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音速異世界爆走記  作者: 風間サトシ
第二章
32/81

第三十話:ノースフォールの激戦

 

 戦争は人間に欲望がある限り、文明レベルに関係無く永遠に続く問題だ。

 

 ギブン公爵よりカナンの街と周辺全域に戦時特別令が発布された。

 

 これはいわゆる動員命令で戦争に参加する意思のある人間はもちろん

一般市民や奴隷にまで影響がある。


「カズマさ、ついに戦争ですね」

「わかっていた事だし、出陣する時にどうせ市民にはばれるから大々的に宣伝

するんだろう、公爵のサインの入った招集状もあるしね」


 きっとカナン滞在中の貴族には招集状がとどけられたらしい、俺の所にも

今朝来たところだ、内容は指揮官だけ城に集結し

その後に今回の作戦を発表するらしい、軍議と言った所か

いかねばなるまい、時間は3の鐘とある。


「ではみんな行ってくるよ、みんなも明日以降になると思うけど準備宜しくね」


「ご主人さま、気をつけて下さい」

「カズマさん、ご武運を」

「「がんばるのです」」


 9時に城につくと大方集まっているようだ、ざっと見ただけで20人程度

これは少ないのだろうか、城の入り口にある記帳欄には自分の名前以外に

動員可能兵力とあったので俺は4人と正直に記入しておいた。


 午前9時半すぎ、どうやら呼んだ貴族は全員集まったのか、ギブン公爵が

出てきて壇上に立った。


「これより今回のギブン軍の目的地と編成を発表する」


 王国軍じゃなくてギブン軍って言ってますよ、これはもう後には引けないな。

 

「白鴎便によれば、後10日程度で第二王子の軍と帝国軍がわが国の北方の

ノースフォールの街の周辺で戦闘に入る模様だ」


「第二王子軍2万、帝国軍が物見の報告では2万弱とある」


「よってわがギブン軍は明日1の鐘を持って3万でノースフォールに向け進軍する」


 歓声があちこちから聞こえる、やはり王太子軍より多く、ギブン公爵がついに

王を目指すと諸侯にも伝わったが大きいだろう。


「総大将は私が務め本隊を指揮する、軍を5つに分け

3人の伯爵に一軍の指揮を任せ、もう一隊は3人の子爵で軍を統率してくれ」


「それに先発してハイムとダテ男爵には補給部隊を率いて本日中に出発せよ」


 なんか周りのみなさんが俺を蔑むような目で見てますよ、この国では兵站を

任されるのは不遇職のようだ。


「では二人は先発を任せる」


「「かしこまりました」」


 俺とアルトハイムさんはお辞儀をして退出、その後にも軍の編成について

いろいろ話し合いがあるようだ。


 アルトハイムさんと城の外にそのまま出て、歩きながら話す。

 

 どうやら補給部隊はすでに門で待っているらしく、アルト商会の腕利きの護衛も

待機しているらしいので、30分後に門に集合の約束をして別れた。


 宿に戻るとみんな食堂で待機していた。

「悪いな明日ではなく、今すぐ出立する事になった」


「我々も準備はできてます」


「助かる、ではすぐに出るか、集合は20分後に門だ」


「「「「はい」」」」


 シャル以外はローブ姿という格好で門に向かうと300台近い馬車と

武器を持った護衛が50人程がいた。


「アルトハイムさん補給部隊の護衛はこれだけですか?」


「残念ながらそうなります、閣下には進言したのですが諸侯との折り合いが

つかなかったらしく、我々だけで護衛任務に就くことになります」


「仕方ありませんね、準備はできているのでいきましょう」


 そういうとアルトハイムさんは護衛数人に指示をだした

どうやらすぐに出発できるらしい。


 俺とヒルダとアルトハイムさんは真ん中の馬車に、それ以外はシャルと

護衛20名が部隊前面にサラとミラと護衛5名が最後尾ではないが後方警戒

残り25名が5名で班を作って部隊の横を守る、俺のパーティ用の馬も用意して

あり馬車と騎馬だけの高速進行部隊だ。


 荷馬車は4頭引きの荷馬車で5トンは軽く詰めるらしく、御者も現役は

引退したが全員戦闘経験有りとの事だ。


 俺たちが乗っている馬車は他の荷馬車とは違い、かなり速い馬を4頭で

馬車の方もアルトハイムさんの特別仕様らしい、中は広く15人位入れそうだ。


「アルトハイムさん、今回3万との事でしたが、随分少ないですね?」


 率直な意見をぶつけてみた、それに貴族が20人しかいなかったのも残念だ。

 

