それに何より!

リーリエとの初夜を迎える時のためにも!

紐水着はしっかりクローゼットに収納してあるのさ♪


それとミンケちゃんが利用している侍女部屋が一室と、もう一室は空いている侍女部屋が隣にある。それぞれバスルームとおトイレ付き。


魔導科学が発展してるおかげで上階への上下水道もバッチリ!

おトイレにはウォシュレットだってあるのだ!


「は〜♪

すっきりした♪

あれ? そういえばリーリエこないなあ?

おトイレから出ようとしたらいたりして」


扉に聞き耳を立ててみるけど、特に気配はなさそう。

わたしに感知能力なんてないからどうせ分かんないけど。

一応そおっと扉をちょっとだけ開けて寝室の様子を見てみる。


「いないよね?

いくら死なないっていってもびっくりするのは嫌だもんねえ。

ドキッとするのは心臓に良くないもの。

さてともうちょっと書類に目を通しておこうかな♪」


時計の針が2時を指していたことには気づかないで机に向かう。


「…………」


3時


「…………」


4時


「…………」


4時30分

外はまだまだ暗い。


「まだ寝ないんです?」


ぽつりとした声には気づかなかったけど。


「そろそろ寝よっかな?」


ベッドに腰をかけてゴロンと横になる。

灯りはつけたまま。

怖いの嫌いだから。


「ふかふか〜♪

気持ちいい♪

おやす……」


サクッ

サクッ

トスン


「はい?」


顔のすぐ目の前にダガーが3本!

ベッドに刺さってる!


「わたしの超高級おふとんが!」


寝転がったまま上を見ると目が合った。


「ほわあ!?

リーリエ!?」

「見つかってしまいました」


「なんでそんなところにいるの!?」

「暗殺です」


ベッドの天蓋に張り付いてる!

手と足を突っ張ってプルプルしてる!


「ダガーをうっかり落としてしまって、せっかくの暗殺のチャンスを逃してしまいました」


リーリエが身につけているショートパンツと太もものダガーホルダーが三つ空になってる。

うん。おなかと太ももがまぶしい。


「うっかりだったの!?

3本も!?

ほんとにぽんこつだね!?」

「ぽんこつではありません。

うっかりです」


「ずっとそこにいたの!?

ずっとわたしがベッドに入るの待ってたの!?」


「はい……ずっとです。

もうおトイレを我慢できません。

ぷるぷるが止まりません」

「行っておいで!?」

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