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14話:初めての共同作業?

今日はもしかしたら2話投稿します

今日から俺たちは昨日(13話)言ったように、

三人で暮らしてく為の勉強を始めた。

お金の使い方や家事、この世界の勉強や地理については母さんから教わり、

俺とメルビーは父さんから体術などの物理攻撃を、

リスタは母さんから魔法を教えてもらっている。

父さんは見た目通り、勉強のほうはからっきしだが、

体術などの近接戦闘に関しては、もとSランクということもあり、

俺とメルビーが二人で攻撃しても全く当たらないどころか、

転ばされたり、殴られたりとやられっぱなしだった。

一方の母さんは実は父さんと同じパーティーだったらしく、

その中でも魔法担当で魔法に関していえば、この世界でも上位を争うほどだと父さんから聞いた。

父さんの言ってた仲間って母さんだったのか…

午前中は、勉強。

午後は、訓練。

そのあと、疲れていなかったら、三人で近くの森に狩りに出かけて行って、魔石や素材の回収に行っている。

俺がミミックからとった袋には、母さん曰く、

空間内の時間が止まる、[保存]魔法がかかっていたので、

その中に入れておけば、魔石だろうと生の素材だろうと、

腐ることはないので、1500Lの袋にもう入らないくらい素材を貯めるというのが、

親父に言い渡された当分の目標だ。

それくらい集めれば、三人で暮らしても余裕が出るくらいは資金のたくわえができるし、

対生物の練習にもなるだろうという思惑らしい。

俺も資金はどうしようか悩んでいたところなので、これには賛成だ。




それからしばらくしたある日、

母さんからある試練が言い渡された。

「近くにLv50の魔獣が出ました、三人で協力して倒してきてください」

流石に冗談だと思ったが、その目を見る限り冗談なんかではなさそうだ。

普段は母さんが村の近くにいる魔獣がどのくらいの強さなのか判断し、

親父が母さんが危険だと思ったものを狩りに行っていたので今までこの村には大きな被害が出てこなかったらしいが、今日は親父は何もしないとだけ俺たちに告げのんきにコーヒーなんか飲んでやがる。

こいつまじで何もしないつもりだ…

Lv50と言ったらAランクが5人集まって倒せるか倒せないかというくらいだ。

いくらレベルが上がったといっても、それがまだ6歳の子供が三人で倒せるのかと思っていたが、

俺たちがやらなければ、この村が危ない。

そう思ったらやる気がわいてきた。

俺が今日まで暮らして来た村だ、そう簡単につぶさせてたまるか…

あっ、ギランさんにもらった剣使えば楽じゃね?

と思い、もっていこうとしたら親父に殴られた

「武器に頼ると己の力を伸ばせない、慢心するだけだ」

たしかに、その剣を使い続けたら俺はその力に魅了され、鍛錬をやめるだろう。

俺は親父の渡してくれた剣を手に、母さんに言われ場所付近まで来たが、

その異様な光景に、三人とも息をのんだ、

「なんだこれ…」

「何か大きなものが通ったみたいになってますね…」

「これが、母さんの言ってた魔獣の仕業なのか…」

木々で生い茂っていた森に道がが作られたかのような荒々しい跡。

まるでここを通ったものの力を表しているようにも見える。

これはやばい

そう思った瞬間、俺の[索敵]に反応が出る。

リスタとメルビーの頭を反射の速度で押さえつけ、自らも地面に頭をこすりつけるような形になる。

シュン

頭の上を何かがかすめる。

まるでブラックウルフが飛ばした斬撃のよう、

否、そんなものと比べ物にならない。

斬撃の向かった方角の木々は次々と倒れ、騒音を放っている。

それを放った本体はというと、

俺たちがよけたことが不思議というような、それでも目の前の餌を殺し損ねていらだっているような。

俺たちにはどちらも恐怖でしかなかったが、

事実、俺が頭を押さえていた二人の足は震えている。

「怖いか?負けるのか?俺たちはこんな奴で終わるのか?」

その挑発ととれる俺の言葉にメルビーが眉をひそめる。

「アーグこそ怖くておしっこちびってるんじゃないの?怖いなら帰ってもいいけど?」

メルビーのほうはすでに準備満タンなようだ

「リスタ」

一方すでに半泣きになっているリスタを俺は優しく抱きしめ、

「無理はしなくていい、でもリスタが母さんから教わったことはそんなものなのか?

