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音速異世界爆走記  作者: 風間サトシ
第三章
39/81

第三十七話:エトワール不動産事情


 人というのはなぜ深く考えないで自分の意見を主張するのでしょう

それぞれの正義というやつでしょうか?



 今日はアニタちゃんの歓迎セレモニーの日だ盛大に行こう。

 

 エマさんが白鴎便で今日の昼過ぎに着くと教えてくれた、できる人だ。

 

 メインはアニタちゃんの歓迎セレモニーだが建前上、ダテ子爵の

歓迎セレモニーとなっている、気のきかないやつらだ。


 現在午後1時20分、そろそろだな入港するはずだ。

 

 アニタちゃんを乗せた帆船が港に入ってきた、俺はサングラスを装備して

民間用の埠頭に潜伏して接岸を待つ。


 エトワールの港は入りたい船が空いてる埠頭に勝手に入るという適当な管理

だったので俺がAを軍用、Bを民間、Cを貨物と分けた

現在船の移動は終わり、港の改修工事中だ。


「帆船が来たぞ」

「右の埠頭が空いてるぞ」


「バカ野郎、客人が乗ってるって連絡があっただろう、Bの2番の埠頭に回せ」   

「よし寄ってきたぞ、風魔法で桟橋に寄せろ」

「いい感じだ、野郎どもいくぞ【クッション】」


「無事接岸感謝する」

「おうよ、俺たちの仕事だからな」


 接岸した船にそっと乗り込む、みんないるなこっそり近寄る。


「おお、カズマじゃねえか、準備はできてるんだろうな?」


「なんだカリムか、生きてやがったか」

「あたぼうよ」


「カズマ君、久しぶりだね、街の方は大丈夫なのかな?」

「はい、諸々終わりました」


「カズマさんお願いしますね」

「カズマお兄ちゃん、住む所あるの?」


「アニタちゃんもちろん、城でもいいし、10件ほど候補を用意しといたよ」

「では行きましょう」


 出迎えが花火で演出する、そこを俺たち5人が堂々と通る、台が用意して

あるのでアニタちゃんと二人で登る、


「みんな聞け、俺がダテ子爵だ、長い話はしないエトワールを活気ある街にするぞ

俺について行ってもいいというヤツは」


「アニタと20回連呼しろ」


「おお、アニタ、アニタ、アニタ……」


 アニタコールの中を俺たちは馬車で屋敷に向かって進む、久々に爽快な気分だ。

 

「カズマお兄ちゃん、なんか凄かったですね」

「今日の為に用意していたからね」


「カズマ、俺はお前を見誤ったかも知れんな」

「おい、カリムお前は別についてこなくてもいいんだぞ」


「まあまあ二人とも、所でどこに向かっているの?」


「前に使っていた屋敷ですよ、ほとんど人が居ないのでゆっくり休んで下さい」



「着きました、ここです、部屋はお好きな所をどうぞ」

「カズマお兄ちゃん凄いお屋敷です」


「ここがリビングで左が寝室で右が厨房で奥に風呂があります」

「凄いお風呂があるの?」


「ああ、あるよ」

「おやっさんはどうする?」


「俺か、俺も暫く休養するわ」

「そうか、まあいいだろう」


「とりあえず荷物を置いてといってもカリム以外はほとんどありませんね」


「休まなくていいなら買いに行きますか?」

「とりあえず必要な物はありますが、女性が使うものがないですね」


「とりあえず今日はゆっくりさせてもらうよ」

「わかりました、ではごゆっくり」


「またね、アニタちゃん」


 観光計画が頓挫してしまったな、仕方ない仕事するか。

 

