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音速異世界爆走記  作者: 風間サトシ
第三章
52/81

第五十話:エトワール軍再編


 一時とわかっていても平和はいいもんだ

これで昼頃起きていいなら最高なんだが、そうも言っていられない。



 サラとミラも戻り。

 その翌日にはリン達、ベリアス遠征部隊も全部戻ってきてしまった。

 当初は3千残すはずだったが、ガリアの勢力がエルミール王国の兵を

追い出しにかかったらしい。


「リン、情報は多少は得られたか?」

「はい。報告書にありますが。ガリア勢は兵5万駐留、王国へは北部の2つの

街とその周辺のみの割譲」


「そして、ベリアス国内では兵士や傭兵の残党刈りが続いてます」


「数に差があるから文句は言えんか」

「これは私の私見も混ざりますが、ベリアス兵が精鋭だったのは薬品の効果の

ようです、これを飲むと一月ほど効果があるという情報を掴みました」

「薬物か」


「あとガブリエルは正式には王ではなく公爵として権力を掴んでおり、娘が王妃

の座についたのをきっかけに権力基盤を作ったようです」


「今回上陸したガリア勢は総勢が約34万以上、船が220隻以上で

我が国へは星金貨5万枚が報酬として支払われます」

 あいつの娘が王妃で、うちの取り分は良くて2千枚程度か、伯爵殿の薬が

あれば勝負はわからなかったな。 

 

「わかった。アレク同数でガリアの船と戦ったら、何分持つ?」

「50隻同士の戦いとして、30分で我が方の負けですね」

「海では戦いにならんと言うことだな」

「残念ながらそうなります」


「ベリアス、もうベリアスではないが。この話は終わりだな」

 


 たまには遊ぶか、でも友達いないんだよな、これは重大な問題だな。

「バルバラ、商品をそろそろ各都市へ運んでおこうか?」

「いえ、ここでお預かりして。船で各支店に運びます」

「面倒じゃないのか?」


「我が国もガリア勢の影響か、最近検閲が厳しくなり、ダミーで誤魔化す事

が出来なくなりました、それに港がある街への出店ラッシュが大きいですね」

「わかった。リストにある商品を星金貨5000枚分ほど置いていこう」


 残高不足だと!

 

 仕方ないラインの分を個人資産に充当して。

 これで1300億増えたか、やはり俺の本業は盗賊が合っていそうだ。


「それと腕時計ですが、例の光るやつで原価小金貨4枚のを追加でお願いします」

 ルミノックスかこの世界も軍用が人気か。

 

「支店長にも絶対に原価は言うなよ」

「もちろん、存じております」

「いくらで売ってるんだ?」

「エトワールの特別価格で、星金貨4枚ですね、在庫が少ない時は5枚です!」

「ご指示通り、他国向けは星金貨20枚頂いてます」


 千倍か悪くないな、カリムの収入でも2つは買える程度なら問題ないだろう。

 ガリア大陸の商人には、もっと高値でもいい位だ。

 ついでだ、時計と高い商品を星金貨5000枚分ほど出すか

これで1年は大丈夫だろう。

 6時間もかかったか、運ぶやつは大変だな。

 

 この辺は夜も人が多いな、酒飲みくらいしかいないはずなんだが。

「サラとミラじゃないか。晩飯か?」

「ミラが魚がいいと言うので」

「良ければ一緒にどうだ?」

「「はい」」

  

 かもめ亭も久しぶりだな。

「女将さん、席空いてる?」

「相席でいいかい?」

「いいよ、そこの1人でテーブル占領してる娘の所でいいよ」


「フラン。小遣い使い果たす気か?」

「カズマじゃん、良かった、ちょっと支払いが不安だったの」

「小遣いは金貨10枚と言ってあるはずだが」


「ご主人さま。そちらの女性は?」

「紹介してなかったな。そうだな俺の護衛というか、召使いのフランだ」

 

「よろくしね、サラちゃん、ミラちゃん」

「よろしくお願いします」

「お姉さん、赤マグロのステーキ5人前ね」

「私は追加で2人前、今注文した人とお会計は同じで」

「よく食うな」

「この体は燃費が悪いのよ」

 燃費かレベルが上がると悪くなるのか?

