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音速異世界爆走記  作者: 風間サトシ
第四章
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第七十一話:現実逃避


 王都で嫌疑をかけられて家で2日ほど籠もっていたが

気分を取り直して今日から仕事だ。



 貴族怖いし、当分はエトワールで過ごすか。

 

「閣下、ご病気だったんですか?」

「違うよ、ちょっと疲れただけだよ」


「王都から報告がありましたが、捕まえていた囚人が逃げたそうです」

「そうか、災難なのは当直の兵士だな」


 大国が控えていれば、優秀な影もいるだろう。

 

「王都と言えば、伯爵にふさわしい屋敷が数軒見つかったと報告がありますが」

「王都に屋敷を持つのは辞める事にした、陛下の命令以外では

王都へはもう行かないよ」


 貴族は怖いから王都へ近づくのは当分やめよう

サラの父親の二の舞は御免だ。


「それとユミルの銀山から採掘された鉱石はどのように致しましょうか?」

「我々が大々的に流通させるのは不味いし、半分はペコ商会に委託して

国外で捌いてくれ」


「1つの商会に肩入れしてよろしいので?」

「あそこは、本店がこの街だから問題ない」



 転移魔法でも使ってみるか、最初だから

ユミルにするか。


 イメージは東門で。

「グライヒ」


 問題ないな、時魔法があった段階で気がつくべきだったな

まさか奴隷商には情報が伝わっていたとは、闇の商人の情報網恐るべしだな。


 賑わっているな、ほとんどが亜人と呼ばれて迫害を受けてきた人間だ

はじめは頑張って働くだろうが、慣れてきたらどうなるかだよな。


「コルト久しぶりだな」

「カズマか、ユミルは順調だぞ」

「随分、西に街を拡張しているようだが?」

「クレタとの交易もなくなったので南に加え、街の東も農地にしたので

今は西へ街を拡張中だ」


「そろそろエトワールへ戻ってくるか?」

「獣人だけに任せてもいいものかの?」


「自分たちから、折角手に入れた土地を手放すというなら

それまでのやつらだったと言うだけだ」


「では仕事の区切りがついたら、戻らせてもらうか」

「後任はどうする?」


「お主がそこまで割り切って考えているなら、パメラでいいじゃろう」

「そうだな」


 折角、息子がいるんだ、一緒に暮らさせてやらないとな。

          

                

 しばらくは商売に打ち込むか。

「初めてなので上手くできてるかわかりませんが

ウナギの蒲焼きというのを作ってみました」


「うな丼まで幅を広げたか、凄いぞ」

 肉厚な天然ものか、日本で食べたら軽く1万は超えそうだな。


 日本にいた時は、牛丼かコンビニ弁当が主食だったからな

随分贅沢になったもんだ。



「久しいな、まだ生きておるか?」

 女神ということは夢の中か。

        

「お久しぶりです。ご忠告のお陰で暗殺者も返り討ちにできましたよ」

「少し手が空いたのでな、2つの願い事のうち1つをそろそろ言ってはどうだ?」


 手があいたという事は、暇ということか

多少無理な願いも聞いてもらえそうだな。


「それでは地球で少々、買い物がしたいのですが?」

「元の世界に戻るというか……」


 

「ダメでしょうか?」

「良いじゃろう。あちらとこちらでは時間の進み方が違うから

滞在は22日までだな」

        

 随分、日数が半端だが、半月あれば十分か。

「それと地球で買った物を『荷箱通販』で購入できるようにして

頂けるでしょうか?


「その程度構わんぞ」


「お供はありでしょうか?」

「こちらの人間を転移させる訳にはいかん、サクラとセレスに同行して

もらったらどうだ、彼女も道案内がいれば楽しめるだろう」


「セレスとは?」

「お前がカナデと呼んでる者だ」

「そうでしたか」


「言っておくが、くれぐれも怒らせるなよ、われにまでとばっちりがくる」

                  

「ではお願いします」

「慌てるな、セレスも飛ばすとなると準備がいる

そうだな、明日の12時に飛ばしてやろう」


「ありがとうございます」

「てっきり王にしてくれとでも言うかと思っておったぞ」


 そんな事もできるのか、最後の1個は慎重に決めるか。



   

 朝か、さて用意しないとな、引き継ぎもしないといけないな。

 今回は女神の大サービスだ、有意義に過ごさないと。

 

「カナデいいか?」

「どうした?」

「今日の昼に故郷に帰省する事になってな、付き合わないか?