「兄様が戻ってきましたよ」


 ヒルダがなんか言ってるな、今日は休みだったはずだが。

「どうしたんだ?」


「カズマさんお客様です」


「遅いぞ、ダテ子爵」

「何か御用ですか」


「何かではない、私は商業ギルドの者だ、3日前にギルドから手紙が

きてるはずだ、私は用地確認の為に来たのだ」


「お話がよく理解できかねますが、用地確認とはなんの事ですか」


「商業ギルドの建設場所に決まっておろう」

「商業ギルドはエトワールをキシリア商会に委任して撤退したはずですが」


「だから新たなる建物を新築するのだ」


「残念ですが、そんな土地ありません」


「幾ら貴族と言えど商業ギルドを愚弄するのか?」


「よくこの街の事をご理解頂けていないようですが、エトワールが

商業ギルドがキシリア商会へ売り渡した徴税権のおかげで

どれだけの人が苦労して、傷つき死んだかご存知ないのですか?」


「あの件は上層部が決めた事で仕方がなかったんんだ」


「では今回の用地の件も上層部の方が決めたのでしょうから、仕方がないという

事で諦めて頂きます」


「我々無くして商会の管理はできんぞ」

「お気遣い結構です、この街にはキシリア商会に肩入れしたギルドに好意を

抱いている商会はありません」


「客のお帰りだ、門までおくってやれ」

「おお、旦那、客人はもうお帰りですか、野郎ども門まで護送だ」


 そう言うと5人ほどの筋肉隆々の男が入ってきた。

「待て子爵、私は……」


「カズマさん、いいんですか商業ギルドを適当に追い返して」

「今更だな、あの態度まったく反省してない、あれでは、またキシリアの

ようなバカにこの街を売るぞ」


「ちゃんと尾行はつけてあるよな?」

「もちろんです」




「おやじ、エールをくれ」

「悪いがエトワールじゃ商業ギルドのやつに出す酒も料理もねえぞ」


「ギルドの手先か、絞めるか?」

「キシリアに俺たちを売ったやつらだろう」

「やっちまうか」



「……邪魔したな」


「腰抜け野郎だな、商業ギルドの手先は」




 うーん内政官が足りないな、商業ギルドが使えないからやはり街で計算が

得意なのを面接するか?


「カズマさん、何唸っているんですか?」


「シャルか、内政官が足りなくてな、大規模に合同面接会といくか」


「ある程度いるじゃないですか?」


「シャルが軍の帳簿をきちんと記帳できればな?」


「……そうですね、やはり内政に向いた人間も多く必要ですね」


「リンとアレクはちゃんとやってるか、はい飲み込みも良く、もう500人程度

なら指揮可能かと思われます」


「良い拾い物だったな、あれで飲み込みがいいとは、使えるな」

「はい」


 リンとアレクはギレンに意見して、ガーンファミリーの傭兵ギルドの牢に投獄

されていた軍人だ、二人共頭の回転が良く戦術に明るく、兵站の重要性を理解

している、それが原因で伯爵に意見して投獄された訳だが。



 、

 夜にダンさん一家の護衛担当から明日物件を見たいと連絡があったので

明日は気に入ってもらえる場所があるだろうか?


 

☆☆


 翌日の10時にダンさん一家を向かえに行き、馬車で説明しながら街を進む。

 