「ミラは2人前位いけるだろう」

「はい」

 だいぶ雰囲気が戻ってきたようだな。

  

「サラ。納得できたか?」

「……随分探し回りましたが、手がかりは無く」

「一応自分達なりに、踏ん切りはつけたつもりです」


「そうそう、何事も引きずってはダメよ」

「……ありがとうございます」

 お前は引きずれよ、娘と再会してもそれだけか。

 

「ミラは調子はどうだ? こっちは戦争で忙しくてな」

「お姉ちゃんと久しぶりに二人っきりで、ゆっくりできました」

「軍事関係は当分ないから、羽を伸ばしてくれ」


「やはり魚は王国が一番です」

「赤マグロのいいのを揃えている店は少ないからな」

 それから2人の捜索話を聞いたが、帝国まで行ったらしい

危ない目に合わなくてよかった。

 久しぶりに食べたな?


「女将さんお代は?」

「金貨1枚と小金貨7枚だね」

「この横の娘の分は?」

「フランちゃんの分を入れてだよ」

「カズマ、ご馳走様だよ」

 1人で金貨1枚以上だと、なんとかせねばならんな。


「フラン、大人しく家に帰れよ」

「そうだ、わたし自分の部屋が欲しいな!」

「部屋か、そういえば、俺も家を買う予定だったが、まだだったな」

「丁度いいし、明日見に行かない?」

「みんなの予定が良ければ、見に行くか」

「サラ達も、どうだ?」

「いいですね、ミラもお城暮らしはちょっと窮屈ですね」


「サラはどうする? そうだ婚約話が来ていたな、同居はまずいか?」

「お姉ちゃんにお婿さんですか?」

「20件ほど来てるようだぞ」

「お姉ちゃん凄いです」

「……私も家探し、一緒に行きます」

「そうか。では明日の9時ごろに行くか?」

   


 バルバラが案内役だが、1軒目は港の近くで部屋数は多いが、広くないと

ミラとフランが文句を言い、2軒目は東エリアで広めで、なんとプールが有ったが

そんなもん掃除できるかと、俺が却下。


「(次か本命です)」

 本命があるのか、みんな楽しんでいるからお楽しみは後の方がいいか。

 

「ここが最後の物件です、新築で北エリアでも大きめの物件です」

「凄い。豪邸ですね」

「「凄い」」

「部屋数は12に、50人程度を呼べるホールに、食堂、研究室に倉庫」

「お風呂とリビングが3つずつに、最新式のキッチンにトイレが4つです」

 書庫と玄関がないが、豪邸だな。

 

「左側は来客用で奥が使用人用になり、来客用が部屋数4つで使用人用が

部屋数8部屋に厩舎がついてます」

      

「ミラとフラン、使用人用が空いてるぞ、好きな部屋を選べ」

「ご主人、ミラも同じ建物がいいです」

「カズマ、一番大きい部屋を所望じゃ」


「バルバラさん、みんな気に入ったようなのでここに決めます」

「そうですか、お値段は本来は星金貨20枚は頂きたいのですが、子爵様の新居

という事で、星金貨10枚でお譲りしましょう」


「(バルバラ、儲けるつもりか?)」

「(勿論、買い値で星金貨10枚ですよ)」


「ではみんな、好きな部屋を選んで良いぞ。あとは使用人か?」


 魔法師の力量で建物の基本が決まるので、改築する事があまりないし

土地代の概念が無いので、富裕層は新築が多い。


 家具がないので住むのはまだ先になるな、カリムは職人だし、職人仲間

に頼むか?

