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音速異世界爆走記  作者: 風間サトシ
第一章
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第二十三話:冒険者ギルドでの揉め事


 ミーナに戻りその翌日、食事をしながら5人で今後について話す。


「これからどうしようか?、まずヒルダのレベルを上げるのは必須だよな」


「そうですね、シャルの話を聞く限りヒルダちゃんを人質に取られて降伏

したらしいですから、また同じ事になる可能性が大きいですね」


「ご主人、ミラもレベル5は低すぎると思います」


「とりあえず武器と防具注文して、その後にダンジョンにいくか?」


「ヒルダにダンジョンはちょっと早いかと……」

「そうやって過保護だから、斧スキルレベル8もあって捕まるんだよ」

 

 そうこいつシャルロッテはなんと斧スキルレベル8に槍スキル6という

ハイスペック盾的存在なのだ。


「ご主人様、なぜ私のスキルレベル迄、わかるんですか?」

「だって見えるし」


「ご主人さま、普通はギルド等でもスキルは見えますが、レベルは見えません」


「そうか、どこも自己申告なんだ、レベル10とかいやつも居そうだな」


 食事が終わって早速、買い物に出かける

しばし歩くと、金属を叩く音が聞こえてくる武器作ってるのかな?


「おやじさん、制作中じゃあなかったんですか」

「あの音か、昔の仲間が来て仕事部屋かしてくれってうるさいから

貸してやってるのさ」


「おやじさんの仲間なら腕が立ちそうですね?」

「まあ、俺にはかなわんがな」


 そういって豪快に笑う、よく見ると鍛冶スキルがレベル8の他に刀鍛冶

スキルレベル5っていうのが増えてる、刀鍛冶か流石基礎の鍛冶スキルが

高いと、付随するスキルのレベルが上がるのが早いな。


「おやじさん、今日は後ろの二人用の武器を買いにきたんですよ」


「ほう見ない顔だな、新しいパーティメンバーか?」


「そんな感じです、ハルバードってありますか?」


 シャルロッテは何故、斧と槍スキルが高いかと言うとハルバード

をメイン武器にしていたらしい、かなりの有名人だそうな。


「確か地下室にあったはずだ、ちょっと待ってろ」


「それでヒルダは武器は何にするか、決まったか?」

「わたしも持たないとダメですか?」


「当たり前だろう、多少攻撃魔法が使えるとはいえ接近されたら武器が

あるとないとでは全然違うからな、加えてお前はヒーラーだしな」


「じゃあ、あの壁に掛かっている剣でお願いします」


 エストックか、まあ振り回すよりいいだろう。


 おやじさんが武器を持って戻ってきたので、話の続きをする。


「おやじさんハルバードなんて、よくありましたね」

「ああ、こいつは使うのが面倒らしくてな、あまり売れないんだ」


「ではそれと、あと壁に掛かってるエストックを頂けますか」


「おう、ところであんちゃん達は防具はいいのか?」


「防具ですか、たしかに二人増えましたし必要ですが、ハルバード使い以外

は基本魔法師ですので動きやすく、軽めのがいいですね」


「そうか、前に防具店の主人がなシルバーエレファントの素材で作った

防具を見せてくれたんだが、お前さんたちに会うと思ってな」


「そうですか、何か良さそうな素材を手に入れたら持ってきますよ

期待しててください、かなり戦力上昇してますし」


「そうか、じゃあ防具屋の主人にも伝えておくぞ」

「今日の代金だが、ハルバードとエストックそれに嬢ちゃん達が使う弓矢

1000本とレザーアーマーのセットを2つ加えて金貨60枚でどうだ?」


「それでお願いします、いつもすいませんね」


「いいって事よ、また来なそん時に修理した刀返すぞ」


「では次来た時に宜しくお願いします」


 そういって、武器屋を去り街へ繰り出す女の子お待ちかねの買い物だ。


「じゃあサラ、金貨80枚渡しておくから、二人の服と足りない物

なんだったら仕立て屋に寄ってもいいぞ、後は小物を見繕ってやってくれ

勿論、サラとミラの分も買っていいぞ」


「ご主人太っ腹です、ミラ感激です」


「俺はヒルダとギルドに登録してくるから、終わったら宿に集合で」


「ご主人様、言い忘れましたが、ギルドカードを捨ててしまったので

わたしもギルドへ一緒によろしいでしょうか?」


「じゃあサラ、ミラと二人で小物だけ買ってきてギルドで集合で」


 そして二人は買い物に行き、俺とシャルロッテとヒルダは冒険者ギルド

へ歩いていく、捨てるなよギルドカード、名前が売れてるんじゃ仕方ないか。


 三人でギルドへ到着、昼前の穏やか感じがして、人も少ない

登録カウンターに向かい、またおじさんですが話しかけます。


「すいません、新規登録一名とギルドカードを無くした連れに再発行

お願いします」