「はい、予定の2割も集まりませんでした、本来公爵軍で2万2千に5万程

加えて7万近い大軍で進行予定でしたが、集まったのは9千程です」


「ではほとんどは公爵の直属なんですね?」


「そうなりますな、ノースフォールに駐留していた軍が王太子に味方したようで

いい返事が期待できそうな貴族も今回はほとんど日和見状態です」


「貴族が20名で、伯爵が3名、子爵が3名となると、その他の方は?」


「あとは男爵が数人と準男爵と士爵ですな」


 下級貴族がいるとは宰相に渡された書類に書いてあったが今回は半分が

下級貴族か伯爵さまあたりに指揮能力があるのを期待するか。


「兵士の武器はどんな割合ですか?」

「そうですな、盾を装備した兵士が3千人程度、近接武器の部隊が1万2千

騎馬が5千、弓兵が8千、魔法師が千人、斥候及び伝令が千人といった所ですな」


「帝国軍が2万だけならいいんですが、きっと相手も増援を送るでしょうね?」


「諸侯は危機意識がなくて、王国北部を突破されたら軍をだす気らしいです」


 そのままヒルダも加えて3人で話しながら目的の野営地についた。

 

 今日だけでも70キロ程度進んだようだ、これは荷馬車にしては凄いな。

 

 夜は彼らが哨戒任務に着くそうで、俺たちはテントで安眠だ。

 

 しかし、このペースで進めれば、2週間程でノースフォールに着くらしい

今日は出発が遅かったが、馬も元気いっぱい、明日からは走行時間は長いが

馬もだんだん疲れてくるだろうから、一日70キロは維持したいそうだ。


 翌日も天気に恵まれ、1の鐘で出立、御者や護衛は馬の休憩時間に簡単な

食事を取るので

みんなで話す時間もないので昼間はアルトハイムさんとヒルダの三人だ。


 それからさらに2日進んでミーナ近辺に到着した辺りで盗賊団登場

これだけの軍の補給部隊を襲うのだ、たぶんどこかの有力者の手先だろう。


「どうします、アルトハイムさん、たぶん手練かと思いますが?」


「そうですな、色々聞きたいこともありますが、閣下より速さを優先するよう

言われております、全力で倒しましょう」


 アルトハイムさんも脳筋でしたか、相手は200人程度、何とかなるでしょう

俺が外に出るとシャルたち部隊前方にいた護衛は戦闘に入っていた。

御者も馬車を操り、一箇所に集まっている。


 俺たちもいくか?

「兄様、がんばります」


「「【ホーリアロー】」」


 俺とヒルダの光魔法が盗賊に直撃したが、倒れたが、30秒ほど

で立ち上がってくる、あれ俺のレベル7の光魔法が怪我させた程度とは

ヒルダからの直撃を食らった方は倒れたままだ。


 サラが後ろからやってきた、どうやら囲まれているわけではないらしい

「ご主人様、光魔法は闇属性の相手には極めて有効ですが、通常は攻撃魔法

としては弱いです」


 知らなかったぜあれだけ訓練したのに、対人戦ではあまり意味ないらしい        

仕方ない変えるか。


「喰らえ【ウインドカッター】」


 今度は敵の首を一気に切断、いい切れ味だ。

サラとミラは風魔法と弓矢で攻撃だ、俺は『ウインドストーム』を盗賊に向かって

放ちつつ槍で接近戦を挑む、相手はレベル25~40の間だ、一気に殲滅する。


 俺が30人位倒した所で逃げようとするので射程のある『ウインドカッター』に

変えて攻撃続行、罠の予感もしたが、追いかけて倒す、俺の戦果が40人を超えた

辺りで戦闘は終了だ、俺の仲間と護衛がよく働いたようだ。


 折角、槍スキルが上がりそうな予感がしたのに無理だったようだ。

 

