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第4話 皇女エミリア



イリアリス+ナナ+サーシャの3人と再会し死狼(デスウルフ)の解毒不可能な毒に侵されていた女の子を治療したレオン。そのままの流れで回復薬でも治療不可能なほどに瀕死状態の騎士たちを薬で助けるレオン。それらに騎士ガイストは顎が外れんばかりに驚いている。


「部下たちが……いったい何が起こっているんだ……」


理解不能なその現象にポツリとつぶやく騎士ガイスト。すると女の子が馬車から降りてきた。


「ガイストさん……()()()ですが……どう思いますか?」

「それは……ですが確かに。世界の常識を二度も覆している彼ならあるいは……」

「その前にお礼を述べなくてはなりませんね」


そう言って騎士たちに身体の具合を尋ねていたレオンに近寄る。


「どこか気になる箇所などはありますか?」

「……すごい……胸の古傷も消えてる……いったい君は何者なんだ?なにをしたんだ?」


その質問に乗っかるように騎士ガイストを伴って女の子がレオンに話しかける。


「それはぜひ私もお聞きしたいです」


その声に背中を向けていたレオンは振り返り立ち上がる。


「もう歩いて大丈夫なの?」

「はい。レオンさんのおかげで噓のように健康です」

「そうか。それはよかった」


その女の子からの言葉にレオンはホッと息をつく。


「申し遅れました。私はノクトレギア帝国が皇女エミリア・ヴェルディクスと申します」

「私はお嬢様の護衛を担当しているガイスト・ボード。ノクトレギア帝国の近衛兵だ」

「!?!?」


ノクトレギア帝国といえばだれもが知っているような大国の1つ。ただの平民のレオンからしたら雲の上の存在。予想外の素性に驚きで声も出ない様子のレオン。しかしそれはレオンだけだった。


「わかってなかったのレオン兄?」

「サーシャは知ってたの!?」


まるで知っていたかのような言葉を話すサーシャに驚きが隠せないレオン。


「知ってたっていうか……ねえ?」

「そうね。馬車の紋章がノクトレギア帝国の皇族のものだからレオンも気づいてると思っていたのだけど」

「まあ、レオンくんがそれに気づいていたら皇女様の()()()()()()()()()()()()()()しないでしょうね」


そういうナナの言葉でその出来事を思い出し血の気が引いていくレオン。そこからの行動は早かった。


「申し訳ありません!?知らなかったとはいえとんだご無礼を!?」


頭を下げて謝罪するレオン。相手は大国の皇女だり平民の自分なんかが触れていい身分じゃないと考えての行動だった。しかしエミリアはそれを拒絶する。


「謝罪は必要ありません。あなたは私だけでなく騎士の方々の命も救っていただいた恩人なのですから。そんな方にあの程度のことで罰を与えでもすれば私が起こられてしまいます。どうか先ほどのままで。タメ口でいいですし……その……また頭も撫でてほしいです……」


モジモジしながらそう告げるエミリア。その表情は恋する乙女の表情だった。それを見たイリアリスたちがボソボソとつぶやく。


「また()としてるわ」

「まあ、命を救われたのですからしょうがないのでは?」

「所詮は子供なんだし大丈夫でしょ」


そんな声など聞こえていないレオンはそのエミリアの申し出にどうすればいいのか困惑中。


「レオン殿。我が国の皇族の方々は大変お優しく気安く接した程度で咎めたりするような方々ではない。心も広くプライドだけが高いような他国の王侯貴族とは違います。安心してください」


コク


ガイストの言葉に頷くエミリア。


「そう、ですか……じゃあ……エミリアで……」

「はい!レオンさん!」


溢れんばかりの笑顔をレオンに向けるエミリア。それにはサーシャがイラっと来たのか話に割って入る。


「ねえレオン兄?あっちが自己紹介したんなら私たちもしたほうがいいんじゃない?」

「確かに。それもそうだね」


というわけで結果的にはサーシャの指摘によって話が前に進んだ。


「僕はレオン・ヴァルディス。そしてこっちの3人が僕の()()()()()たちなんだ」


()()()()()という部分で誇らしげになる3人。


「ふふ♪私がレオンの頼れるお姉さん。イリアリス・フェルナよ♪」

「わたしはナナ・ガーデナンドっていいます。リアがお姉さんなら私は次女でしょうか?」

「サーシャ・パウンド。その流れでいうと私は三女?ナナはともかくリアが長女とか勘弁なんだけど」


サーシャのその発言にカチンときたイリアリスはサーシャに詰め寄る。


「ちょっとサーシャ?どういう意味かしら?」

「どういう意味って?そのままでしょ?」


突然に喧嘩を始めてしまう二人。その2人をなだめるナナ。


「こっちは気にしないで話を続けてください」


というわけでレオンはエミリアに向き直る。


「ええ~と……なにか聞きたいことがあるんで、だったっけ?」


敬語になってしまいそうだったがなんとかタメ口に持っていったレオン。そして話がそこまでいくとエミリアが真剣な表情でレオンに問いかける。


「……解毒不可の死狼(デスウルフ)の毒を解毒し回復薬も効果をなさないほどの重傷だった騎士たちを瞬く間に回復させた……そのレオンさんの力について聞きたいのです……そしてぜひ我が国まで来ていただけませんか?」

「ノクトレギア帝国まで?」

「はい……そして私の母を救ってほしいんです……」


どうやらノクトレギア帝国ではなにかが起こっているらしい。

読んでくださりありがとうございます!


もし少しでも面白いと思ったら☆☆☆☆☆をつけてくれるとそれが作者の描き続ける原動力となります!よろしくお願いします!

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