下神サイド編
どうもはじめまして。わし、下神です。シモガミではないぞ。
シモカミ。
濁らんからの。神だけに。
まぁ、下神は役職で本当の名前は別にあるんだかの。
今? 考え事をしているのだよ?
便器? 隣の神に聞いたんだが、これに座るといいアイデアに恵まれるらしい。
結構なお値段を出して買ったわけじゃが…
星から得られる産出物の権利を担保にして、買ったのじゃよ?
星をまるごと売らなくても、買えるからいい買い物ができた。
詐欺? 神が詐欺なんか、するわけないじゃろ。
詐欺じゃないよな?隣の神よ??
隣の神は、地球という星が豊かになってもうすぐ惑星外に到達する科学技術を得ていることが評価されておる。そろそろ上神にも昇進するじゃろう。すこしはお隣さんにあやかりたいの。
わし? わしもこの前までは、中神だったのじゃが、今は下神じゃ。
中古で売りに出ていた、星を買って魔力世界の星に作りなおしたら、大失敗!
利益が出るどころか負の産出物しかない。
ちなみに負の星へは罰が下る。降格と神の位を取り上げられてしまう。
そんな困っていたところに、助け舟を出してくれたのが隣の神でじゃ。このイスを安く譲ってくれたのじゃ。困っている神を助けるとは神の鏡じゃな。
早く昇進ならぬ、昇神してほしい。
しかし、困ったのう。このままでは、1と2の星から得られる利益を食いつぶされてしまうのう。なんとかこの星から争いをなくしたいのだが、種族が多すぎたかの?しかし種族同士が争うってどういうことかの?動物の縄張り争いならともかくそんなに殺しあわれては星全体の利益がなくなるということをわからんのかの?
まあわからんか。この設定知っているの神だけだしの。
啓示を出すかの?しかしこの前もうまくいかなんだ。さらに戦火が増えた気がするしのう。
使者を出すには、使者のもとがいる。これがまた高いが、使者とはいえ万能ではない。運が悪ければすぐに死んでしまう可能性もあるしのう。
困った。困ったのう。
突然なる警報音。
なんじゃ!?侵入者か??
この神域を侵すものが、現れたじゃと?
この多層構想の結界に守られた神域に入れるものか。入れたとしても消し炭じゃわい。
そんな予想とは裏腹に
「「「ドーーーーーーン」」」 静寂な神域に音が響いた。
こんな時の神の反応は素早い。
すぐに戦闘態勢に入り、杖を出現させる。
それと同時に、呪文を詠唱し結界を張る。さらに自身の姿を見えないように術をかけ、
対象から距離をとる。その距離は対象が見えなくなる限界5kmくらいである。
そう。下神は臆病であった。 昔、聖獣にいじめられたことが原因であった。
が今はそんなことどうでもいい。
「まさか、この神域までに到達できるものがいるとは、驚いたわい。寿命が縮まったんじゃないか?」そう。この神は臆病だ。
対象に遠見を行う。どうやら人の形をしている。
そしてその姿は、再生しているように見える。どんどん形を人ものに変えていくが...
今のうちにこの聖域から追い出した方がいいのでは?しかし近づいたところで攻撃されたら…
そう。この神は臆病だ。
悩んでいるうちに、元通りと思われる人の姿になっている。 おまけに服まで復元されている。
そう。 服までである。これは驚いた方がいい。自身の再生後に、服を復元するならばいいが、
そうではなかった。つまり再生能力ではない。時間魔法かの?どういう原理かの?
そう考えていると、人型は目を覚ましたのか、あたりを見回している。
どうじゃ?きれいな世界じゃろう?きさまが来るような場所ではない、素直に出ていけ。
そう考えていると、いきなり倒れた!! チャンス到来かの?罠かもしれんが...
ここを破壊するつもりなら、すでにしているじゃろうし、今のうちにバレずに近づければ結界を反転させて聖域外に追い出すこともできる。 臆病な神は討って出た。
近づいていく、ゆっくりと 音をたてないように といっても空中を浮遊しているので最初から音はならない。
目の前まで来た。敵はすぐそこだ。呑気に寝ておる。これはチャンスじゃ!?
「おい、おぬし!」
決死の覚悟で勇気を出して声をかけた。
怖い顔で見られた?!
そのまま追い出せばよかったのでは?わしのバカもん!!
しかし神としてそればどうだ??それは神のモラルにてきに。わしは間違っていない。
いろいろ話してみるといい奴かもしれんのう?どれ元の世界に追い返してやろうかの。
記憶を読み取ろうとして頭に手を近づける。
バチっ!!
いっっっつったいのう!!!結界なんて反則じゃね??
わしじゃなかったら、手がなくなっておるよ??
それよりも、やはりこいつわしを殺しに来た神殺しじゃね?
今、流行ってるらしいしのう?神が乗っ取られることもあるらしいしのう!!
ち、違う? 左手が光った? なんじゃ?魔法陣でここに来たのかの?
それであれば、左手を媒介にして記憶を読み取れるかの?
やはりただの人じゃの? 魔法陣…日頃から字をきれいに書かんからこんなことに巻き込まれるのじゃ。 呪文はしょうがないとして、再生能力じゃ。 いや、時間魔法だったかの?最近忘れぽくていかん。
いやいや。こ、これは!! こんな角度で?? いやこんな場所でしてしまうのか??あ、危ない!! 人に見つかりそうじゃ!
ホクホクじゃ。ホクホク。もしくはぷにゅぷにゅじゃわい。 ええものを見させて、もらった。すこし体感もさせてもらった。神みょうりに尽きるわい。
お、これが原因かの? 人魚じゃな??わしにはわかるぞ。 しかしどこかで見たような気もするが、最近忘れぽくていかん。 人参も食べておる。間違いないの。しかし人魚の肉を食べると800年生きるといわれておるが、まあ人から言えば不老不死と一緒じゃな。
しかし、どうしたもんかの? さっきの感じではわしの力を受け付けんじゃろうし。
ん?待てよ。 こ、これが便器のちからじゃったのか?
便器が我が願いを聞き届け使者を呼び寄せたのか?不老不死の力を持つ青年。
こやつに協力してもらい世界を良い方に導ければ!
いやいや。そんなうまい話があるわけないわい。
しかしここに置いておくこともできんし、世界もこのままにしておくこともできん。
で、あれば答えは人るである。
贈ろう。神から世界にギフトじゃ!! マイナスとマイナスを掛ければプラスになる。
送り方は、先ほどの魔法陣を応用するとして、
え?ちからをよこせじゃと??
神の結界を破る力以上の力を求めると?
それは無理じゃな!!
しかし先ほどのホクホク、ぷにゅぷにゅの礼をしておらんしの。
すこしじゃが、着替えと武器は、そうじゃなこの双剣を授けよう。
さらにホクホク体験のお礼にインテリジェンスカードに初回入金もして大判ブルマじゃな!ホクホクだけに。
では、行くのじゃ。勇者よ。 お主は便器の勇者じゃ!
こうして便器の勇者は旅立った。