リスタならできる、いや、リスタがいないと俺は十分に戦えない」

「アーグ…わかった、私できるよ!」

よし、これでみんな戦う準備ができた。

魔獣はというと、そんな俺たちの最後の別れくらいはさせてやるといった余裕の表情でそこにたたずんでいた。

「おい!かかって来いよ?」

その瞬間魔獣がキレたのがわかる、空気が変わった。

瞬間俺はリスタを抱え横に飛んでいた、そこに何かが来たかのように、

そう、来たのだ。

リスタは何が起こったかわからないといった表情をしていたが、俺はそんなことを気にせず俺が飛んだ方向と反対方向を見た、

俺の目線の先にはメルビーがいる。

何故俺たちが反応できたか?

それはそれよりも早いものからよける訓練をしていたからだ。

言うまでもなく俺の親父だ。

その極められた[身体強化]が作り出す瞬発力はこんな魔獣程度では超えられない。

その攻撃をよけたことで、さらに魔獣の怒りが増す。

が、俺たちの自信もをれに応じるように増していった。

一方のリスタも自身の感覚を高めるスキルを使い、

やっと魔獣の動きが理解できたことに自信を高める。

これで本当の準備は終わりだ。

メルビーの攻撃を両手で魔獣が受け止める。

その隙を俺とリスタは見逃すはずがなく、

攻撃を与えていく。

それでもLv50だけあって、表面が固い。

でも傷をつけられないほどでもない、事実、微量ながらも、

攻撃を与えた個所から出血をしている。

この魔獣はその強さ故に、今まで傷つけられたことがなかったのか、

初めよりも動きが単調になっているのがまるわかりだ、動揺してるな。

まさか自分が人間、それもまだ明らかに子供の三人に傷つけられているのだ、

当たり前か。

それからの魔獣は防御に専念しているが、それでも俺たちの攻撃をすべて防ぎきれるわけでもなく、

しだいに体に傷が多く見られるようになってきた。

次の攻撃をメルビーが仕掛けようとしたその瞬間、防御をあきらめたのか、

正面から殴りかかってきた。

メルビーは間一髪のところでその攻撃を避けたが、

服の一部が風圧で持っていかれた。

これはまずいなぁ。

攻撃を与えられるといっても、所詮体は子供なので目の前の魔獣と比べればその力の差は歴然だ。

一発食らっただけでその命ごと刈り取られるだろう。

奴の目線が一人の少女に移った。

俺は[身体強化]を自身にかけ、自分の持てる最大限の早さで走った、

魔獣の攻撃よりもコンマ数秒早くリスタを抱きかかえた。

リスタは魔獣の攻撃は確認できるが、流石に魔法専門なので、

よけれるはずがなかった、

これは一刻も早く決着をつけなければ…

「アーグあれをやりますので、引き付けお願いします」

「リスタ、任せとけ。メルビー、やるぞ」

『[挑発]!』

その瞬間魔獣の注意が俺たちに向けられた。

[挑発]それは相手の注意をひくためのスキルだ。

親父に教えられたスキルのうちの一つである。

それは、タンクが自分に注意を呼びたいとき、

たくさんの敵を集めるとき、

そして、大きな魔法スキルを発動するための時間稼ぎ。

俺たちがやろうとしているのは最後の時間稼ぎだ。

今の俺とメルビーでは致命傷は与えられない、だがリスタは違う。

元々魔法の才能が有るので、母さんにいざという時のための最終手段として教えられたスキルがある。

それを使うと今のリスタではMPが枯渇するので、一人では使ってはダメだ。単体にしか通用しないので、大量に敵がいるところに打ち込んでもだめだ、そういう条件があり、初めて使えるスキル。

それが、風魔法の応用[真空]だ。

これは相手の体中の空気をなくすことで窒息死を狙うというシンプルなものだが、使うには相当な集中力と時間がいる。相手がアンデットなどすでに死んでる敵には通用しないが、生きている生命体なら、その攻撃は効果的だろう。

「アーグ!メルビー!できた!」

「[真空]!」

その言葉と同時に魔獣の動きがなくなった。

いや、動けないが正解だろうか、

確認した時にはすでに魔獣の命はなくなっていた。

「倒したの?」

「そうだリスタが倒したんだ」

「私が?」

「そうだよリスタ、リスタがいなかったら倒せなかったんだから」

「でもみんながいなかったら私はこのスキルが使えなかったよ」

「じゃあみんなで倒したんだ」

「それがいい」

「あっ」

バタン

リスタが倒れた、

そうか、魔力切れか、俺は魔獣の死体を収納袋にいれ、リスタを担いで村へと足を向けた。

初めての共同での戦闘は大勝利に終わった。

読んでくださりありがとうございました。

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