かなり面白い所だぞ」   

   

「本当に面白いのか?」

「娯楽にあふれた都市が、いくつもあるぞ」

「そこまで言うなら付き合ってやろう」

「では12時に出発だ」

「12時?」


「時計を渡してなかったな、どんなのが好みだ?」

「耐久力のある物にせよ」

「じゃこれをつけてくれ」


「悪くないデザインだな」


 もう6時半か、急がないと。

「サラ、今日の10時に会議室に主要スタッフを集めてくれ」


「何か、緊急事態ですか?」

「会議で話すが、しばらくガリア大陸に調査に行くことにした」

「そうですか?」

「誰も行った事のない大陸なので、連れて行けないが

留守を頼むよ」

「わかりました」


キシリアの船団を襲った分を加えるか

資産合計で1兆8千5百億か、何でも買えるな。

  


 10時と言ったのにもう集まっているのか。

「諸君、忙しい所を済まないな」

「本日のご用件は?」

「転移の魔法を使えるようになったので、ガリア大陸に調査に出かける

事にしたので、その間の指揮権の委譲だ」


「片道で3週間はかかりますね」

「エトワールの防衛はコルト、ユミルはパメラで陸軍はリンが総司令で

海軍はアレクだな。内政はロキをメインにみんなで協力してやってくれ」


「コルトはユミルに居るのでは?」

「話はつけてある、1週間もすれば戻ってくるだろう」


「何か質問は?」

「軍の基本方針はどういたしますか?」

「ダリル伯が窮地なら援軍をだして、その他の諸侯については無理に

助ける必要はない。領地防衛を中心に考えてくれ」


「お帰りのご予定は?」

「3ヶ月はかかるだろうな」


「では解散だ、条約が切れるまでは兵にも休養を与えておいてくれ」


「ダテ君、引っ張らないで」

「早くしろ、時間がないぞ」

「どこに行くの?」

「着いてのお楽しみだ」


     

 

 時間だな。

「眩しい」



 なんか気持ち悪かったな、転移したのか?

「俺の部屋か?」

「随分、狭い所に住んでおったのだな」

「カナデか?」

「ぼろい部屋に、冷蔵庫ってことは、日本なの?」

「ぼろいは余計だ!」

  

 

 そうか家賃は口座振替だったから、そのまま残っていたのか

まずは部屋の物をアイテムボックスに収納して

パスポートもあるし、その他にもいっぱいあるな。


 こんな所か、6畳一間だと、今見ると狭く感じるな。


「カズマ、遊びに行くのではないのか?」

 ご機嫌を損ねても仕方ない。

「ディズニーランドにでも行くか?」

「なんじゃそこは」

「遊ぶところだよ」

「私が案内してあげるわ」

 

           

 久しぶりだな、10年ぶり位か。

「あのくねくねと動いているのに乗ってみようぞ」

 ジェットコースターは得意ではないんだが。


「中々、良かったぞ」

 5回も乗れば、満足するだろう。

      

 今のうちに宿を予約しておくか、奮発してシャングリラ東京でいいか

1泊7万か、おすすめサイトでこの値段か。


「いろいろ乗ったな」

「ジェットコースターなんて、5年ぶりよ」

「満足じゃ、こういう遊戯も悪くない。夜なのに明るいというのもいいぞ」

「宿に行くか」


 ほんとに東京駅に近いな。

「ご宿泊は三人様でよろしいですか?」

「はい、カードでお願いします」

「ではごゆっくりお過ごし下さい」


「ダテ君、アメックス持ってるんだ?」

「リストラされたが、大手に入れたんだよ」

   

 年齢で突っ込まれるかと思ったが気苦労だったな。

  