 馬車に戻りアルトハイムさんに状況を聞くと怪我人が3名だがヒルダが

治したらしい。

 

「カズマさん、ほとんど無双状態ですね、これほどとは」


「いえ、仲間やアルトハイムさんの護衛が優秀なんでしょう」


「ご主人、何か私達強くなった気がします」

「そうだな、レベルの上昇は思いの外、恩恵がでかいらしい」


 ミラとサラがが倒しすぎたので俺の獲物が減ったとは言えないし

いいか、アルトハイムさんは怪我人がいないので馬を御者に落ち着けさせて

30分程で出発するらしい、ミーナまで10キロ無いと思うが通過するらしい。


 そしてミーナを過ぎて20キロ程度の場所が野営地だ、食事を取っていると

馬車の集団がやってきた、どうやらミーナから主に水を中心に運んできたらしい。


 アルトハイムさんが指定した場所にミーナから来た人たちが運搬作業を

してくれている、彼らは補給作業だけ終わったらすぐ戻るらしい。


 これは補給を受けられる我々が圧倒的に有利だな、もしかしたら着いたら

終わってたなんて事もあるかも知れない。


 それから馬車に揺られるながら進む、途中でたまに魔物がでてくるが

みんなが倒してしまうので俺の出番はなしだ、そうこうしている内に

1週間程経ち俺たちはノースフォールの手前30キロ程度まで進軍。


 途中で騎馬部隊5千が合流したが、この村で本隊を待つらしい

騎馬部隊500程と斥候部隊が偵察に出たが問題ないだろう。


 兵士が4千人以上いるので俺たちはゆっくり眠れる

「アルトハイムさん順調ですね、これは出番が無いかも知れませんね」


 翌日になっても偵察部隊が戻ってこない、30キロ程度なら半日あれば余裕

だと思うが、仕方ないので待つ、それから2日経ってやっと偵察部隊が戻って

来たが数は半数以下に減っていて、怪我をしている兵士も多い。


 アルトハイムさんが事情を聞くと敵の別働隊と戦闘になったらしい、別働隊か

我々も一応援軍なんだからいても帝国に別働隊がいても可笑しくないが

第二王子の軍が抜かれたのか?


 その翌日、斥候に出て人間が戻ってきて戦況を教えてくれた。

 

 内容はノースフォールを包囲するように帝国軍が陣を張っており

王国軍は街の中で城壁を盾にして何とか防御に徹しているらしいが

城壁も数箇所、穴が開いていて、いつ落ちてもおかしくないそうだ。


 帝国の数は推定4万程度らしい、きっと別働隊は数に入ってないんだろう。

 

「カズマさん不味いですね」

「そうですね、しかし戦意の落ちた味方に5千で援軍に行っても

戦力の逐次投入で有利になるとは思えません」


「閣下の本隊にはすでに連絡済みなので明日か明後日にはこちらに着くでしょう」


「街が落ちないといいんですが、きついですね」


「とりあえず少し後退しましょう、今襲われると不味いです」


 アルトハイムさんの進言で20キロ程度後退することにした。

 

