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第2話 スキルと魔物

この世界にはスキルがある。その才能によって取得できるスキルが変わったり進化速度も変わってくる。そう、スキルは進化する。そのランクは下から一般能力(ノーマルスキル)希少能力(レアスキル)究極能力(アルティメットスキル)


究極能力(アルティメットスキル)まで進化させるのは特別な才能が必須でありこれを取得すればその道の頂点に君臨できるほどに最強の証。しかしスキルのランクにはこれらとは別のランクが存在する。

それが原初能力(オリジンスキル)。スキルとは通常では条件に合った行動をすることでそのスキルを手に入れることができる。剣を振ることで剣術スキルを手に入れることができるように。いわば取得するのが普通のスキル。


しかし原初能力(オリジンスキル)とは生まれながらに宿っているスキルのこと。そんな通常ではありえない現象が稀に発生し、総じてそんな原初能力(オリジンスキル)は普通のスキルではありえない特殊なスキルとなる。


そして勇者パーティーを追放されたレオン・ヴァルディスもまた生まれながらにスキルを宿す原初能力(オリジンスキル)の所持者だった。

/////

ジルグの手によって勇者パーティーを追放されたレオン。それから十数分が経過していた。


「はあ……これからどうしよう……」


勇者パーティーを追放されたことで生きていくためにも急遽お金を稼がないといけなくなってしまったレオン。


「やっぱり冒険者かな?それともどこかの街で薬屋でも開こうかな?」


レオンは原初能力(オリジンスキル)「薬液錬成」の所有者であり素材を組み合わせることで液体の薬を生成可能となっている。


「でも冒険者は危険かな?ちょっとは戦う力はあるけど強い魔物とかと出会ったら死んじゃうし」


この世界には魔物が存在する。人に襲い掛かる危険な生物である魔物にもランクは存在し一番下から下級→中級→上級→王級→帝級→神級。王級以上ともなれば街一つを簡単に消滅させられる程度の強さは持ち合わせている。


そしてレオンは勇者パーティーにはいたが主な役目は回復薬だったり戦闘以外の雑事がほとんど。下級や中級程度なら倒せる自覚はあるがそれ以上となると自身には厳しいと判断している。


「やっぱりどこかの街で薬屋でも開こうかな~?」


そうして将来について薬屋を開くほうに傾きかけていた時に馬車が停止しており魔物に襲われていた。抵抗しているのは1人の騎士でありその周囲には生死不明の騎士たち。どうやら馬車の中にいる人間を守っているらしい。しかしそれは明らかに劣勢だった。


「あれってまさか!?死狼(デスウルフ)!?」


死狼(デスウルフ)とは街を簡単に消滅させられる強さを持つ王級に区分される。それが3体も存在している。いまだにあの騎士が劣勢ながらも抵抗できているのが奇跡に近い。


「助けないと!?」


反射的に走り出したレオン。そこには"相手は王級。助けに行ったら死ぬかもしれない"や"助けに行ってもなんの役にも立てず無駄死にするかもしれない"などといった理性は働いていなかった。レオンの脳裏にあるのは"困っている人がいるから助ける"。ただそれだけ。


「あいつを注目をこっちに集めないと!」


そう思いレオンは鞄から液体の入った瓶を取り出した。それこそがレオンが原初能力(オリジンスキル)「薬液錬成」で錬成した薬である。そして取り出した薬を自身にぶっかけた。


ばしゃ!


レオンが自身にかけた薬は魔淫香と呼ばれる魔物を引き寄せる特殊な香りを放つ薬。レオンはそれによって死狼(デスウルフ)3体を自身に引き付けようとしている。


「よし!あとは気づかせないと!」


レオンは別の薬を取り出して今度は死狼(デスウルフ)の周辺に投擲した。


ボン!


それが地面に衝突すると大きな音を出して爆発した。それによって目論見通りに死狼(デスウルフ)はレオンを視認する。そうするとあとは香りに誘われた死狼(デスウルフ)の標的はレオンとなる。


「僕が引き付けます!なのでその間に逃げてください!」


そういってレオンが隣の森の中へと駆け出していく。


「「「バウバウバウ!!」」」


それを追いかける死狼(デスウルフ)3体。


「ま、待ちなさい!?そんなことをしたら君は!?」


心配するその声をレオンは無視して駆ける。ちなみに考えなしに行動したレオンではあったが勝算が皆無ではなかった。勝つことは不可能でも逃げ切ることはできると踏んでいた。とある薬によって。


「ない!?ない!?強化薬がない!?」


レオンの算段は自身の身体能力を強化する強化薬を使用しての逃げ切りにあった。しかしいつもならあるはずの強化薬が見当たらない。


「そうだった!?この前の戦闘で切らしたから補充しないといけないんだった!?」


嘆くレオン。しかし最悪な状況は続く。


「「「バウバウバウバウ!!」」」

「シャー!」

「ニャー!」

「ガアア!」


レオンが地形を利用し遅いスピードを必死にカバーしながら逃げていたが後ろから聞こえてくる声に振り向くとそこには死狼(デスウルフ)だけではない複数の魔物がレオンを追いかけていた。


「なんか増えてる!?」


それらはレオンが使用した魔淫香の香りにつられてやってきた魔物たち。その森はただの森ではなく魔物が多く住まう危険な領域だった。


「なんとか!?逃げないと!?」


レオンが別の薬を投擲しようとしているとレオンの足を木の枝が捕らえた。


ガシッ!


「しまった!?トレント!?」


木に擬態した魔物である上級の魔物トレント。それに足を捕らえられレオンは地面に叩きつけられる。


ビタン!


「ガハッ!?」


それが2度3度と繰り返され宙ぶらりんのレオンは満身創痍。ほかの魔物も集まってきて万事休す。


「(ああ……これが僕の最後か……もっと生きたかったな~……できればまた……()()()と一緒に……旅がしたかったな……)」


死を覚悟したレオン。しかしレオンの願いを神が聞き届けたのかレオンはもう一度あの3()()と旅をすることになる。


氷結弓(アイスアロー)!」


複数の氷の矢が飛んできて多くの魔物を凍らせ。


大熊の強撃(くまさん)!」


二振りのハンマーを振り下ろしイノシシの魔物を吹き飛ばす。


絶死(アサシネイト)


闇に紛れ暗殺特化の猫の魔物の首を落とす。


「「「レオン/レオン君/レオン兄!!」」」


レオンの窮地を救ったのは勇者をボコし勇者パーティーを抜けてまでレオンを追いかけてきたイリアリス、ナナ、サーシャだった。

読んでくださりありがとうございます!


もし少しでも面白いと思ったら☆☆☆☆☆をつけてくれるとそれが作者の描き続ける原動力となります!よろしくお願いします!

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