 

☆☆


 夜が明けるのも、かなり早くなり春の訪れを感じるな。

 

 今日から軍務と政務の正式採用の面接とテストだ、今まで仮編成で政務と

軍務をやり繰りしてきたが、新規の住民や難民が増えたので正式に編成だ。


「ロキ、面接の担当は決まったか?」

「政務が私とフレイヤ、サラ様とハイムで決めます」

「軍務がミラ様とシャル、リン、アレク、ニケ、マリアで

リリーナとタチアナは今回は参加者に回ってもらいます」


「それで良いだろう」

「政務が面接重視で、通過した者は試験です、軍務は郊外で訓練を行い兵を

ふるいにかけて、見込みがありそうな者を集めて指揮官候補の面接をします」

「軍務希望者は従来の兵を加えて3万を超えるので、かなりの激戦です」


「俺とヒルダとフランは影の面接官だ、訓練している兵を襲って技量を試すぞ」

「面白そうね、鍛え直してやるわ」

「兄様。お姉ちゃんは知ってるんですか?」

「知ってたら面白くないだろう、死なない程度に痛めつけて構わない」

「フラン。闇系の魔法は禁止だぞ」



 さて兵士諸君の健闘を祈ろう。

 キャンプ地は東側の草原か、林に入ったら襲うか、アカネは卵を産んで

今は厩舎で母親家業だ、俺たちはアオイに3人乗りだが、成長したアオイなら

3人でも大丈夫だ。

 夜に襲いたいが、アオイが動かないので昼にやるしかない

2日目の晩飯を食べ終わり、野営の準備を初めた所を襲う。


「「「【サンダーアロー】」」」

 上手くイメージできないので威力も低い、訓練には丁度いいだろう。

 10分程度、訓練兵で遊んでいると、ニケとマリアが出てきた、これはいい

機会だ、兵としての腕を試してやろう。


 「「ホーリアロー」」

 俺とフランの魔法が2人を襲う、流石にヒルダは休憩だ、足に命中したが

周りの兵の指揮をしつつ反撃してくる、そこでヘルメットを装着した俺とフラン

が武器で襲いかかる。


 うちの兵士は魔法は良いが、白兵戦は平均より上といった程度だ

これではベリアスの兵が相手だったら死ぬな、そこでリリーナが来たので

退く暇がない、仕方なく接近戦を挑む、相手は魔法スキル8の強者だ。


 『ファイアボール』をいきなり使ってきたやがった、躊躇いがないな

俺とフランで挟んで攻撃すると、流石に形勢不利と判断したのか味方に援護を

呼びかけながら後退する。

「相棒こっちも退くぞ」

「あいよ!」

 俺たちはかなり速めに走って逃げたが、30分程の奇襲で兵はかなり

疲れたようで追ってこない。


「どうだった。フランから見て?」

「動きは悪くないわね、あとは長期戦になった場合ね」

「精神力か? 試す機会がないな」

「あれだけ動ければ、合格でいいんじゃない」


 それから間隔を空けて夜襲をしたが、初動は悪くないようだ

朝一番でアオイで帰還、いい手応えだったな。



 訓練を3日で終え、面接に残った兵が220名で40名が見込み有りと判定。

 百名単位の中隊指揮官が220名。

 5百名単位の大隊指揮官が40名。

 3千名の連隊指揮官がニケ、マリア、リリーナ、タチアナを加えた7人。

 予定を上回ったが兵力2万2千を採用だ。

 

「ロキ。こんなに雇って、財政に余裕あるのか?」

「形は常備兵ですが、内政官同様に一日の半分は副業可能ですし

申告すれば、護衛任務等で街を空けるのも可能ですので、問題ありません」


 朝から夕方まで働くのは一部のエリートのみで、規則で縛るのは5時間弱

と軽めの仕事だ、副業で店舗経営も可能だから給金ばかなり押さえられる。


 内政官に受かったのは、2千人だった、医療、教育部門の人員が

いないと少なくて済むな。 

 

