そして異世界へ
別の世界に行く。
衝撃的とも思える一言にがっかりすると思ったが、意外と受け入れることができた。
きっと前の世界での生活に絶望をしていたこともあるだろう、いやそちらの世界の方に希望というか、好奇心か!こんなドキドキした気持ちは久しぶりである。
「異世界に転移ってことですか?」
「そうじゃ。すんなり受け入れたの?」
「前の世界じゃ、転移やら転生やら流行ってましたからね…」ザ適当な答えを返してみる。みんないろんな方法で生まれ変わりすぎだからね!
「ふむ。話が早くて助かるの。本来であれば、元の世界に送り返してやるのだが、わしの力ではおぬしを送り返すことはできん。」
「そうなのですか?やはり呪いが関係しているのですか?」
「そうではないの。 …わしの持つ力ではおぬしの世界に干渉することはできないのだよ。わしの力は世界を創り出す力、それを維持管理することに使者や啓示を出すことはあっても、人を転移、転生させることはできん。上神クラスのものであれば簡単にできるがの」
「神にもランクがあるのですね」
あからさまにしまった。という顔をする神さま。
「そうじゃな。わしは下神でな。神のランクは、まあ簡単にいうとその世界の大きさで決まる。発展すれば神ランクもあがるが、発展にも色々あるじゃろ?おぬしの世界は科学じゃな。魔力が中心の世界もある。じゃがここからが本題じゃ」
「これから私が行く世界ですね」期待に胸を膨らます。主にチート。どんな力を授けてくれるのか楽しみだ。魔法、魔法を使ってみたいな。剣も捨てがたいが、やはり魔法だ。魔法を無限の魔力で使いたいです。
「うむ。そんな力は授けられん」以上、神さまからの啓示でした。
「神さま、さっきから心の中読みすぎじゃないですか?プライバシーの侵害です。神さまがそういうことしていいんですか?」
「すまんの。ここはわしのいる世界だからわかりやすくなってしまうのだ」
「まあしょうがないです。ところでいただける能力についてはないのですか?全くのなしでは流石に私も心もとないというか、食って行くのも生きて行くのも大変なのですが…」切実な思いをつたえる。
「わしの力を大きく超えた不老不死の力があるじゃろ? それにそのせいでわしはおぬしに大きく干渉できん。じゃが言語くらいであればなんとか授けられるかの?どちらかといえばおぬしと相手の間に干渉すればいいからの」
言われてみればそうか。本当に不老不死なのかわからないが、それがあるなら比較的なんでもありじゃないのか?相手の攻撃を無効したも同様だしな。相手がやったと思った瞬間の無防備に俺の剣が入る
うん!痛そうだ却下。無理しないように生きていこう。そう思って顔をあげると神さまが優しくうなずいた。