 お供はサラだ、説明役には丁度いいだろう面識もあるし。

「昨日の今日で悪いね、カズマ君」


「こちらこそ、今日見て頂けて良かったですよ」


「用意して頂いた物件はどんな感じかな?」


「サラ説明を」

「はい、大きめ宿屋が2件、中規模が8件、転用物件が4件です」


「大きい宿屋は新築で、中規模が新築6件に中古がが2件で

転用物件は新築が2と中古が2です」


「転用物件というのは?」

「はい、ご主人さまの話では再び宿屋を営むとは確定していないと聞いていたので

一般の店舗として使えるな物件です」


「随分あるね、それに新築物件が多いね?」


「エトワールは毎日5千人の人が通過する街で、前領主が失踪以来物件購入が

一時的に出来なくなっていましたので、新築物件が多く残っています」


「毎日5千人か、凄いな、新築ならギルドで登録が必要だね」


「ダンさん登録は後で結構です、そうだ領民証を作って置いたのでどうぞ」


「青いのがダンさんとカリム用で、ピンクのがお二人用です」

「これがあると、子爵領の街の出入りが簡単になり、割引特典も付いてます」


「俺のも用意するとは気が利くじゃねえか」


「無いと文句言うだろうが」


「では中規模の中古物件から見せてもらおうかな?」

「はい、では西地区の物件からお見せします」


 それから6時間かけて中古と新築を見て周り、転用物件も見学、サラの説明は

丁寧でみんな感心して聞いていた、そして大きめの宿屋に到着だ。


「サラちゃん、ここは随分大きいね、部屋がいくつ位あるんだ?」

「大部屋が2部屋に個室が40室になります」


 前の物件以上に、みんなで中をじっくり見回る。

「お父さん凄い、大きいお風呂があるよ」

「あなたこの食堂なら80人は軽く入るわね」


「ああ、確かにな厨房も大きく設備も最新で使いやすそうだ……」

「よくこれだけの物件が残っていたな」


「ではみんさん最後の物件に行きましょう」

 見てきた物件の話をしながら馬車で移動だ。

 

「ここがご紹介できる最後の物件です、先程より小さいですが新築です」

「あなた、満福亭より大きくていい感じだけど……」


「そうだな先程の物件を見てしまうとな興味が削がれるな」

「そうね」

「お父さん、お風呂も小さいよ」


 俺はどの物件を最後に持ってくるか悩んだが先に見せて即決されると折角

抑えておいたのが台無しになるのでこの順番にした。


 今回の物件はどれも会議の翌日から買い取り依頼が後を絶たない好物件だ。

 

☆ 

 

 俺たちは今、近くの広めの食堂で夕飯だ、昼飯食べる暇がなかった。

 

 

「ダンさん誠に申し訳ないのですが、今回見ていただいた新築物件は人気が高く

オークションで一瞬で売り切れると思われます、ご主人さまが

現在仮押さえしている状態なので、何とか売れずに残っている状況です」  

 

 ダンさん悩んでいるな、1件前に見たやつは、超おすすめ物件だからな

悩んでいるのは人員か予算か、それとも両方かな?


「ダンさん良ければ私の個人資金をお貸ししますよ?」


「おお、あんちゃん気が利くな、俺は転用物件の2番目が良かったぞ」

「カリムか、おまえは前より斬れる刀を作れる自信があるなら貸してもいいぞ」


「ではカズマ君、すまないが最後から2番目の新築物件をお願いできるかな?」


「了解です、その他の物件は仮押さえを解きますね」


「おいおい、俺の物件はどうした」


「おやっさんいたのか、どれだっけ」

「転用物件で新築の2件目のやつだ」


「仕方ないサラ、それも抑えて置いてくれ」

「かしこまりました」


「カズマ君金額は幾ら位になるかな?」

「商会の希望買い取り金額は星金貨10枚ですが」


「ダンさんには行商人の折にお世話になったので、、星金貨2枚でいいですよ」


「それは有り難い」


 喜んでくれなかったら泣いちゃうとこだよ、本当は原価で星金貨4枚で

強引に手付で星金貨2枚払い、俺が押さえた物件だ 

商会からは最高で星金貨25枚でオファーが来ている人気物件だ。


「俺の物件はいくらだ?」

「サラ、商会の2割り引き位で売ってやってくれ」

「はい、あの物件を2割り引きだと、星金貨4枚と金貨40枚ですね」


「おい、あんちゃん、あの大きな宿屋より高いぞ」

「仕方ないな、おっやさんも星金貨2枚でどうだ

家財道具も無事だし、独身なら払えるだろう」


「馬鹿野郎、俺はお前と違って、ちゃんと家族がいるぞ」

「そうなのか、見かけたことないな」


「騒ぎになってミーナは危険だからな、早めに王都の弟子の所に先に送ったんだ」


「アルト商会が家族に連絡してくれるから、後3日位でここに着くな」


「……おやっさんに嫁さんがいるとは許せんな」

「お前も領主になったなら、早く嫁取りしろよ」


「嫁さんか、そうだな、探さないと不味いかもな?」



 サラの顔がちょっと赤いが、説明で疲れたんだろうか?