「有意義な遊びに上手い飯、カズマよ、良いところではないか」

「そうね、折角だからスイートが良かったわ」

  

「どうしたのだ?」

「パスポートの写真と年齢をどうしようかと思ってな」

「領民証のような物か?」


「そうだな」

「褒美にこちらに居る間だけ、我と同じように、そなた達を見た者が

自分の尊敬する人間に見えるようにしてやろう、書類の書き換えはおまけじゃ」


「どうなるんだ?」

「たとえば、兵士なら国王に接するように対応するぞ」

 それはいいな、それなら軍需品も買えそうだ。

                

 パスポートの写真が若くなって、年齢は22才か。


「明日はどうする?」

「わたし、お母さんの京都の実家に行きたい」

「死亡してるんだろう、幽霊騒ぎになるぞ」

「大丈夫よ、見た目が変わるんでしょう?」

          

「わかった、では金を渡しておこう、カナデは5億で

サクラはどうする?」


「わたしも5億頂戴よ」

「星金貨50枚と交換だな」

「けち領主ね」

 

「5億も持てるのか?」

「魔法の鞄があるから、大丈夫よ」

                                      

「では明日の夜にリーガロイヤルで会おう。俺はちょっと買い物してから行く」



 さて秋葉原か、懐かしいな

部品単品はネットじゃ、中々手に入らないからな

部品はもちろん、無線、家電、コンピュータ関連、DVDに書籍と大人買い

したな、もはやお大臣買いと言って良いか。


 次は上野でバイクだな、4大メーカーで36種と言った所か

ナンバー無しで売ってくれるとは、カナデの言ってた効果が効いてるのか?

         

 3時か、新幹線の時間だな。

 のぞみだと2時間ちょっとか、もはやバイクでは勝てんな。

 

「予約してある、伊達一馬ですが?」

「伊達様ですね、お連れ様はプールで過ごされております」

「ありがとう」


 さすがだな、連れが何してるか把握しているとは。

 ネットでカートに入れまくるか。


 

「来ておったか。プールというのも悪くないぞ」

「楽しんでもらえて、良かったよ」

            

「サクラ、元気がないな」

「こやつの身内が死んでおってな」


「俺たちも一応死んでるんだ。元気だせよ」

「あと10日早く来ていれば……」


「女神の都合だからな。線香あげられただけ良かったじゃないか」

      

「むしょうにお金を浪費したいわ!」

「昨日のホテルのスイートでも250万だぞ」

「もっと、有り金全部使うつもりで望みたいわ」


「そうなるとカジノくらいか」

「良いわね、明日行きましょう」


 俺も武器を買いにアメリカかロシアに行く気だったからいいか。

「明日、ラスベガスに行くか?」

「良いわね、たくさん儲けて見せるわ」

 浪費するんじゃないのか?


「ラスベガスとはどこの事じゃ」

「この世界で一番裕福な国のギャンブルの街だよ」

「それは面白い、我の独壇場だな」



 さて二人は寝たな、ネットのカート入れの続きをするか

買わないのにカートに入れる作業は、なんか虚しいな。


              

「起きたか、関空からキャセイなら20万切るな」

「ダメ、ファーストクラスじゃないと」

「そうなると、一度成田に戻らないと検索に引っかからないぞ」

「新幹線で静岡あたりまで行って、転移で成田に行こうよ」

 滅茶苦茶だな。


「わかったよ。シスコ経由でラスベガス行きを予約しておくぞ」

    

 


 ファーストクラスというのは初めて乗ったがさすがに

 10倍近くとるだけあるな。


「不思議じゃな、夕方に乗ったのにまだ昼とは?」

「気にするな、今日からギャンブル三昧だぞ」

「燃えるわ!」


「金を戻せ、ドルに換えてやる」

「カナデは使わなかったのか?」

「サクラが出すと言うのでな」


「サクラ、3千万も何に使ったんだ?」

「腹が立ったから、BMWの車を2台買ったわ」

「われのアイテムボックスに入っておるぞ」


 俺もだいぶ使ったが、衝動買いか?


 これはカジノで荒れそうだな。



1兆8千488億


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