第二十四話:骨のある盗賊
季節の移り変わりというのはいい物です、衣食住の3つを様々に変化
させてくれます。
最近は寝てるときも毛布をかけて寝ている、最初に降り立った大地が特殊
だったのか、日本にいる時に比べれば若干温かい程度だ。
朝俺が起きる時間になると、当然ながらみんな起きている
先に食事に行っていいと言ってあるのだがどうも俺をギリギリまで
待つのが彼女らにとってのけじめらしい。
「みんな今日も早いな?」
「ご主人様おはようございます」
「「おはよう」」
「カズマさんおはようございます」
シャルロッテにはギルドでの騒ぎのきっかけになったので、ご主人様呼びを
辞めさせたのだ、いろいろと誤解するバカが多いので仕方ない
ミラとヒルダは毎日まったりモードです。
「夜は毛布が必要になってきたな、これから寒くなるのか?」
「それほど寒くはなりませんが、年が明けて2か月位若干寒いでしょうか」
「俺がこの街にくる前にいた所はかなり暑かったんだがな」
「きっと内陸部だったのでしょう?内陸部の一部は暑いと聞いてます」
そうか、あの大地からは海は見えなかったしな、周りが砂だったから
余計に暑く感じたのかも知れないな。
「さて食事にいくか」
「「「「はい」」」」
そんなに楽しみなら先に行けよ、寝坊できないじゃないか。
いつものように俺はアニタスペシャル、最近は俺の分だけたまに具が多い
みんなはその日の気分で決めるようだ、そうは言ってもそう沢山種類もないし
別料金の物もあるので、自分の財布の都合で決めているようだ。
ちなみにみんなには基本的に月に金貨1枚渡してある、主な買い物は俺かサラ
に言って買うようにしてもらってる、サラは俺が渡した金を管理して
くれているので非常に助かる。
「さて、ギルドからの連絡待ちだといつになるかわからんし、我々も探すか」
「ご主人さまは調査は受けない方針では?」
「正式な調査は受けないけど、自分で調査する場合は問題ないだろう」
「私たちもがんばります」
ミラとヒルダは食事に夢中だがきっと聞いてるだろう
とにかくあのCランクパーティでは埒が明かないだろう、一体何日かかるか。
「ところでシャル、あの依頼はシャルが俺のパーティにいたから受けれた
と思っていいのか?」
「あの依頼はランクいくつの依頼だったんだ?」
「盗賊の調査なのでD以上ですね、なのでCランクパーティが居たのでしょう」
「俺たちはGランクパーティだよな、問題ないのか」
「正式にパーティ登録するとメンバーの実力と実績を考慮してパーティランク
が査定決定されます、私たちは正式なパーティではないので……」
「つまりシャルの実力と実績を考慮すれば俺たちもDランクパーティって事か?」
「……たぶんそうなると思います」
歯切れが悪いなギルド長になんか言われたか。
「まあいいだろう、シャルどうせ事件の繊細は聞いているだろう、話してくれ」
「はい、10日程前から公国方面に向かう商隊が襲われてという報告が
ギルドに入っているそうで、すでに何人かを調査に向かわせたようですが」
「連絡がないって事か、相手が強いのか多いのか?」
「そうなると思います」
「そうなると面倒だな、昨日のパーティじゃまた返り討ちじゃないのか?」
「ギルド長は30人位で調査に向かわせると言っていたので、全滅はないかと」
「そうだといいが、まあシャル抜きならGランクの俺たちに期待は
