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第5話 ノクトレギア帝国

エミリアを解毒したのは超解毒薬で瀕死の騎士を救ったのは超回復薬。ともに原初能力(オリジンスキル)「薬液錬成」を持っているレオンだからこそ作れる薬。

レオンが命を助けたのは大国ノクトレギア帝国の皇女エミリア・ヴェルディクス(11歳)だった。そんなエミリアに母親を助けてほしいと頼まれたレオンはエミリアの馬車に乗り向かっている。ちなみに馬車の中にはエミリアとガイストが乗りほかの騎士は馬に乗り護衛中。


「なるほど原初能力(オリジンスキル)をお持ちだったんですね」

「それだったら理解できますな。あれには世界の常識が通用しませんからな」


エミリアとさらに護衛の近衛兵であるガイストにも自身のスキルを説明したレオン。ちなみに元勇者パーティーなどということは伏せている。特に話を合わせたわけではないがみんな勇者がいないのにパーティーメンバーだけがいる現状の説明がめんどくさかったようだ。


「んで?エミリアちゃんのお母さまをレオン兄に救ってほしいって言ってたけど?」


サーシャがエミリアの母親について問いかける。それにエミリアは悲しそうな表情を浮かべながらも説明する。


「はい……実はお母様の身体が数年前から悪くなりだしたんです。最初はただの風邪かと思っていたのですが一向に治らず。どの薬を処方しても効果がなくお母様の容体は悪くなる一方で……最近ではベッドから起き上がることや喋ることさえも苦しくなってきてるみたいでして。いまは寝たきりの状態となっています」

「どんな薬も魔法も効果がなく我が国も手を尽くしているのですが…」


ガイストも悲しそうな悔しそうな様子を見せる。


「そうね~。たしか病気に効く治療魔法は取得条件が厳しい魔法だものね~」

「普通の回復魔法だと治せるのは怪我だけですし」

「病気とかは一般的には薬がメインだしね」


3人がそれぞれの感想を述べる。そんな中レオンは思案していた。


「魔法も薬も効かない病気…」


どうやらレオンにはエミリアの話を聞いてひとつの可能性に思い至ったらしい。そしてその様子を見ていたナナが指摘した。


「あら?もしかしてレオンくんには思い当たることがあるのですか?」

「そうなんですか!?レオンさん!?」


そのナナの発言にはレオンに一縷の希望を見出しているエミリアが飛びつきレオンと急接近する。


「いやいや!落ち着いてエミリアちゃん!まだ皇后さま自体を見たわけでもないし僕の考え違いの可能性は大きいから!」

「お嬢様!レオンくんのいう通りです!気持ちはわかりますがどうか落ち着いてください!そしてご自身の今の状態を客観的に見てください!」

「今の状態を?」


そうガイストに指摘され自身がレオンに顔と顔が触れ合わんばかりに接近していることを理解したエミリア。


「ご!?ごめんなさい!?とんだはしたない真似を!?」


顔を赤らめてエミリアは自身の席に戻る。それにはサーシャが仏頂面をし不機嫌な様子。


「なんでサーシャちゃんはエミリアさまにあんなにヤキモチを焼いてるんでしょうか?」コソコソ

「あれでしょ?3人の中で年下で妹のようにかわいいっていうのがレオンに対してのアピールポイントだったのにその座が奪われかねないってのが気に入らないんでしょ?」コソコソ


コソコソと小声で会話するイリアリスとナナ。それは同じ馬車のほかの人物たちにも聞こえないような小声状態。しかし唯一聞こえてる者も。


ジロリ!


"聞こえてんだよ!"と言いたげに2人を睨みつけるサーシャ。サーシャは勇者パーティーでも究極能力(アルティメットスキル)に「闇殺」を持っていることもあり斥候担当だった。さらにスキル関係なく視覚聴覚などの感覚も鍛えられているために些細な音でも聞き逃さない。


そんなサーシャたちのやり取りに気づかないレオンたちの話は王級魔物の死狼(デスウルフ)に移る。


「まさかあんな場所で王級の死狼(デスウルフ)に鉢合わせるとは」

「やはり魔王の出現によって魔物たちの動きが活発になっているようですね……早く勇者様には魔王を倒していただかなくては……」

「ですな。なにせ魔王を倒せるのは()()()()()ですから」


勇者の話で勇者パーティーを抜けたレオンたちは内心で居たたまれない気持ちになった。


そしてガイストが話した"魔王を倒せるのが勇者のみ"という言葉。実はこの世界には大昔から勇者と魔王は存在している。"勇者が現れしとき魔王も現れる"と古代の文献でも記載されているほど。さらに魔王に対してダメージを与えられるのは勇者の資格を持つ者のみ。ゆえにたとえ世界最強の存在であろうとも勇者の資格がなければ魔王の前では子供も同然。


ハーレムを夢見てイリアリスたちにモテモテなレオンを追放するような馬鹿でクズでも世界にとってはいなくてはならない存在だったりする。


「お嬢様さま。もう陽も暮れ始めていますので今日はパーセル街で泊まろうかと思います」

「そうですね。それがいいでしょう。みなさんもそれでいいでしょうか?」

「う、うん。それで大丈夫」

「夜は危ないものね」

「安全に進みましょう」

「ちなみに皇都セレノヴァまでどのぐらいなの?」


皇都セレノヴァというのはノクトレギア帝国の首都であり中心地。そこに皇宮も存在しこの馬車の目的地。


「パーセル街からだと3日もあれば皇都までたどり着けるだろう」


そう返答するガイスト。というわけでレオンたちはその日はノクトレギア帝国パーセル街の最高級宿屋にて泊まることになった。

読んでくださりありがとうございます!


もし少しでも面白いと思ったら☆☆☆☆☆をつけてくれるとそれが作者の描き続ける原動力となります!よろしくお願いします!

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