「おう新規登録はそのちっちゃい姉ちゃんか?」

「はい、12才なので問題はないかと」


「そうか、字は書けるか?」

「もちろん、かけるもん」


「じゃあこれに記入して、持ってこい、姉ちゃんは奥のカウンターだ」


 シャルが奥に行きヒルダが書類に記入する、回復魔法の天才とか記入する

もんだから、ちょっと弄って、そこそこ使えるに書き換える

どうやら自慢したい年ごろらしい、目をつけられたらどうするつもりやら。


「ほう、武器は剣で回復魔法が使えるのか」

「よし、すぐ発行してやるから、ちょっと待ってな」


 椅子に腰かけてヒルダとまったり待つ、シャルの方はなにか説明に

手間取っているようだな、15分程度のスピード発行、カードを受け取り

シャルの方へ向かう。


「シャル再発行問題なさそうか?」

「ちょっと時間がかかるかも知れません、かなり長い期間依頼をして

なかったので」


 そうか登録抹消か俺たちもそろそろ依頼を受けないと危ない

薬草採集でも受けておくか、どうも一か月ってのは短いよな。


「俺たちもGランクの採集の依頼でも受けておくか?」


「ご主人様はGランクなのですか?」

「そうだよ、ヒルダと一緒だよ、違うと思ったか」


「いえ、もっと高ランクかと思いました」

「あまり冒険者らしい事はしてないからな、仕方ないか」


 そうこう話をしている内に女性職員がきて、シャルに話しかける


「シャルロッテ様、ギルド長が依頼をできなかった訳を聞きたいと」


「面倒じゃないか、別に一緒にGランクからでもいいんじゃないか?」


「それはダメです、Aランク冒険者をGランクに簡単に落とすなんて

できません、ギルドの信用にも関わります」


「シャルってAランクだったのか?」


「知らなかったんですか?」


 なんか職員が俺を可哀そうな動物でもみるような目で見てくる

そんな細かい話まできいてないし、たいしてギルドランクとか興味ないし。


「じゃあヒルダは見てるから、シャルはギルド長とやらと会ってこい」


「ではシャルロッテ様ギルド長室までご案内します」


 やけにシャルには対応が丁寧だ、これが高ランク向けの対応というやつ

だろうか、商業ギルドでいう所の行商人と大商会程度の差があるわけだから

対応に差があっても仕方ないか。


 シャルを見送り、ヒルダと二人で待つこと30分程度でサラとミラが

ギルドに到着した、4人で買い物の話を聞きながらシャルを待つ。


「おまたせしました」

「シャルどうだった、降格あたりで済んだのか?」


「いえ、Aランクでギルドカードを再発行してもらいました」


「話のわかるトップだな、その金色のがギルドカードなのか」

「はい、そうなります」


 淵は赤いがアメックスのみたいに金色だ、ちょっと羨ましい。


「とりあえず、服だけ注文してラーナのギルドで依頼を受けとくか?」


 出ていこうとすると職員が呼び止める。


「依頼を受けて頂けるなら当ギルドでお願いしたいのですが」


「うーん、その後にダンジョンに潜る予定なんだよ」


「ではシャルロッテ様だけでも依頼を受けて頂けないでしょうか」


「どうするシャル、こっちは構わないよ」

「わたしはもうヒルダから離れません」


「まあそう言う事でごめんね、依頼は他の方にお願いしてもらえるかな」


「今実力者の方は丁度ミーナにいないのです、なんとかなりませんか」

「わたしはギルド長に便宜を図ってもらったし……」


 なんかシャルが俺の方を見ながら目で訴えているがGランクだしな

旨味がないだろう。


「でも俺たちGランクだしな、受けられないだろう、きっとそうだろう」


「この依頼は特別依頼ですので、Aランクのシャルロッテ様のパーティ

なら問題ありません」


「悪いがこのパーティのリーダーは俺だ、シャル様のパーティじゃない」


「……では無事依頼を達成して頂けた暁には他のみなさんもランクFに

昇格しましょう」


「Aランクに無理に頼み込む依頼を受けてランクFじゃ、割にあわないな」


「ではランクDでどうじゃ、お主ら」


 なんか偉そうなやつがでてきましたよ。


「ちなみに依頼の内容と期日を聞いていいですか?」

「内容は最近ミーナ周辺で相次ぐ盗賊被害の調査とその対象の捕獲です」


 調査と捕獲どっちもきついな、特に盗賊の護送なんてできんよ。


「残念ですが、殲滅でいいなら受けてもいいですが、捕獲は無理、無理でーす」


「他にもCランクパーティーを三つ程参加させますけど」


「余計無理ですね、我々のみ、簡単な調査および敵主力殲滅、逃げた者は

追撃不要とこの三点を飲んで頂ければ、お受けしましょう」


「それはちょっと無理じゃありませんか、いろいろな意味で」


 この女性職員Gランクを遠回しに馬鹿にしてるな。


「どうも交渉決裂のようですね、ではみなさん失礼します」


 出ていこうとすると、受付付近にいた男が5人ほど寄ってくる