していないだろう、とりあえずシャルは他の連中と合流して連絡係だな」
「わたしは、ヒルダと一緒がいいのですが?」
「ヒルダは俺たちで守る、その方がヒルダの安全に繋がる
そもそも、あの連中と一緒に行動してヒルダを守りながら戦えるのか?」
「なんとかなります……」
「ならないな、きっと連中はお前を主戦力と考えているだろう、そうなると
シャルが戦っている間は居残り組がヒルダの面倒を見る訳だ」
「また奴隷落ちした時みたいに、ヒルダを人質に取られるぞ」
シャルは昨日のパーティの事を思っているのか、納得いかないという感じだ
しかし、冒険者が自分の手柄よりヒルダの保護を優先するとはとても
思えない。
「俺たちは別に手柄を立てたいわけじゃないからな」
「わかりました、ヒルダはお任せします」
「まあシャルが行かないと、ギルドも煩いからな諦めてくれ」
「ヒルダは箱の中に入っていれば、シャルでも殺すのは無理だから」
「ではみんな用意が済んだら、シャル達は出没地点と思われる街道付近で
待機だな、俺たちはその先にある村で聞き込みだな」
「「「はい」」」
シャルは納得してないようだが、他の連中が襲われた時にシャルがいない
という事態になると協力を約束した手前、厄介事になる。
シャルがギルドを脱退してくれれば問題ないんだが、生粋の冒険者として
活躍してきた冒険者としては名誉や意地があるんだろう。
冒険者ギルド前で、こちらを見つめるシャルと別れて街からでて人の目に
つかない場所まで移動後にテテにバイクになってもらい北にある村へ移動。
☆☆
「さてとりあえず、この村で情報収集するか、俺とヒルダで行動するから
二手に分かれて聞き込みしよう、1時間後にこの場所集合で」
「「はい」」
「さてヒルダ、村の人に話を聞きにいくよ」
「1時間後ってなーに?」
「そうか、まだヒルダとシャルには時計をあげてなかったね」
「これは時間がすぐにわかる魔道具なんだよ、今回言う事よく聞いたら
ご褒美にあげよう」
「ありがと」
少女を物で釣るのは罪悪感があるが仕方ない。
とにかく村の人に話を聞こう、前の連中もきっと聞き込みにきているだろう。
「すいません、最近この近くに盗賊がでると聞いて調査にきたのですが
村長さんにお話しを聞きたく、お会いできるでしょうか?」
「村長は、あの2階建ての建物にいるはずだ、この時間ならたぶんいるだろう」
「ありがとうございます」
3分ほど歩いて村人がいっていた2階建ての建物に到着、自宅にしては大きい
ような気がする、執務室いや村役場か?
ドアをノックして中に入ると数人の人が仕事をしているので、調査目的を伝え
そのまま2階へ案内される、どうやら村長さんは2階でお仕事中らしい。
「村長、盗賊の調査にいらした冒険者の方をお連れしました」
中から返事があったので、一応ノックしてから入室する
中へ10畳程度の仕事部屋で二人の男がいた、一人は老人、もう一人は若い男だ。
「お仕事中すいません、10日程前から被害報告のある盗賊の件を聞きに
きたのですが?」
「冒険者の方かまあ座ってくれ」
俺とヒルダは側にある椅子に座り話を聞く。
内容としてはこの村も直接襲われた事はないらしいが、村の外で出れないので
かなり困っているらしく、食料はあるが商売をしている村人はかなり
この事態に打撃を受けているようだ。
「一つお聞きしたい事があるのですが、ここ数日の内に大量に食料を
買っていった人はいますか?」
