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音速異世界爆走記  作者: 風間サトシ
第三章
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第五十三話:キシリア商会消滅


 善と悪を使いこなすのが上に立つ者の責務だと

最近感じます、さじ加減が非常に難しいです。



 家の件も片付いて、日差しが強い日はシャツでも暑いから

仕事に身が入らんな、そよ風を出す魔道具はあるんだが、クーラー等と

贅沢は言わんが、なんとかならんものか。


「最近、俺にも結婚話が出てきたが、みんな何か目的があるのか?」


「子爵でこれだけの領地を持っている者はおりませんし、閣下の噂が

貴族の方々にも広まった結果でしょう?」


「ここも最初は25万人弱だったし、悪政を敷いていたからな」


「街。既に都市と言って問題ないですが、税制改革とギルドの追放

商人や職人の誘致が大きく、人口増加に拍車を掛けているかと」


 嫁さんか、美人で気立てが良くて、金使いが程々なら欲しいな

でも貴族は面倒かもな、来てる話は下は10才で上が18才か

出来れば20才程度の女性が良いのだが。


「シャルやフレイヤは結婚しないのか?」

「……まだ大丈夫です、貴族ではないですし」

 

 

 個人的な話をしてしまったな。

「今日、集まったのは、何か理由があるのか?」


「エトワールにもガリアの船がやって来たのですが、金貨の

違いで商会が揉めております」


「金貨の価値が違うのか?」

「はい、金貨の金の含まれている量がまず違い、金貨10枚でガリア大金貨

50枚でガリア白金貨となるそうです」


「王国では金の含有量は一定なのか?」


「通貨は国の専属の魔法師が作成しており、偽造通貨は一切認められず

我々内政官も『シェルシェオール』の魔法で抜き打ちで鑑定しています」

 魔法で作ってたのか、古銭が少ないはずだ。

 

「サンプルはあるのか?」

「はい、全ての種類を10通貨用意してあります」


「少々借りるぞ」

 タララ預金に違う通貨を入れるのは星金貨以来だな

結果は10万、100万、500万か、問題は無いようだな。


 引き出しも問題ないな。

「返そう、エトワールでは、この金貨で取引して問題ないぞ」


「相手は含有量が少ないので1割分の価値を引いてもいいと、言っていますが」

「ならば、ペコ商会はガリアに縁があるし、あそこに1割引きで

両替させればいいだろう、話をしておこう」


「納得しますか?」

「ガリアでの取引で使えば、その分儲かるし、嫌とは言わないだろう?」


 ガリア君も1割引とは気前がいいな、技術力で我らより上で

信用通貨なんだから強気でいけばいいものを。   

 


 バルバラは居るかな?

「バルバラさんは居るかな?」

「すいません、本日は商談で王都ですので、戻るのは明後日になります」

 居ないのか、忙しいんだな。


「手間をかけるが、この書面を直接本人に渡してくれ?」

「かしこまりました、戻ったらお渡しします」


「後、ワインを20種類貰えるか、金額は気にしなくていい」

「そうですね、では私のお勧めで選びましょう」

 

 流石に大商会だ、金貨30枚とは、適当に選びすぎたか?



 短剣を買ってやる約束をしていたな、ついでだ寄っていくか。 

 

「おやっさん儲かってるか?」

「あんちゃん久しぶりだな、勿論儲かってるぜ」

「今日は短剣を2本と包丁を2セット買おうと思ってな」


「俺の包丁を使うということは、いい腕なんだろうな?」

「ダンさんといい勝負だ、いいやつを頼むぜ」

「短剣なら、いいのがあるぞ、そうだな金貨30枚でどうだ?」

「それを貰おう、包丁はいくらだ?」

「出来を見てからだから、その時に払ってくれ」


「わかった、最近の街の様子はどんな感じだ?」

「そうだな、4月の税がなかったから、みんな金離れがいいぞ、ダンジョンの

おかげで高ランク冒険者も増えたからな」


 10月に払ってくれるだろうな税金、冒険者は宵越しの金は持たないか?