なんか出ていくのを阻止しているような、ギルドのお馴染みさんか。


「きさまGランクなんだろう、Gランクの分際で俺たちが邪魔なような

言い方じゃないか?」


「みなさんが依頼を受けるCランクパーティの方ですか?」

「そうだ、貴様なんかいなくても問題ないぞ」


「ではみなさんで依頼を達成すればいいじゃないですか」


「ちょっといろいろあってな、俺たちの足を引っ張らない助っ人が

欲しかったんだ、お前は別にいらないぞ」


「困りましたね、ギルド職員の方も我々が冒険者に絡まれても無視ですか

この解決策は、いらない扱いされた私には一つしか思いつきません」


 周りの視線が俺に向いている、言ってみるかどうせ本業じゃないし。


「ではシャルロッテを含めて、5人は冒険者ギルドを脱退するという事で」


「商業ギルドの会員ですし、身分証には困っていないので」


 冒険者の顔が高揚してるのか、赤くなっている

これは一時撤退は仕方ないか。


「シャルロッテに辞められるのはこちらとしても困る、なんとかならんか」


 ギルド長らしき人が言葉をかけてくる、どうやら大事なAランクのシャルに

抜けられるのは痛手のようだ。


「貴様さっきから聞いてれば、ギルド長やシャルロッテさんが気をつかって

いると言うのにヘラヘラと、決闘だ」


「冒険者ギルドの規約は図書館で読みましたが、決闘なんて規則はありませんが」


「怖いのか、なら黙ってろ」


「この状況では話し合いだけでは、決着が着かないようですね」

「ではそちらから一人と私が戦いましょう、生死不問でいかがですか」


「いいだろう!」


「ギルド職員の方には審判をして頂けますか?」


 ギルド職員はみんなで顔を見合わせ傍観者状態だ、こいつらダメだ

役に立たんな。


「ではここでやりますか?」

「裏の訓練場へいこう」


「訓練場ですか、そんなのがあるんですね、わかりました」


 訓練場とやらに移動を開始する職員はだれも止めないようだ、非公式だが

慣習のような物かも知れない、メンバーには小声で声をかけるなと言ってある。


 訓練場に着くと、先ほどの騒ぎを聞きつけたのか30人程の見物客がいた

こいつら仕事しろよ、まだ陽がくれるまでかなりあるぞ。


「じゃあ俺が出る」


 木刀を持って男が出てくる、俺も木刀を取り前へでる、ダンジョン内で

感じたことだが、俺はこの異世界に来てレベルはまだ8だがかなり

強いと客観的に分析している、魔法なしでもシャルといい勝負だろう。


「では審判合図をしてくれ」


 男性のギルド職員が嫌そうだが、俺たちの前にきて簡単な注意事項を

言って一旦距離を取る。


「では始め」

「いくぞGランク野郎」


 お前も昔はGランクだったろうが人を見下すな、とりあえず魔法なしで

様子見だ、木刀は久しぶりだが何とかなるだろう。


 男は正面から面を取る要領でまっすぐ突っ込んでくる、軽く左によけて

俺の右を通り過ぎた男に向かって振り向きざまに一撃加えてみる。


 流石に腕に自信があるだけあり、簡単に受け止めた。


 Cランクっていうのはその辺の兵士より強いらしい、相手の攻撃を受けながら

試合の展開を考える、相手はそれほど強くない『加速2倍』程度で楽勝確実

しかし、この程度の相手にスキルを使うのもいかがなものか?


「守ってばかりじゃ、そのうちくたばるぞ」


 そういいながら連続で撃ちこんでくる、連撃という程ではないが厄介だ

事前に命のやり取りは禁ずると審判に言われてるのでペコの魔法は使えない。


 さらに相手は純粋な格闘家のようで魔法を撃ってこない

これではこちらも魔法を撃ちにくい、今回の決闘の目的は実力誇示にある。


 一旦後ろに引いて、練習していた抜刀の構えに入る。


「おいおい木刀しまっちゃ勝てないぜ」


 近寄って撃ち込んで来る相手に向かってダッシュして相手の胴を目掛けて

一閃、いい手応えだ。


 倒れる相手を後ろに感じながら振り向くと、上手く決まったようだ。


「意識が無いようなので、審判終了でよろしいのでは?」


 審判役の職員がちょっと躊躇っていたが。


「勝負あり」


 歓声が無しですか、GランクがせっかくCランクパーティの一人を倒したのに

元々期待してないしいいでしょう。


 ちょっと偉そうに周りを見渡した後に一拍入れてから。


「お互い色々行き違いがあったようですが、盗賊の調査の依頼は受けない

討伐時に戦力に不安があった時のみ戦闘に我々が加わるという事で」


「みなさんご異存ありませんね、もちろん今回の昇格は無しで結構です」


「わかった、今回の事はギルドにも不手際があったしな、仕方あるまい」


 さて、これでダンジョンに行くのが遅れるが仕方ないか。


 連絡場所だけ伝えなおして、俺たちはギルドを去った。





残金:15億8千万と金貨10枚


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