 騎馬部隊を預かっている伯爵は反対していたが、側近が優秀のようで何とか

納得してもらった。


 部隊を後退させて、夜間はさすがに厳戒態勢で警備に当たる

翌日11時頃に敵の部隊を発見したと報告があった


 敵は俺たちがいた村を占領したらしく数も1万以上らしい

それから3時間後に敵の軍勢が見えた、帝国の騎馬部隊と歩兵部隊で

俺がみた感じでは1万5千ぐらい、伯爵が先手を取られる前に攻撃を進言したので

俺たちも戦闘に参加だ

敵も疲れているようで初めは優位に進めていたが、1時間も経つと敵の増援が

駆けつけた、王太子は何やってんだか。


 こちらは劣勢になったの俺も本気で戦う。


「喰らえ【アクアフラッシュ】」

 敵は攻勢を掛けてきて密集しているので、一撃で10人ほど吹っ飛ぶ

それを1時間程度続けてこちらの騎馬部隊も1000人ほど脱落した所で、ついに

ギブン軍本隊が到着、敵の横っ腹から攻撃を開始した。


 敵も俺たちの殲滅に集中していたので、本隊には意表を突かれたようで

30分程で俺たちが一気に攻勢に出た、村まで敵を追いかけながら進軍、夜には

村に到着、俺は5時間程戦ったが途中でレベルが上がる音が3回以上したのは

覚えてるが、かなり暴れたのでどの程度倒したのかわからない。


「ギブン閣下お待ちしていました」


 かなり無様に騎馬部隊を失った伯爵が閣下に話しかけるが閣下の方は

何か思う所があるのか考え込んでいる。


「みんな悪いがしばし休憩をとったらすぐにノースフォールへ進軍するぞ」


「しかし兵が疲れているのでは?」

「ギブン様、少し馬も休ませませんと」


「いや、我々以上に敵の方が疲れているだろう、我々は初戦を勝利で飾った」

「斥候の話ではノースフォールはすでに落ちているようだ」


「ノースフォールがおちているですと」


 気づけよ貴族さまたち、じゃなかったらこっちに2万以上送れないだろう。

 

「このまま時間をかければ最悪街の住人や王国兵が奴隷となって我々を

襲ってくるかもしれん」


 みんな何も言わない、確かに一理あるし、これ以上敵が増えたらかなり不味い


 夜の2時まで休憩して、補給部隊には軽症の者を警備に当てて、ヒルダを筆頭に

回復魔法を使える者を30人程残し、ギブン軍は静かに進撃を開始した。


 ノースフォールまで3キロ程度迄近寄ると時間は午前4時だがギブン公の命令で

ノースフォールの南側の城壁の崩れた所と東側より進軍する。


 街に入る前にこの大軍なので敵に見つかったが敵を倒しながらノースフォールに

入れた、中は建物は崩れ、道端に人が倒れているスラムより酷い状況だ。


 俺たちはギブン公の部隊に編入されたので、暴れまくった、残念ながら閣下の

読みどおり王国兵が混ざっていたが奴隷になったら、すでに敵兵と同じ扱いらしい

躊躇うがやらないと、仲間が犠牲になる。


 帝国軍は一部の部隊を残して半月以上の戦闘で疲れた体を休めていたようで

奇襲は成功だ、日が登ってもこちらの優勢は揺るがず、戦いは続く

日が登ってから10時間ほどで敵の主力の殲滅にに成功。


 こちらもかなり損害が出たが、敵は南と東から挟まれて北側に逃げるしか無く

逃げ出した敵を一軍の様相を保てなくなり遊撃隊となった騎馬部隊が追撃を

掛けて、敵は戦闘開始時に逃げ始めた人間以外全て倒した。


 ギブン公は捕虜になる事を認めなかったので、敵も降伏できずに

決死の覚悟で挑んできた敵兵にはかなり苦労したが気力はあっても体力が無い

ようで囲んでから弓部隊と魔法師の部隊でほとんど壊滅。


「ギブン公爵、我々の勝ちは確定です、勝どきを上げましょう」


 ほう、勝どきとかあるんだな、一回やってみたかった

 

「皆のもの我々ギブン軍の勝ちだ、勝どきをあげろ」


「「「オー、オー、オー」」」


 それに続き2万以上の軍人の大歓声が10分程響き渡った

敵も諦めたらしく、武器を捨てて投降してきた、今度はギブン公も受け入れ

戦闘の終結と帝国の旗を燃やしてギブン家の紋章を広場に掲げた。


 俺も今日だけで12時間以上最前線で戦って疲れた

すでにヒルダも到着しており刀スキルもレベル8に、魔力操作もレベル9に

なった、個人的はかなり美味しい戦いだった。


 夜になっても残党刈りは続いた、まともに戦える約1万5千を2つに分けて

片方が残党刈り、片方が休息だ、その間に斥候を街中に放つ。


 俺は30分くらいしか寝れなかったが気分が高まっているのか疲れは感じない

やがて朝になり朝の6時に残党刈りは終了。


 敵兵の指揮官クラスを数人奴隷に落として、情報を聞き出し斥候部隊が集めた

情報と照合すると。


 このノースフォールは王国軍の降伏により2日前に落ちていたらしい。

 

