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18話:買い物

18話目です。


俺たちは昨夜、ギルドから帰ってきてすぐに眠ってしまったようだ。

ていうか離れてくれませんかね…この二人。

「うぅん…」もぞもぞ

うひゃ!動かないでよ…当たってるから!

「ぁーぐぅ、むにゃむにゃ」

あわわわ…リスタの、リスタのが!俺の腕に…

「あーーー!起きろ!」

「うえ?あぁ、おはようございます。アーグ」

「なに?急に大声なんて出して…」

「うるさい!俺の腕から離れてくれ!そうしてくれればもう一回寝てもいいから」

「きゃっ!すいません…」

「朝から興奮しちゃったか?」

「そんなことないだろ!…なんだよその目は…」

「い~や?」

朝から本当に元気だな…

「俺ギルド行ってくるから、待っててくれよな」

「はぁ~い、むにゃ」

「行ってらっしゃい」

リスタは朝が弱いのか…

あっ、先親父に言ってから行くか。







ギルドに着いたけど…

どこに行けばいいんだ?

あの後ろ姿は…

「ジャックさん、おはようございます」

「アーグか、朝早いな。そんなに楽しみだったのか?」

「まあそんなところです、ところでどこに行けばいいんですか?」

「あぁ、俺は今忙しくて手が離せそうにないから…」

「え?」

「だから、今忙しくて…」

「えーと」

俺にはオセロをやってるようにしか見えないんだが…

ていうかこの世界にオセロなんてあったのか。

「やっぱいいです、で、どこにいけばいいんですか?」

「受付にいけば、ラビストがいるからそいつに聞いてくれ。

兎耳の女だ。名前を言えばわかると思うぞ」

兎か…耳触りたいな。

「分かりました」




受付は…あっあそこかな。

確かに兎耳だ。

白いモフモフの毛、白い肌。

その中にひと際目立つ、赤い目。

しかもすごく美人だ。

(きれいな人だな…)

ニコ

(ドキっ…!)

「あ、あのあなたがラビストさんですか?」

「そうだよ、君がアーグ君かな?」

「はい!今日は昨日鑑定してもらった報酬をもらいに来たのですが」

「ちょっと待っててね.....んしょっと」

ドン!

え?

「はい、これが報酬ね。えーっと、大金貨が1枚と金貨が50枚だね」

「大金貨!?」

大金貨は確か、1枚100万円くらいだった気がするぞ。

それに金貨も50枚って…計150万?

「すごいですね、5歳でお金持ちです!私をもらってもらおうかしら?」

「もらうなんてっ…」

「冗談です。あんまり出しておくと盗まれちゃいますからね、収納袋にしまっておいてくださいよ?」

笑顔も素敵だ・・・

「あのー、金貨だと使いづらいので何枚か銀貨にしてもらってもいいですか?」

「分かりました、では…」

俺は金貨20枚ほど銀貨にしてもらい、ギルドを後にした。




「親父!大金貨とかもらえたぞ!ちょっと余裕ができるくらいじゃなかったのか?」

「まあまあ、もらえたんだからいいんじゃないか?その余った分でリスタちゃん達と町でもぶらぶらしてこい。…娼館にはいくんじゃねぇぞ?」

「行かねえよ!」

なんなんだあいつ(親父)は…

でもリスタ達と町を回るのはいいかもしれないな。

せっかく王国に来たんだし、俺も見てみたい。

.....怖がらないといいけど。

「リスタ、メルビー、換金で思ったよりもらえたから町に行かないか?怖いなら無理していかないけど」

流石にもう起きてるか、久しぶりに元の姿みたな。

「多分もう大丈夫です。この王国はみんないい人ですから」

「私はお肉が食べたいなー、最近がっつり食べれてないし…」

「よしっ!食べ歩きでもするか!」

よかった。少しずつでも慣れて行ってくれれば。

「お客様!お出かけですか?」

「おはよナスカ、ちょっと町にね」

「そうですか、行ってらっしゃいませ!」

あの子は将来いい女将さんになれそうだ。




やっぱ町の賑わいはすごいな。

「嬢ちゃん達!また来てくれたのか?」

「えぇ、今日は買わせていただきます」

「そうか?お嬢ちゃん達の分はタダで譲ってやるのにな」

この人、まじで俺にはくれないんだな…

「そうはいきませんよ、三人分ください」

「あいよ!」

「それでは!」

「あ、ちょっと!」

ふふふ、あいつにはリスタ達の笑顔は見してやらん。

それにしてもこのリンゴみたいなのうまそうだな。

昨日は俺食べてないしな。

いただきます

シャリっ

……っうまい!