 

「……ではそのみなさん、屋敷にもどりましょうよ」


「サラ疲れてるのか、今日中に売買契約しないと後で問題になるだろう」


「あ、そうでしたすいませんです」



「ではダンさんとおやっさん、金は立て替えておくから、契約書にサインを」


「ここでか?」

「俺が一時買い取ると説明と手続きが面倒なんだよ、それに金額も上がるぞ」

「ここでいいぜ、サインするだけでいいんだな」


「家と店の契約書だぞ、騙されたらどうするんだ書面をよく読めよ」


 カリムはすぐにサイン、ダンさんは2度程見直してからサインした。

「ではサラ代金渡しておくぞ、このまま商品取引所で手続きしてくれ、今日中に

契約しないと、後で商会から苦情がくるからな」


「はい、ではすぐ行ってまいります」


 商品取引所はサラが演説で使った広場に面していた倉庫を仮店舗として使用中

営業時間は1の鐘から8の鐘までだ。


 そろそろ時間の鐘制度は廃止したいが、他から文句が来そうなんだよな。


☆☆

 

 歩いて屋敷まで戻ったので多少時間がかかったが、アニタちゃん以外はみんな

起きている、契約が心配なんだろう、結構ぎりぎりな時間だからな。


「カズマ君、金貨200枚渡しておくよ」

「俺も渡しておくぞ」


「確かに受け取りました、おやっさん使えなくなった刀渡しておくぞ、頼むよ」


「この前の刃こぼれしたやつか、まあ何とかなるだろう」

  

 馬車の音が聞こえる、午後8時30分かサラが屋敷へきたようだ

「サラどうだった、はいなんとか無事完了しました、こちらが売買契約書です」


「それと店舗権利書とエトワールへの商会用の管理費の報告用紙、カリムさん

には加えて生産物依頼表です」


「他には、10月のエトワールの税申告書類と『親切簡単書式の書』です」


 カリムは渡された書類を見ながらなんか考えているようだ。

「サラちゃん、税を逃れるつもりはないが、聞いた事がないのがあるぞ?」


「俺が超簡単に説明しよう、この街にはギルドがない、よって街で税を直接徴収

する、新しい税の徴収は来年10月末だ」


「簡単だろう」

「あんちゃん、説明が適当すぎねえか?」


「そうか、じゃあ今まで幾ら税を納めていたんだ?」

「俺は半年に一度、金貨500枚だな」


「実際の毎年幾ら位儲かってたんだ?」

「きっちり計算した事ないが、ギルドに納めた後に金貨100枚位は増えてたな」


 真面目に報告してるのか、詮索するつもりはないが売上1億程度で申告か。

 

「合計年に金貨1200枚か、カリムだと来年金貨1000枚の売上とすると

払うのは10月末に、金貨362枚位と依頼表の商品のみだ、簡単だろう」


「おお、最初からそう言えよ」


「さらに言えば、依頼品の出来が良ければ、金が少し貰える」

「一回取られたのに代金くれるのか? 悪くないな、4月に払わなくていいんだな?」


「そうなるな、商業ギルドのある街へ行ったら払えよ」


「なんでそうなる!!?」

「わめくなよ、嫌なら王都へ戻れよ、簡単だろう」


 やはりここで揉めるか、会議もここだけで4時間は揉めたからな。

 

「じゃあなカリム、ダンさんも遅くまで失礼しました」


 そして俺とサラが出ていくが、おやっさんがなんかわめいてるな?

 

 『親切簡単書式の書』を理解できれば、収まるだろう。

 

 

 果たしてカリムに理解できるだろうか?


残高:9億2千万と金貨68枚と金貨袋1つと押収した金貨


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