 加えて第二王子は戦闘中に魔法師による攻撃で重症を負い街へ逃げ込んだが

敵の別働隊に補足され一介の指揮官として殺されたらしい。


 ギブン軍の生き残りは、おおまかに1万6千程で王国軍の生き残りは3千人

を下回るらし、街はほぼ半壊、敵の司令官はギブン軍が侵入と同時に逃走

それもあり敵は命令系統の不備で不意打ちを許す事となったらしい。


 街で休んでいた帝国兵は約4万以上で3万5千は打ち取れれたようだ。

 

 話をきいた後、ギブン公は王都へ伝令を飛ばし兵士に3千ずつ睡眠を取らせた。

 

 俺は最初の睡眠部隊に入れてもらった。

 

 5時間ではまだ眠いが起きて哨戒任務に当たる

「シャルどうだ、最前線で戦って気分は?」


「わたしは3回ほど戦争に参加した事がありますが、今回のように一方的な

勝利は初めてです」


「私達は戦争の経験はありませんが、生き残れてよかったです」

「そうであります」


「わたしは到着が遅れたのであまり活躍できなかった」


「ヒルダは怪我人の手当をがんばっていたそうじゃないか自信を持て」

「兄様、わかりました」


 みんな怪我もないようで良かったよ、俺も生き残るのが必死でカバー

できなかったからな。


 それから第二睡眠部隊が起きた時にギブン公がこちらに寄ってきた。

 

「ハイム俺は疲れが取れた兵6000を連れて王都へ戻る、着いてこい」


「閣下、かしこまりました」


「ダテ男爵、貴公の活躍見事であった、残存兵の指揮を委ねる故

兵の体力が回復したらカナンに戻れ」


「私が、指揮権をもってもよいのですか?」


「構わん伯爵も、子爵も死んだ、貴族の中で最高位だし、ダテ殿なら任せられる」


「微力を尽くします」


「ではまかせた、いずれ合うこともあるだろう」


 そして、起き上がったばかりの兵士を並べて、敵から鹵獲した馬も合わせて

閣下とアルトハイムさんは騎馬で王都へ向かった。


 それから兵が回復する間に様々な問題を処理していく。

幸い、アルトハイムさんがギブン公爵のサイン入りの指揮権譲渡の命令書を

もらっていたので、かなり残り2人の男爵には文句を言われたが

指揮権を行使できた、なんといっても補給部隊の死者はいないからな。


「では部隊を3つに分ける、第一部隊はシャルロッテが指揮を第二部隊はサラが

指揮を第三部隊は俺が指揮を取る」


「なんで女が指揮官なんだ?」


 うるさい男爵だ、

「【減速、30倍、5分】」


「みんな文句はないようだな、ではカナンに帰還する」


「ダテ男爵我々はどうすればよろしいので?」

「将軍ではないですか、帝国兵の一部が盗賊になって襲ってくるかも

知れないので、この街の防衛をお願いします」


 アルトハイムさんからのメモ書きに元第二王子に協力したこの街に

同情無用、またここに滞在する駐留軍の生き残りも丁寧に扱う必要無しと

言われている、逆らったら今度は俺が反逆者扱いになる。


「では出立」

 俺の号令でシャルの率いる3千が出立、20分あけてサラとミラの率いる3千

最後に俺が補給部隊と一緒に街を出た、怪我で死んだ兵士は丁寧に埋葬したし

怪我人も治すのをかなり手伝ったし、大丈夫だろう。


 諸侯が集めた兵の殆どが戦死、生き残ったのはギブン公爵の兵がほとんどだ

功を焦った指揮官の部隊は酷い有様だった。


 全体を見れば、今回は帝国と王国の戦死者の数はたいして変わらない。

 

 帰るだけなので脱走とか試みるやつは居ないし、男爵は病気だと言って

置いてきた、往路に比べると1日50キロ程度だが、20日かけて

やっとカナンが見えてきた。


 今回の戦争は下手すれば、こちらが全滅でもおかしくなかった戦いだ

力を過信しないようにしなければ。


 気合を込めてカナンに入場する。


残高:11億5千万と金貨35枚


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