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音速異世界爆走記  作者: 風間サトシ
第一章
8/81

第七話:方向音痴と公国領

 車についているナビシステムというのは本当に便利なんだろうな、そうだろうな

と考えるカズマです、貧乏なので駐車場の料金が払えないのです。


 昔、軽自動車を持っていたのですが横浜へ引っ越しする際に、母の実家に置いて

きました、北海道では中古でも足は多い方がよいらしく、駐車スペースは余って

いるそうです。



 俺は港に向かって走行中だったはずなのだが、気がつけば迷子。


 21世紀になっても車が空を飛ばない理由の一つに直面してしまいました。


 携帯の地図も使えないし、そもそも道路地図すらないし、これはあきませんわ。



 星座を見てもわからないし、そもそも太陽系なのか?


 とりあえず高い山は越えられそうにないので、たまに高度を上げて、周りを観察

ふたたび地上10mまで戻って、進路を3時方向に向けて転身を繰り返す。



 理論上は時計周りに円状に索敵範囲を拡大しているはずなのだが、一向に街も

海も見えない、そうしているうちに朝日が、東に向かってダッシュ。


 自暴自棄のハイテンションで朝日に向かって1時間ほど、真面目に爆走する。

(感覚的には新幹線よりは早かった気がする)


 大きな街が見えてきた、これは都市と言ってもいいのではないだろうか?



 ずいぶん人が城壁の前に人が多いな、まだ6時すぎなのに、とりあえず、隠れる

場所がないので1キロ程度手前でバイクからおりて機動馬車倉庫に収め、歩いて

門前の人の列に並ぶ、列に並ぶ人の会話を盗み聞くと、貴族は当然検閲免除。


 国民は別のすいてる入口から入れるので、ここにならんでいるのは平民、流民

加えて奴隷だ、あと外国人もいるらしい。



 ☆☆



「最近はこの国も検閲が厳しいね」


「そうだな、最近、北の方で小競り合いがあるらしい?」


「北の帝国は大規模に傭兵や冒険者の募集をしているらしいぞ」


「これは来る時期を間違えたかな、皇女がエルミール王国に嫁ぐらしい」



 ……並んでいる人の会話を聞く限りどうやらこの街はエルミール王国では

ないらしく、公国か確かギルドで地図を見たときに公国領ハマ村出身とか書いた

ような気がする、ギルドカードを取り出すと、名前とランクと登録場所として

ミーナ支部と印字してあるだけだった。



 2時間並んでやっと俺の番が来た、ここまで待つとは、政情不安以外に何か

あるのだろうか、自称俺の出身地頑張れよ。



「冒険者か、入国目的は」


「いえ私は旅の行商人でございます、荷物はこちらの調味料を扱っております」


 ギルドカードを見せつつ、商品の数々を見て、納得したのか

滞在許可証の申請の列に並ぶように言われた、おいおい

ビザが必要なのか公国様は、政情不安な国なら仕方なしか。



「次の者、この水晶に手を置け」


「ほー、商人だったか?てっきり冒険者かと思ったぞ!」


 手を置くと、水晶の横においてあるA3サイズ程度の木製の板の表面に

俺のステータスが表示されている。



カズマ・ダテ 15才 人種 レベル1


スキルポイント:5(60)



HP:12(12000)


MP:60(60000)


ユニークスキル:なし(言語理解、機動馬車倉庫、タララ預金、他力本願


ペコ神の加護)


スキル:魔力感知LV4、魔力操作LV4、水魔法LV2、光魔法LV1(鑑定


ペコの魔法、時間操作、アイテムボックス)


職業:行商人LV3


所属:エラン公国ハマ村


賞罰:なし



 どうやらステータスは他力本願起動前と同じでユニークスキルは見えない

らしい、スキルもやばそうなのは見えないらしい、お金とか服とか返した

とはいえ、一時借りたので賞罰がつくかと思ったが、どうやら窃盗には

当たらなかったらしい。



「ほう出身は我が公国か、身分証明書はどうした、もっと審査が簡単に

進んだはずだぞ」


「……エルミール王国にいく途中で魔物に襲われた際に身分証明書も

無くしてしまいました。それにギルドで新たに身分証を発行できたので」


「そうか気をつけろよ、若いもんに無茶するなとは言えんが、命大事にな」


「ありがとうございます、一層気をつけるよう心がけます」


「ほらエラン公国領民証明証だ、再発行料で小金貨5枚だ、もう無くすなよ」



 小金貨5枚を渡して、領民証明証をもらった、滞在許可証じゃなく

正式版ということか、領民証は桜色で商業ギルドの白いカードに比べると

若干小さいが、カード右下部分にはセキュリティトークンのように何かが

表示できるような窓があった、まさか液晶表示か、高いのもうなずける。



 エルミール王国のカードも高いのだろうか、そう考えるとギルドカードは

お手頃と言える。



 街というよりは完全に都市に入ると、人が市場のように沢山いる、馬車の

数もかなり多い、ミーナに比べるとあきらかに人が多い。第三都市と公都

ではかなり差があるんだな、これは王都にいくのも楽しみだ。



 少し眠いが、ここで寝ると完全に昼夜逆転になってしまうので、

とりあえず宿か、露店で買い食いしながら、宿屋の場所を聞いて、宿に向かう。


 2階建ての古そうな宿屋だが、ミーナに宿泊中だし、大部屋でいいか?



「すいません、部屋は空いてますか」


「はい、素泊まりなら大部屋が大銅貨4枚、個室が銀貨2枚です」



 意外に安いな


「では個室で3日お願いします、銀貨6枚ですね」


「はい、では2階の2号室です」



 ……どうやら鍵はないらしい、部屋にいって雑貨品が入ったバックのみチェスト

にいれて、1階にもどる、図書館の場所を聞いて外へ出る。



 ☆☆



 迷子スキル連続発動、途中で5回道を聞きましたよ、目標が有名な場所で

良かった、なんでも公国の中央図書館はこの大陸でも帝国にも匹敵するらしい。


 受付の方を見ると、書士は男性だけか、仕方ない。



「すいません初めて利用するのですが、本の閲覧は誰でも可能でしょうか?」


「一般の方は保証金金貨1枚、1日の利用権で小金貨1枚になります」


 ……何気に高い、日本の無料図書館&貸出OKから考えると破格だな。


 金貨を探していると先ほど受け取った領民証が出てきた、ポケットにいれよう

としたら書士が声を掛けてきた。



「領民の方でしたか、他国の冒険者の方かと思いました、申し訳ありません」


「領民証をお持ちの方なら、保証金代わりに領民証を一時お預かりして

1日利用権も銀貨2枚になります」


「すいません、田舎から出てきたばかりですので、忘れてました」


 領民証と銀貨2枚を渡して木の板に数字が書かれたものを渡された

どうやらこれが利用権&預かり証なのだろう。



 本の総数は5万冊程度だろうか?大手のネットカフェ程度だ、辞典のような


厚手の本はなく、基本A4サイズの厚さ3cm程度の本が主流だ、棚ごとに

ジャンル訳されているので、探すのも電子検索できないが、貸出中がないと

考えると悪くない、とりあえずエラン周辺の地理、法律と歴史、魔法関連各種。



☆☆



「まもなく閉館です、ご利用中のお客様は受付にお越し下さい」



 おっとそんな時間か、受付に行き、木札を返還して領民証を受け取り

図書館をでた、これは明日も図書館だな。


残高:金貨283枚、小金貨3枚、タララ預金15、500円也


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