そして異世界へ(2)
「おぬしの行く世界について、少し話をしておこうかの」
「これから行く世界は、わしが作った3個めの世界での。魔法が中心の世界となるよう創ったのだが、魔法の研究が進まず、出来損ないの世界となってしまった。種族は、人族から獣族、魔族、エルフやドワーフなどありとあらゆる種族の要素を入れた。混ざり合うことで、新たな魔法つくり成長させて行くように考えたのだが…」
「逆にうまくいかなかったと?」
「そうじゃ、種族が違うという争いがあれば、種族同士の争いもある。争いが争いを呼び、争いの世界の出来上がりじゃ」
「もしかして神さまのランクが低いのはその世界が原因でどうすれば良いか、便器に座ってかんがえていたってことですか?」
「まあ、、、、、、それも悩みの一つではあるの。
しかし争い意外は、よくできている世界じゃよ。大地は栄養に満ちて、水豊富で空気はすんでおる。ある程度、魔法が発展しているから道具の進化はあまり進んでいないが、おぬしも学べば魔法を使えるようになるだろう。ただし魔力を放出をするような魔法に身体が耐えられないことを覚えておくんじゃよ。お主のカラダは前の世界のもの。 不老不死とはいえどういった結果になるかわしにもわからんからの」
「わ、わかりました。魔法にはなるべく頼らないように気をつけます」
「うむ。それでは新しい服と簡単な装備、当面の資金程度は提供しようかの。何か今の持ち物で持っていきたいものはあるかの?」
「今の持ち物と言われても、スマホは 向こうでは使えませんよね?」
「もちろんじゃな。邪魔にしかならんじゃろう」
「そうだなぁ」ポケットの中を見てみる。
中に入っていたのは、スマホ、ハンカチ、目薬、リップ、鍵、ペンとお財布。
よくよく考えると、化学が発展していないのであれば化学繊維の服とかも貴重じゃないのだろうか?目薬とかリップも手に入らなくなっちゃうよなぁ。そう考えると。
「このままの状態で送ってもらうことはできますか?」ダメもとで言ってみた。
「まあ、そのままでも構わんがの?念のため着替えは袋に入れておこう。いきなり服装で、世界のものと揉めることはないだろうが、気をつけるようにな」
「ありがとうございます。気をつけます」
「うむ。よい心がけだの。でわ!」
神さまが目を瞑り念ずると革の袋が現れた。
もう一度念ずると魔法陣が現れた。青白く光っている。
「ここに飛び込めば、新しい世界へ転移できるじゃろう。それと向こうにいってからは一切わしのことを話しても無駄じゃ。わしへの信仰もしらんじゃろう。助けになってやることはできんからの、せいぜい新しい世界を楽しんでくれい」
「楽しめですか」
考えてみれば、神さまがくれた心機一転のチャンスかもしれない。借金も帳消し!ビバ徳政令!
「わかりました。楽しんで来ます」
お世話になりました、行ってきますと言おうとしていいなおす。
「これから、お世話になります」
そういって荷物を持って飛び込んだ。
目の前が青白く光って意識が遠のく。
そういえば、いけるじゃろう。とか言っていたけど、失敗しないよね??
こうして新たな世界に旅立った、アラタであった。