「おいしいなこれ!」

「そうですね、甘い味が口いっぱい広がります」

「私は早く肉が食べたいのにな…あっ」

なんか嫌な予感が…

「アーグ~、私なんか急に怖くなっちゃって」スルっ

ほれ見ろ、急に手を絡ませてきた。

「おいっ、離れろ!」

「アーグ、私を見捨てるの?」ウルウル

何だこいつ、目を潤ませても俺は許さんぞ!

「けほけほっ!わ、私も怖いなー!」

今度はリスタが…あぁ、俺の理性が。

「好きにしろ、俺は何もしない」

そう、決して何もしない!メルビーに負けた気がするからな。

あぁ、人の目線が痛い…

一角兎の丸焼き、オークのブロック焼きetc

魔獣たちの肉を一日で堪能しつくした。



「二人とも、ちょっと俺トイレ行ってくるからここで待っててくれないか?」

「分かりました。なるべく早く帰ってきてくださいね?」

「途中で漏らすなよ?」

「うるせ!」

これで買いに行けるな…

さっき二人とも同じ店に目がいってたしな。

たしか…あっあの店だ

「すいません、女の子のプレゼントってどれがいいですかね?」

「なんだい?好きな子でもいるのかい?最近の子は早いねぇ、そうだね、この髪飾りなんかどうだい?」

「そういうわけではないんですが、そうですね。」

どれがいいかな…リスタは…





あれどこ行ったかな…?

ここにいるはずだけど…

(嬢ちゃん達ふたりか?それなら俺たちと遊ばないか?)

(そうだよ、二人でいたら危ないからね)

っ…!あいつら!

「おいやめろ!」

「あぁ?なんだ坊主?」

「その子たちは俺の連れだ、返してもらうぞ?まあ貸した覚えはないがな」

「はっはっは、面白いこと言うな!あんま女の子をおいてくなよ!ほかの国だったら連れてかれてるぞ」

「え?じゃあお前らは」

「いやあ、なんかかわいい子が二人きりで待ってたんでな、外にいても危ないし、ギルドに連れて行こうかとおもったんだが、彼氏がいるなら大丈夫だな」

「そうだったんですか…てっきり危ない人かと…」

「この国にそんな奴はすくないよ、ていうか、周りから見たらそう思われてるんだな」

「えぇ、とてつもなく危ない人です」

「まあとにかく気をつけろよ」

優しい人だった…

「待たせてごめ…

「アーグ!」

「怖かったーー!」

またやってしまった…二人はまだ怖いんだ。

それなのに俺は…

「すまない…俺が置いて行ったせいで…」

「ううん、今は私の前にいる。それだけで安心するよ」

「リスタ…」

「今度からはトイレも一緒に行くからな?」

「それは勘弁してほしいなぁ」

「許さないからな…」

「メルビー…」

メルビーは普段俺をからかったりしてくるけど、

リスタよりもよっぽど怖がってる…

「ごめんな、実はこれを買いに行ってて」

「これは…髪留めですか?」

「あぁ、つけてくれるか?」

「はい。可愛いです、ありがとうございます」

「メルビーも」

「ありがとな、私たちばっかりもらってるな、いつか返すからな」

「いいんだよ、一緒にいてくれるだけで安心するんだ」

俺一人だったら、あんな魔獣をたおせていなかった。

俺一人だったら、こんなに楽しい毎日を送れていなかった。

俺一人だったら、もう強くなることを諦めてた。

そんな二人だから…

「これからもよろしくな。リスタ、メルビー」

「こちらこそ、よろしくお願いします」

「私も」

今日もいい感じに終われそうだな。






あれ、あそこにいるのは…

「お~や~じ?今どこから出てきた~?」

「アーグ!?こ、これはだな!そう!俺は大人だから!じゃない!昔の友人と話してたんだ!」

「ふ~ん」

「人には言うくせに…」

「お前信じてないだろ!本当だからな!」

「母さんに言おっかな」

「違うんだ!」

「うるせぇぞ、リック、人の店の前で騒ぐな」

「カリエス…いいところに!」

「ふーん、本当だったんだ」

「息子か?」

「アーグです。親父は何もしてませんか?」

「何もしてないが、強いて言うなら、横を通った女の尻を目で追っかけてたな」

「おいカリエス!」

「そうですか、ありがとうございます」

「おう、また聞いてくれ」

「お前らぁー」

やっぱりいい感じには終わりそうにない。

あっ、ちなみに今日使ったお金は俺が行きで倒した魔物の物だからな。

読んでくださりありがとうございます。

なんかこの二日間で急激に読む人が減って少し(かなり)悲しくなってます。


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