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第1話 追放とその代償

時刻はお昼ごろ。そこは人通りが少ない街の外。そこで2人の男がいた。


バン!


「レオン!お前は俺様の勇者パーティーから追放する!」


突き飛ばされたのはレオン・ヴァルディス(19歳)。勇者パーティーの1人だった男。だが今まさにその勇者ジルグ・ルクシオンの手によって追放されようとしている。


「なっ!?なんで!?そんな急に!?」

「急にだと!?当たり前だろう!?俺様は世界に誕生した魔王を倒すために聖剣シャイニングに選ばれた勇者だ!!そんな勇者のパーティーに貴様のようなお荷物がいたんじゃ恥をかいてしまう!!格好がつかないんだよ!!だからさっさと消えろ!!今すぐだ!!」

「そんな!?みんなは!?みんなはどう!?『うるさい!!』っ!?」

「いいから!!消えろと言ってるんだ!!」


どこか焦っている風にも見える勇者ジルグは聖剣の柄に手をかけ圧力をかける。レオンはこれ以上いたら殺されると思い言葉を飲み込んで街から離れるように歩く。


「ふん。やっといったか……だがこれでいい……これで()()()()も……」


勇者パーティーには当然ながら勇者ジルグとレオンのほかにも仲間がいる。そして勇者ジルグがレオンを通報した理由も仲間になにも知らせずに焦ったように早くレオンを街から離れさせたのも()()()に関係する。

/////

一方でその勇者パーティーの仲間たちは、


「結構楽しかったわね~」

「美味しいお店もわかりましたしねぇ」

「でもレオン兄がいればもっと楽しかったのに」


勇者パーティーの仲間は3人。そして3人ともが絶世とつくほどの美女・美少女たち。


「そうねえ~……もう一度レオンと来たいわね~。()()()()()()()()()宿()も見つけたし……」


そう意味深に笑う妖艶な大人の女性のイリアリス・フェルナ。


「ジルグがレオン君と話したいって言ってましたけど……なにを話してるんでしょうか?」


とある部位が3人の中で一番大きく包容力のある癒し系のナナ・ガーデナンド。


「まあ、大体予想できるけどね~」


唯一のレオンよりも年下で身長も小さく美少女という言葉がピッタリのサーシャ・パウンド。


この種類の違う美女・美少女たちが勇者パーティーの仲間である。そんな3人は買い物を終えて泊まっている高級宿屋へと帰還した。そしてレオンとジルグの男子メンバーが泊まっている部屋の扉を開けた。


「おかえり3人とも」


そう笑顔でジルグが出迎えるがそこにはレオンがいない。


「あら?レオンはどこかしら?」


イリアリスが見当たらないレオンについて尋ねる。するとジルグは内心で"待ってました!"と喜々として思いながらも意気消沈し悲しそうな表情を作り答える。


「レオンは……もう俺たちの戦いには自分の実力だとついていけないってことで去っていったよ……俺も引き留めたんだが……レオンの意思が固くて……」


そう作り話を3人には聞かせる。あくまで自分の意思で出ていったことにして。


「(これでレオンにばかりすり寄っていた3人もさすがに目が覚めるだろう。そしてここからが俺が願っていたハーレムの時代だ!!)」


決して表には出さずに内心でこの後の展開を妄想していたジルグ。しかし3人にはそんなジルグの考えなんて手に取るようにわかっていた。


まず動いたのはサーシャ。


隠密(ハイド)


気配を消したサーシャが妄想にて隙だらけとなっているジルグの懐から気づかれないように紙を入手。それはジルグが決して見られるわけにはいかないために肌身離さずに持っていたもの。


「"なんでレオンなんだ""あれは()しか作ることのできない能無しだろ""あいつさえいなければあの3人を好きにできるのに"……うっわ~……下衆(げす)いこといっぱい書いてある……」


その後ろから聞こえてきた覚えがある文章に慌てて振り返り焦ったように懐を確かめるジルグ。


「ない!?紙が!?」

「そりゃあたしが()ったんだからないでしょ?」

「ち!?違うんだ!?それは!?」


言い訳をしようとしたジルグだがその言葉を遮るように魔法が放たれる。


氷結(フリーズ)


ピキピキピキピキ!


今度はジルグの顔を残して身体全体を一気に氷が覆いつくした。これでジルグは身動きが取れなくなってしまった。


「な!?リア!?どうしてこんな!?」


驚愕の表情でこれを行ったイリアリス=通称リアに問うジルグ。しかしイリアリスはその言葉には返さずに無視。


「ナナ。虫がうるさいから虫退治お願い」

「確かに……虫がうるさいですねぇ……」


そうイリアリスに言われたナナがゆっくりと氷漬けで身動きができない状態のジルグに近づいていく。ここまで来てやっと自身の犯した悪手を理解したジルグ。


「待ってくれ!?悪かった!?謝ろう!?レオンも勇者パーティーの一員として認める!?だから!?だから!?」


しかしその命乞いはあまりにも遅すぎた。


「安心してください……ハンマーは使いません……ただ全力で殴るだけですから……」


ナナの背中には2本のハンマーが存在するがそれを使用しないと口にする。しかしナナのことを知るジルグからすればそれは安心できる材料ではなかった。


「ごめんなさい!?謝ります!?レオンにも土下座でもなんでもしますから!?だから!?」

「え~い」


命乞いをするジルグを無視して問答無用で振るわれたナナの右ストレートはジルグの顔面を打ち抜いた。


ドゴーン!!!


「ガペ!?」


その一撃はギリギリで死は免れたもののジルグは気絶。この間に2人の荷物をまとめていたサーシャが2人に対して荷物を投げる。


「早く追いかけよう。まだ遠くには行ってないだろうから」

「そうね。行きましょう」

「レオン君に早く会いたいですねぇ」


こうして勇者パーティーはレオンを追放した結果パーティーメンバーが抜けて勇者1人となった。

読んでくださりありがとうございます!


もし少しでも面白いと思ったら☆☆☆☆☆をつけてくれるとそれが作者の描き続ける原動力となります!よろしくお願いします!

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