「ありがとな、では頼んだぜ」



 さて久々の実験の時間だな、前は気を失ったからな。

 安めのワインから試していくか、魔力は少しでいいか。

「【バッコスワイナリー】」

 C級ポーションか、女神の言う試行錯誤とは、どのレベルなんだろな?

 

「旦那様、お食事の時間ですが?」

「わかった、今いく」

 フー、5時間か、かなり試したがA級ポーションが精一杯か

あの時とは何か違うんだよな、それが見つけられないと、進歩はないか。


「ご主人、遅いです」

「悪いな、今日も美味しそうだな!」

「ハンナは一流ね、雇ってよかったわ」

「そうです、ミラも美味しい食事は嬉しいです」


「サラ、食欲が無いようだが、体調が悪いのか?」

「大丈夫です、ちょっと疲れているだけです、先に休ませて頂きますね」

「お姉ちゃん」



「ミラどうだ?」

「お姉ちゃんは、朝から熱が下がりません」

 もう午後4時か、だいぶ弱っているな。

「ヒルダ、見た感じどうだ?」

「兄様、回復魔法を掛けてみましたが、回復しません」

「そうか」


 ヒルダの魔法でもダメと言うことは重い病気か? 試してみるか?

「行くぞ【バッコスワイナリー】」


 鑑定様では、病気回復薬B+と表示されるな

ポーションをイメージしていたから、それ以外が作れなかったのか?


 作成者の想いで変化するのか? 俺のイメージに会わないスキルだが

毒薬ではあるまい。


「ミラ、いるか?」

「はい」

「これを飲ませてやってくれ、たぶん効くはずだ?」

「俺だと部屋着では、気を使うだろう?」

「わかりました、ご主人ありがとです」



「お姉ちゃん、薬を飲んだらぐっすり寝ちゃいました

効いたみたいです」

「良かったよ、ミラも休むんだぞ」

「はい!」



 翌朝、サラは良くなったが疲労もあるようなので、3日間の自宅療養だ。

 

「閣下、小麦の収穫が始まりました、今年はかなりいい出来だと思われます」

「豊作か? あの伯爵が残した、最後の財産だな」

「醤油の方はどうなっている?」


「キムが熟成という段階は完了したとの事です」

 それは楽しみだ、無農薬の素材だ、期待していいだろう。


「ちょっと話があるので、ロキとハイム以外は仕事に戻ってくれ

適度に休憩を入れろよ、サラみたいに倒れるぞ」

「かしこまりました」



「どうだハイム?」

「キシリア商会の主要メンバーが起死回生の為に南のラピスの街へ

行く船に乗ったと情報が入りました」

「そうか、船の数は?」

「各都市の人員と全財産を積み込んだようなので、15隻は下りますまい」


「これで長年、我らに圧力をかけてきた相手を一掃出来るな?」


「商業ギルドの我らを敵視する勢力も一緒なので、狙いはここを含む

南部での利権の独占でしょう?」


「バカな奴らだ、利権を奪われた腹いせに、落ちぶれた商会に肩入れするとは」

「あとは頼む、上手く情報を流しておいてくれ」


「バド商会がキシリアに潰されかけて、冒険者を雇っていますので

何とでもなるかと」


 

 久しぶりに盗賊家業をやるか。

「フラン仕事だ」

「えー、サラが倒れているのに?」

「すぐに済む、少々働いて貰うぞ」



 嫌がるフランを連れて出張だ、久々にテテだ。

 見つからないな、予定より遅れてるのか?

