5話:次の私は王家!?
小説を長く濃く書くのって難しいですね。
目を開けるとそこは、
見たこともないような豪華な装飾の部屋で、
でも人に嫌な感情をさせないような配置で。
「おぉ…生まれた…生まれたぞ!
セレナ、よく頑張ったぞ!この子が俺達の子だ!」
「えぇそうよ、生まれてきてくれてありがとね…。
本当に可愛いわ!これからたくさん愛してあげますからね」
…この人たちは誰なんだろ?
俺達の子って言ってたけど…?
お父さんとお母さんかな?
出産って経験したことないけど…、
こんなに人って多いものなの?
普通こんなに人いないよね、
お父さん?らしき人は王冠かぶってるんだけど…
そんなことはないよね…。
はい…案の定ランド王国という国の王様の娘でした。
名前はカエラ=ランド=マナトリカ。
この星、セルドローフでは、王家の人間の名前にはその国名が挟まれるらしい。
初めは私が王様の地位を継ぐと思っていたから、
あぁなんで王家なんかに生まれてきたんだろって思ってたら、
実は私が生まれるときにほかの国に行っていた、
私のお兄様が継いでくれるみたいなので、
私は特にめんどくさいことはしなくていいみたいです。
本当に良かった…。
せっかくこっちに来たのに人生謳歌しなきゃだめだよね!
私には目標があるし…。
私のお母様はお城の中をたくさん案内してくれました。
広いお庭や城下町、宝物庫などありましたが、
私が一番興味をそそられたのは、訓練場でした。
そこではたくさんの騎士の方や、
ローブに身を包んだ魔法士さんが、
打ち合いやら魔法の練習やらでとっても賑やかでした。
賑やかといっても皆ちゃんと訓練してますからね!
ほら、あの人もすごい形相で…。
私も早く魔法を使いたいな…
あっ、私の家族の紹介をしてませんでしたね。
まずはお父様、フラルド。
お父様はこの国の現国王であり、
普段は私にあまあまですが、いざ政治のことになると人が変わったように指示を出していきます。
そんなお父様は本当にかっこいいです。
お母様もそんなところに惹かれたんでしょうね…。
また、日常ではメイドや執事の方々にも気軽に話しかけ、
彼ら彼女らも緊張せず、
打ち解けあっているように見えました。
そちらのお父様はとても一国の王には見えませんが、
優しいお父様も大好きです!
次にお母様セレナ。
女の私でも目を見張るほどの美人さんで、
普段のお母様はメイドさん達と一緒にお城の中を掃除したり、
ある時は料理を自分の手で作ったりと、
こちらも王家とは思えないほど、
優しく、誰でも分け隔てなく接している、
皆のあこがれのお母様です。
しかし、お父様が何か悪いことをすると、
流石のお父様も頭が上がらないくらい怖いです。
今この家のヒエラルキーが見えた気がしたのは置いておいて…
私も将来こんな風になりたいです。
訓練場に足を運んだ時は男性からはもちろん、
女性も歓声を上げるほどでした。
二人とも自慢の両親です!
最後はお兄様セラル。
流石、お父様とお母様の遺伝を引いてるだけのことはある。
そう胸を張って言えるくらいイケメンです。
政治もお父様に負けないくらいの腕前で、
その腕を買われ、この国の次期王はお兄様になったとお母様から聞きました。
そして王家だとしても決して驕らず、
両親同様、誰にでも分け隔てなく優しくしてくれます。
これが私の自慢の家族たちです!
さて、家族紹介も終わりましたしそろそろ
「ういう」
カエラ=ランド=マナトリカ 0歳
[異世界言語理解][想いの丈]
称号
[魔導士への道]
これが私のスキル。
多分女神の加護と言うのは[想いの丈]のことだと思う。
どういうスキルかは分からないけど、そのうち分かるようになるかな。
あとは称号だけど、これは魔力を増やして魔法のを打てるようになったら役に立つかな。
よし、早速魔力を感じられるように練習しよう。
ん、う~ん…。
「お嬢様、お起きになられましたか?ただいまセレナ王女様を呼んできますからね」
分かったよ…眠い。
私が起きると既に部屋で朝の準備をメイドさんがしてくれていた。
メイドさんの朝って早いんだね…。
眠いなぁ。
でも寝てる時間も訓練に使わなきゃもったいないし、
今日も張り切って魔力操作の練習でもしようかな?
なんか昨日の夜、初めて魔力って物に触れてみたけど、
称号のお陰かな?
すぐにこれが魔力ってわかるようになった。
少しは操れるようになったけど、
正確に、もっと細かくやっていかなくちゃ。
あとは早く歩けるようにならないな、書庫にいってこの国の歴史とか、
魔法についての本を見てみたい。
いや、ちょっと待てよ、魔力を全身に行きわたらせて…
おぉ!行ける!
力が湧いてき…。
「カエラ、おはよう!」
あっぶなかったー!生後1週間もしてない子が歩いてたら怖いよね。
これをやるときは夜にこっそりやろ。
それからしばらく経ったころ、
一人で魔力操作で体を動かす練習をしていた時、
水が飲みたいなーとふと思い、
魔力を水に変えるような想像をしていたら、
体が冷たくなるような感覚に襲われた。
ちょろちょろちょろ。
「おぎゃーーーー!」
私はあまりの驚きに叫び声をあげてしまった。
自分の指から水が溢れていたのだ。
私はすぐさまその想像を止め、
溢れる水を止めた。
「お嬢様!どうされましたって…これはお漏らしですか?
いや、なんか場所がおかしいような…ん?」
メイドさんは怪訝そうな顔をした。
そりゃそうだよね…。
こんな広範囲になんてありえないし、
でもお漏らしじゃないんです!信じてください!
それはちゃんとおむつの中に…
って、お、乙女になんてこと言わせるんですか!
出ちゃうもんはしょうがないでしょ!
「今服を替えますからね」
うぅー、グスン、お漏らしじゃないもん。
(その話が“カエラ様の不思議”の一つ目になったことは今のカエラは知るわけがない)
読んでくださり有難うございます