恋人
先生と別れた後、僕は校門に向かった。
校門を通り過ぎたところで背後から声をかけられた。
「風馬…なんで君がここにいるの」
声をかけてきたのは黒髪ボブの美しい女性だった。
彼女は喜多野葵。歳は僕の1つ上、今日から学校の先輩でもあるがそれ以前に僕の恋人だ
「葵さん。なんでって今日から僕も高校生ですよ」
「そういうことじゃなくて、入院していたんじゃなかったの?」
彼女は心配そうな顔をして訪ねてきた。
「昨日退院しましたよ。ただの検査入院って言ったじゃないですか」
「そうなの?連絡の一本くらいしてくれてもよかったんじゃない?」
「サプライズですよ」
「相変わらず調子のいいこと言ってごまかして。まぁ、何事もなくてよかったわ。」
彼女は安堵のため息をついていた。
「そうだ!せっかくだし一緒に帰りましょ」
断る理由もなかったので軽くうなずき一緒に帰ることにした
「久しぶりだね、君と二人で歩くなんて」
「そうですねお互い色々と忙しくて一緒に過ごすことが最近はなかったですからね」
すると彼女は少し不満そうな顔をしていた
「君の他人行儀なしゃべり方そろそろやめてくれないかな?私たち付き合い初めてもう1年以上も経ってるんだよ?」
頬を膨らませて少し怒ったような口調で言ってくる彼女
「そうですね、少しずつ変えていきます」
するとなぜだか鋭く睨まれた。
「け い ご」
あぁ、なるほど
「少しずつ変えていくよ」
彼女は満足したようでニコニコと満面の笑みを浮かべていた。
その後も似たような会話を続けているうちに最寄駅に到着した。
「じゃ、僕は買い物して帰るのでここで」
「そう、まずは敬語をなるべく使わないように努力しなさいよ!じゃあまたね」
「努力します」
お互い手を振り僕たちは解散した。
第4話ご覧いただきありがとうございました
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