「こんな海の上で待つの?」

「夜の間には終わらせるさ」


 居たか? 全部で18隻か、大商会の最後の切り札か。



「誰だ、我々は商業ギルドの人間だぞ!」

「皆さんこんばんわ、イダテンと言います、会ってすぐで申し訳ないが

皆さんは船と共に沈んでいただく」


「ふざけるな、こいつを殺れ」

「俺たちはAランクの冒険者だぜ、運がないな」


「お前たちも乗る船を間違えたようだな」

「死にな」


「運のないやつだ【アクアフラッシュ】」

 

 沢山持ち込んでいるな、これは時間が掛かりそうだ、朝までに

終わるかな? 高速で処理するか。

 

「フラン、次行くぞ、ダラダラやってると置いていくぞ」

「待ってよ、こいつら面倒なんだから」


 この船がキシリアのお宝船か。

「悪いが、みんな女神に会いに行ってこい」

「【アクアフラッシュ】12連」


「フランは残党を片付けてくれ」

「もう、人使い洗いな」


 めぼしい物だけでいいか、逃げられたら不味い。

「フラン行くぞ、乗れ、やつらを掃討する」


「テテ、ハイビーム砲行くぞ」


 やはり船に乗ったやつらは、狙いやすいし、証拠も残らない。

 これでエトワールに手を出そうとしてる輩はだいたい

片付いただろう。


「カズマ、もう6時だよ」

「よし帰るか、捕まってろ」

      


「旦那様、お食事の時間ですが?」

「今日は要らない、休むからシャル達に言っておいてくれ」

「かしこまりました」


 疲れたな、結局10時間以上掛かったか、実入りも大きいし

これでエトワールも安全だ、もう俺を狙った、暗殺者も来ないだろう。



 なんか寝苦しいな、熱があるな、風邪か?

 仕方ない。

「【バッコスワイナリー】」

 あれ、光らないぞ、病気だとスキルが使えないのか?

集中できないし、治そうという意識が薄いのか?


 悪因悪果かな? 今回はやりすぎたか。

 

 

 結局3日も寝込んでしまい、サラにまで心配をかけてしまったな。

 

「閣下、お体の方は、大丈夫ですか?」

「心配かけたな、もう大丈夫だ」


「子爵、東のトーラスが軍の展開を初めたと報告がありました」

「リン、予想でいい、軍の規模は?」

「小麦の収穫を待っての攻勢となると、7万以上かと」

 俺の厄日は続くようだな。

 

「リリーナ、トーラスが狙うのはどの辺だ?」

「ナキをアラン伯の部下が占領しているので、ナキ奪還が先かと」

「アレク、王国軍の動きは?」

「軍は王都北東のヘルメスに軍を集結中です」


「ヘルメスからトーラス王国は近いのか?」

「ヘルメスは王国東部の街の一つでクレタから北へ馬で10日程度の場所にあり

トーラス王国の王都クラノス迄は、歩兵で10日程度の距離です」


「クレタからより敵の王都に近いんだな?」

「はい、その代わり、ヘルメスから王都クラノス迄は街がありません」

 

 さてどうしたものか?

わざわざ敵領内で正面からぶつかる必要はないな。

 最近、運に見放されているから、俺の考えで動くと逆に危ないか?

 

「リンがトーラスの将軍なら、どう動く?」


「敵は自分の庭での戦いなので、兵3万程でナキを奪還して兵の士気を上げて

王都守備ならば、10万程度を更に増員して、足の速い部隊で

我が軍の進軍を遅らせる為に、休み無く攻撃を仕掛けてくるかと」

 

 13万か? アラン伯も治安が心配で全軍は出せないから、ナキは放棄と

なると、俺たちは敵の本隊よりも機動部隊と戦ったほうがいいか?


「敵の機動部隊と戦うならヘルメスとクレタのどちらで待ったほうがいい?」


「ラウス隊で行くなら、我が軍のヘルメス集結を待って、ナキの兵力を

確認してから、遊軍として動くのがいいかと」


 うちの新生ラウス隊の速度は異常だしな。

「では先発隊がヘルメスに入ったのを確認してから、俺たちは動こう」

「兵は3千を残して、残りは連れて行く、準備だけしておいてくれ」


「「「はい」」」


 ノースフォールの戦いを超えそうだな、陛下がどの程度

本気で攻めるかだな、南は安全、北が微妙で東か。

  

 善政が評判の王が他国へ再度進軍か?

 余程、自信があるのかな。

 

364億7千万と金貨10枚


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