「確か、10日程前にパンと酒が大量に売れたと言っていたな」
「そうですか、ありがとございます」
「こちらこそたいして役に立てずに悪いな」
「では失礼します」
村長の部屋からでて待ち合わせ場所へ向かう、この様子じゃたいした情報は
ないだろう。
広場でヒルダと二人話しながら30分程まっているとサラ達ももどって来た
かなり急いで戻ってきたようで、ミラはすでにお疲れモードだ。
「どうだった何か有用な情報は聞けたか?」
「詳しい話はあまり知らないようですが、一昨日冒険者が一旦、村によってから
ミーナに向かったそうです」
「そうか俺たちと丁度入れ違いか」
「ご主人さまの方はいかがでしたか?」
「そうだな、どうやら事前にこの村で食料を買ってから、商隊を襲っている
感じだな、かなり計画的だ普通はこの程度の村なら略奪するだろうに?」
「そうですね、冒険者ギルドに目を付けられる前に用意しておくというのは
やはり何か荷物以外に目的があるのでしょうか?」
「考えられるのは特定の人か物、またはこの周辺の治安の悪化という所か」
「治安の悪化ですか」
まあこの村の南1キロ位で三叉路になっていたから、公国へいく人や馬車を
狙っているなら、その辺りで待っていれば向こうからでてくるだろう。
「とりあえず調査隊も今日はここまでこれないだろうし、宿を取って明日に
備えよう」
「「「はい」」」
宿屋は閑古鳥が鳴いている、銀貨3枚で二部屋貸してくれた、簡単に食事を
済ませ、部屋でみんなで戦争物の映画を2本みた所で就寝
ミラとヒルダはもう一本みたいと言っていたがニ本でも見すぎだ
我がままを説き伏せてサラたちは隣の部屋へ
そう、残念ながら3人が一部屋で俺が一部屋だった。
翌日、村の食事処は閉店状態なので4人で簡単に食事を済ませて村の南側で
待機、村からは400メートル程の場所だ、昔はここに三叉路があったようで
その名残の道がある、村人は現在もつかっているらしい。
朝の9時から4時間ほど待ってると、冒険者らしいのが3人程、村の方へ
逃げていく、どうやら主戦場は公国方面らしいバイクに乗って冒険者が来た
方へ向かうと100人以上の集団がいる、バイクから降りて向かうと。
どうやら調査隊と盗賊の戦闘らしい、冒険者の方は全部で40人位か
それを囲んでいる方は100人くらいいやがる、これはまずい。
よく見るとシャルが混ざっているようだが接戦だ、相手はシャル一人に20人位
で取り囲んでいる、さらに奥には別動隊付きだ、Cランクパーティとやらもいるが
ほとんど防戦一方だ、二割くらいはすでに怪我をしている。
「サラ、ミラ魔法でシャルの前方にいるやつを狙ってくれ」
「「はい」」
二人の『ウインドカッター』で盗賊が倒れるとやっと双方共に俺たちの存在に
気が付いたようだ、二人は盗賊に連続で魔法攻撃を加える、そこをシャルが
突破して近寄ってこようとするが、相手がそれを許さない。
近寄ってくる盗賊を俺も『ウインドカッター』で切り刻むが盗賊にしては
ずいぶん粘る、鑑定で盗賊をみていくと平均でレベル25前後、強い奴は
レベル45と42が二人の三名の実力者がいた、これは調査にでていた
冒険者がかえってこないわけだ、多い上に強いか。
シャルはレベル42の男二人を相手に加えて雑魚を合わせて奮闘しているが
味方の調査隊が弱すぎる、これは先ほどあった冒険者へ助けを求めて村へ
向かったか?
