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13 意外な相手

 これで最後の一匹だ!


 ズバァァァァン!!


 俺の剣の前じゃ相手の強度なんて関係ない。なんだって豆腐のようにスパッと斬ってやる。


 切れ目の入ったモンスターの胴体が腰からずり落ちていく。


「すごい……2人だけでこの数のモンスターさん達を全員倒してしまいましたね……」


 広間を見渡しながらラピスが驚き半分につぶやいた。


「ぷはぁぁぁ……」


 やっと一息つける。


 すごいラッシュだった……

 広間に横たわる数える気も失せるほどのモンスターの残骸の数が猛攻の凄まじさを現していた。


「助けてもらってしまったな、感謝するぞ。私だけだったら命を落としていた……」


 一山越えて緩みきった俺とは違いトカッツさんの顔は真剣だった。そうだよなここはモンスターの巣の中、まだ気を抜いてる場合じゃない……


「助けられただなんて……俺なんかいなくてもトカッツさんなら余裕で倒せてましたよ」


 むしろ戦いながらずっと指導してもらってたくらいだ。

 感謝しなきゃいけないのは俺の方だ……


「君は本当は加護を受けているんだろ? 恐らく私と同じ肉体強化タイプのものを」


 妙に納得した。トカッツさんの凄まじい攻撃力は鍛錬だけじゃなくて加護による強化を受けてだったんだ。

 

「通りで……俺も強化して貰ってますけど、トカッツさんもそのお陰であの強さを得ることができたんですね」


「そうだな、加護による恩恵を否定はできない……が、私は騎士の強さは加護だけではないと考えている。自身の強さに加えて加護の支援を受けるからこそ誰にも負けない強さを持つのだ」


「自分の強さ……確かにそうかも。トカッツさんの強さからは日々の鍛錬と経験が伝わってきました」


「君も同じだ。私の指摘をここまで的確にしかも戦闘中にこなせる者はそうそういない」


 トカッツさんてなんて真面目でまっすぐな人なんだ。

 戦いながら俺なんかを成長させるためにアドバイスまでしてくれて、しかもきっちり成果もだした。

 話の端端から騎士らしさも感じる……むしろここまでステレオタイプなほどの騎士って最近いないんじゃないか?

 なんでこんな人が追放されるんだ?


「あの……トカッツさんは何故騎士を……」


 言葉を伝え切る前に、トカッツさんは俺に背中を向けていた。


「私は、人生は全て試練だと思っている、全ては神の与える試練だ、乗り越えた先に必ず成長があるはず」


 試練? 追放されたのが試練ってこと……?


「大変ですサレムさん! すごい生命力……殺気のようなものを放ってこっちに向かってきています!」


「モンスターが来る?」


 しかもさっきよりも強い奴が来るのかよ……


「なんだ知ってたか……ならわかってるな、これからが本番だぞ」


 ええぇっ!?

 わかってない、わかってねぇよぉ……


 っていうかなんでトカッツさんはそんなこと知ってるんだよ。


「このダンジョン、一体なんなんですか?」


 大量に強いモンスターが現れて、その上さらにそれを超える強さのモンスターも出てくる場所って以上だろ……

 いくらなんでもこんな場所を放置してるのは怠慢を通り越してないか……?


「騎士団の闇だ……」


 闇……?


「どういうことですか?」


 ドスンドスンと地響きを鳴らしながらこちらに向かってくる。かなりでかいモンスターがくる……


「ここは追放された騎士の処刑場だ」

 

「えっ? 追放されると処刑されるんですか?」

 

 確かにいままで騎士を辞めて普通に生きてる人ってほとんど見たことがないけど……


「例外はあるが、この国では騎士以外に神の加護を受けたものを嫌う。だから加護を受けたものは表立ってはないが始末される方向で進められる」


「そんなこと聞いたことない……」


「それで当然だ、国の機密事項だからな」


「そこまでわかっててなんでトカッツさんはここに来たんですか? 死にに来るようなものじゃ……」


 広間に5メートルは超える身体中鎧に身をまとい、巨大で分厚い刃のサーベルを持ったモンスターが姿を現した。


 こんなモンスター知らないぞ……ウォーキングアーマーの凶悪になったバージョン的な奴って言えばなんとなく説明できそうではあるけど、スケールが違い過ぎる……


「先程も言ったが全ては試練だ。私はこれを乗り越えてみせる」


 この人……全部分かった上で挑んでいるんだ……

 そこまでの決意で挑んで……


 そうか、なんとなく理解できた。

 ノーナちゃんにはこんな危険なことを説明できなかったんだ。

 奥さんにしたってそりゃ止められてケンカになるよな。こんな危険なことに挑もうとしてるんだから。


「俺も手伝わせてください!」

 

 この人は死なせたらいけない人だ。


「それもノーナの依頼か?」


「俺もトカッツさんと一緒に試練を乗り越えたいんです」


 この人は力だけじゃない強さを持ってる。俺もそれを手に入れたい。


 トカッツさんがモンスターに対し剣を構えた。


「いままでの相手とは別次元の相手だ、一瞬も気を抜くな」


「はい!」


 トカッツさんとならこのモンスターにだって負ける気がしない。こいつを倒して俺も成長するんだ!


「違う……」


 ん? ラピスが何か言った……?

 違うって何が?


「すごい生命力を持ってるのはそのモンスターさんじゃありません」


 いやいやウソだろ、じゃあ他にまだ何かいるっていうのかよ……

 そういえば、このモンスターの奥……人影が見える。


「おやぁ……誰かと思ったらスマイルくんもいるじゃないか」


 影に隠れたものが話しかけてきた、俺を知ってる?


「グウ……?」


 トカッツさんは俺より先に相手の正体がわかったようだ。



 はっ!?


 この人……



 姿を見てようやく分かった。

 黒騎士団の聖騎士グウ・ソグォリアだ……


沢山のブクマをつけていただきありがとうございます!

自分史上最高の伸びっ張りに毎度震えてます笑


下の☆評価もチェックしてもらえるとテンション上がるのでよろしければお願いします。


これからも毎日更新していくのでご閲覧頂けると幸いです。

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