 

「子爵、最近は街に流民が増えていますね」

「フレイヤ。まずいのか?」

「恐らく、4月の税を逃れての流入かと存じます」

「税の期限の後に家に戻った場合はどうなるんだ?」

「奴隷落ちですね」

  

「ギルドも必死だから、そうなるよな」

「今は領民証の発行を控えて対応していますが、公国のように

滞在許可証を発行して対応した方がいいかも知れません」


「ギルドは嫌いだが、治安の悪化は困るな、フレイヤの案を実行してくれ」

「街に入る際に5日間の仮許可証を発行し、5日以上滞在する者は

役場で許可証の申請をさせます」


「旅の者や行商の者は5日あれば足りるので、申請の代金は

小金貨1枚で、一月の出入りが自由とし、クララ達の開発した指輪を使います」


「これは一月で色が黒くなる物を使い、見つけたら奴隷落ちで如何でしょう?」

「一月持つのか?」

「はい。魔力次第で1年迄は変色しない物が作成可能のようです」

「この際、領民に半年変色しない物を渡して、税の支払いで1年の物と

交換させるのは可能か?」


「可能です、領民証と合わせて持たせれば効果は絶大でしょう」

「では任せる、領民の分は急がなくていいぞ」


 

 失敗したな、今の会話の流れは今日が何日なのか、聞き出すチャンスだったな

流れとしては3月か4月に入ってる頃だと思うが。



「ヒルダ。指輪を嵌めてあげるから、手を出しなさい」

「兄様、なんだか照れます」

「青い宝石ですね、ヒルダ、常に身につけていますね」

「シャルとフランの分もあるぞ」

「ミラの分は、あるんですか?」

「お前は貴族証があるから、ないな」


「これは今度、エトワールで発行される、領民1号君だ」

「変わった名前の指輪ですね」

「キムの爺さんの考案で、1号が管理者用で青、2号が市民用で緑

3号が滞在者用で赤だ、黒いのを見つけたら捕縛だ」


「そうなると南の中位ダンジョンに潜る冒険者の扱いはどのように?」

 流石に冒険者だな、会議ではほとんど無視していた議案なのに。

 

「冒険者ギルドの会員は基本は3号だな

期限切れまで潜っていた場合は再申請だな」


「ではみんな再申請すれば、長期滞在できるのでは?」

「申請は役場のみで、再申請は2回までだ、ギルド長の推薦で再入手可能だ」

「虚偽の申告が見つかった場合は脱税と見なして、奴隷落ちだ」


「サラには相談せずに決めてしまって申し訳ないが、冒険者で2号が手に入る

入るのはCランク以上で、商業ギルドは一律で3号という事で決まった」


「それでは、商業ギルドから強い反発があるのでは?」

「商業ギルドとは完全に縁を切ることに決まったし

俺もギルドカードは王都の商業ギルドに返送済だ」

「サラとミラも返してもらわないといけないな」


 3ヶ月以上の滞在希望者は領民証の入手が条件だが、7月迄

無闇に発行しなければ納税時期まで持つだろう。


「女性は首にかけてもいいので、無理に指輪を嵌める必要は無いぞ」

「ヒルダは指輪でいいです!」

 



 指輪の交換も進んでるな、現在48万を超えたか、2号君が45万を

超えたという事はこの街も、ミッターマイヤー家の全盛期を超えたか?


「子爵大変です!」

「どうした?、タチアナか珍しいな」

「ギルドから先日、ダンジョン発見の報告があったのですが」

「珍しいな」

「ギルド職員と兵士の合同調査の結果、高位ダンジョンと判明しました」


「高位ダンジョンだと。そうだな大隊を1つ出して調査してくれ!」

「わかりました、手配します」


 高位ダンジョンか忘却以来だが、俺も行ってみるか?

 

364億8千万と金貨33枚


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