「おーい冒険者のみんさん、援護いたしましょうか?」
返事がない、命が危ないというのに俺が駆け出しの冒険者という事は周知の
事実らしい、冒険者のプライドってやつだろうか。
反応を示したのはレベル45のリーダーらしい盗賊の方だった
「おい貴様、こいつらの仲間なら俺が相手になってやるぞ」
「食らえ【ファイアボール】」
ぎりぎりで俺たち4人は攻撃を避ける、人から魔法攻撃を受けるのは
異世界に来てから初めてのような気がする、なかなかやる火魔法スキルは俺の
風と同じレベル6、俺も『ウインドカッター』で応戦。
「お返しだ【ウインドカッター】」
途中で相手の魔法を撃ち消しあっている、若干こっちが不利か。
仕方ない慌ててスキルポイントを振って風魔法のレベルを7に
これで残りポイントは406だ。
「パワーアップした魔法を食らえ【ウインドカッター】だ」
今度はリーダーの魔法を撃ち消したが相手は倒れない
4発程度撃ち込みリーダーの周辺のやつはほとんど事切れたがレベル45って
いうのは俺の想像以上のようだ、敵はシャルを囲んでいる雑魚以外が
俺を狙って回り込んで来た。
ペコの魔法を使うか、しかし相手は敵だけじゃない一応面識のあるやつらが
大勢いる、もったいないが『魔力操作』がレベル8だから習得可能だろう。
囲まれる前に再びスキルポイントを消費して風魔法のレベルを7から8にする。
スキルポイントは358に減ったが習得できた。
「小僧、残念だが俺たちにはかなわん、死ね!」
8人程斬りかかってきた、2人はサラとミラが魔法で怪我を負わせ、残り
6人の内、一人に短剣で応戦、どうやら相手の方が武器を使い慣れている。
俺はむかってくるレベル42のやつに『ウインドカッター』を撃ち込む
「真打登場だ、食らえ【ウインドカッター】3連」
風の刃が盗賊たちを切り刻む、通常ならばスキルポイントを192必要と
いうだけはある、レベル8の威力はレベル6の数倍、レベル7に比べても
格段に威力が高い。
これは火魔法にすれば対人戦においてアドバンテージになっただろう
コントロール重視の風ではなく殲滅力のある火魔法に振るべきだったか?
「続けていくぞ、【ウインドカッター】6連」
6連攻撃を10セット続けると、レベル42の男と盗賊の雑魚50人位は倒れた
残りは敵のリーダーを含めて30人位、シャルももう一人の高レベルと互角以上
の戦いをしている。
ヒルダをサラとミラに任せて、俺だけ敵のリーダーに近くまでいく。
周りは怪我したやつや体が吹き飛んだやつなど様々だ。
ペコの魔法の『アクアフラッシュ』のように吹き飛ばないが威力は十分だ。
「どうする、あんたがリーダーなんだろう?」
「……くそ、俺たちが負けるなんて、聞いてないぞ」
「俺は盗賊の殲滅が目的だが、ギルドの目的は捕獲らしいからな、おとなしく
捕まるなら命までは取らないぜ」
俺って今の決まった、きっといい感じだったはず、サラとミラを見ると
反応が今一つだ、やはり俺にハードボイルド系は無理があったか
しかし先ほどレベル9にあがったし、大目に見てやろうスキルポイントも
458悪くない。
シャルの相手も観念したのか抵抗をやめている、俺たちだけで殲滅しては
ギルドでの印象が悪すぎる、まあ相手次第だが。
しばらくリーダーさん、俺の勝手な呼び方だが諦めたように部下に合図して
武器を捨てさせた、投降の意思表示らしい。
「じゃあシャルロッテ、強そうな奴は縛ってあげなさい」
シャルがレベル42と45のリーダーさんに手錠のような物を取り付ける
リーダーさんは魔法の使い手なのに手錠だけで大丈夫なんだろうか?
「みなさんも拘束リングを盗賊にかけてください」
拘束リングとな、この世界では手錠とは言わないらしい
他の冒険者も何か盗賊の了解を取りながら手錠を嵌めていく、シャルもそうだが
この世界には刑事が犯人に手錠をかけるときのように決まり文句があるのだろうか
盗賊は拘束リングを付けられると、諦めたように座り込んだ、こいつら諦めが
良すぎるような気もするが指揮官が捕まればこんな物か。
「シャル、敵のリーダーと数人は魔法を使えるようだがその拘束リングだけで
大丈夫なのか?」
「はい、これを付けられるともう攻撃魔法を放つ事はできません」
うわ、何その呪われたシリーズのような物騒な代物は
つまり手錠を持って近寄って来る相手は倒すべき敵確定ですね、心のメモに記録と。
「シャルこいつらどうやって護送するんだ?」
「そうですね馬はいるので、近くの村で馬車を貸してもらって護送します」
「そうか、では俺たちの仕事は終わりだな帰るか?」
「シャルロッテさん、けが人もいますし盗賊の護送は俺たちだけだと……」
「一緒に護送任務お願いします」
どうやらコテンパンにやられた用でシャルに抜けられるのが怖いらしい
敵も新手がいるかもしれないからな、俺もリーダーさんとは話してみたいし
着いて行ってやるか。
「シャル仕方ない、おれたちも護送任務に加わろう」
「ありがとうございます、カズマさん」
それから1時間ほどかけてヒルダがけが人の治療をして、残りは穴を掘って
死んだ者を埋める、盗賊の死体は65かなり手間がかかったがなんとかなった
冒険者の死亡数は5人、村に連れ帰って供養するそうだ。
盗賊たちを護送して村へ到着、どうやら応援を出すか、話し合っていた
らしい、俺たちが到着するとホットしたのかみんな武器をもったまま
座り込んでしまった、こういうやつも戦争にいくんだろうか。
ヒルダの回復魔法で傷はいえたが、体力はほとんど残ってないので
村で一泊する事になった、2名が馬でミーナに伝令だ。
「4人は宿屋で眠りなさい、俺はまだ元気なやつらと一緒に見張りを
しながら休むよ」
「カズマさんだけ、わたしも野営にお付き合いします」
「疲れているだろう、それに男ばかりだからな、部屋でやすみなさい」
「かしこまりました」
俺はみんなと別れて盗賊たちと護衛の冒険者のいる広場に来た
冒険者の埋葬は村人が協力してくれたおかげですでに終了したらしい
冒険者は葬式のような事はしないようだ。
盗賊は32名、ヒルダが治療したのだろう、みんな大きな外傷はない
護衛の冒険者が10人、炎の周りに固まっている、冒険者は毛布があるが
盗賊は無しだ、どうせ奴隷落ち確定という事だろう。
俺はリーダーさんに近寄って話しかける
ちょっと嫌そうな風だが抵抗できないので仕方ないのだろう。
「悪いな、俺もあんたたちに恨みはないんだがな、あんたは俺に恨みが
できちまったな、すまんな」
「構わないさ、俺たちも同じ事をしてきたからな」
「話がわかるな、あんたとはちょっと話がしたかったんだ、酒飲むか
犯罪奴隷に落ちたら当分飲めないだろう、格別のやつ奢るぜ」
「俺だけ飲むわけにはいかんな」
「そうかじゃあ16本程提供するから、二人で1本仲良く飲んでくれ」
囚人となった盗賊の前に蓋を開けたウイスキーを置いておく
ちょっと怪訝な感じだったが、交互にウイスキーを飲み進めていく。
「ほい大将、俺たちもやろうぜ、蒸留酒だ温まるぞ」
「悪いな、もらおう」
護衛達が恨めしそうに見てるが、おまえたちが飲んだら見張りがいないだろう。
それから30分ほど軽く話をして本題を切り出す
近くには誰もいないし問題ないだろう。
「ところで大将、あんたの依頼主はどこの誰なんだ、貴族かどこかの国か」
リーダーさんは瓶を置いて、少し考えるようにしてから答える。
「俺たちの独断だ!」
「そうか、俺は帝国あたりが絡んでいたと思っていたが、あんたがそういうなら
そういう事にしておこう」
「高レベルで実戦経験も豊富そうで、火魔法の使い手か、もったいないな」
リーダーさんはだまったままだが、言い返したいのを堪えているようなので
追及してもしょうがないだろう。
「悪いな変な事を聞いて、まあ口直しに甘い菓子はどうだ?」
「これはチョコっていってな疲労回復にはもってこいだ」
そう言って、200円の板チョコを32枚、盗賊らしきやつらに渡す
運の悪いやつは最後の晩餐だろう。
あれだけ殺しておいてなんだが冒険者よりこの盗賊もどきの方がいい目を
している、きっと元は兵士なんだろう。
毛布はかけずに木にもたれかかりながらその夜は特に退屈せずに時間が
過ぎていった。
残金15億8千万と金貨2枚




