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音速異世界爆走記  作者: 風間サトシ
第一章
22/81

第二十一話:帝都オリオン


 ダンジョンに戻るつもりだったが、二人が別に急がないというのでミーナ

で滞在する事になった、


 暫く歩くと潮風の満腹亭についたが知らない女性が店番をしていた。


「すいません、部屋は空いてますか?」

「ごめんなさい、満室なんです、商隊の方が先日到着しまして」


 もう満室かまだ10月だろうに、こちらの冬は長いのかな

他を探すか、二人には宿を探しに行ってもらおう。


「そうですか、空いてないなら仕方ありません、では他を探します」

「ごめんなさいね」


「サラ、ミラと一緒に宿を探してきてくれるか、見つかったら集合で」

「はいではいってきます」


 宿を出て、とりあえず駄馬がまだいるか厩舎に向かうとアニタちゃんが

馬たちの世話をしていた。


「アニタちゃん、お手伝いがんばってるね」


「お兄ちゃんお帰りなさい」

「働き者のアニタちゃんにはお土産もってきたよ、ブローチだ」


「わー可愛い、ありがとう」


「じゃあ俺は宿探すから、またね」

「お兄ちゃん、他の宿に泊まるの?」


「今聞いたら、部屋が空いてないんだって」

「お兄ちゃんついてきて」


 アニタちゃん続き再び宿に戻るとすぐに女将さんが出てきた


「ごめんなさいね、カズマさんの事を言っておくのを忘れてたわ」

「前の部屋は空いてないけど、代わりに三階の部屋を取ってあるわ」


「すいません、いつ戻るかわからないのに部屋を取っておいて頂いて」


「気にしないで、それで前と同じで30日分でいいのかしら?」

「はい、それでおねがいします、連れは他の宿に部屋が空いてるか

聞きにいっているので、三人でお願いします」


「3階の部屋は冒険者パーティ用に用意してあるから、6人部屋だよ」

「一泊小金貨1枚だけど、前と同じ条件でいいなら、一部屋銀貨7枚

食事が大銅貨2枚で合わせて……」


「女将さん、部屋代の割引はうれしいですが、流石に食事は割り引いて

もらうと悪いので3人分、一日大銅貨9枚支払いますよ」


「そうかい、じゃあ金貨2枚と小金貨3枚銀貨7枚だね」


「はい、ではこちらをお受け取り下さい」


「確かに、ではこれが鍵だよ、三階の一号室ね、右の角部屋だよ」


 鍵を受け取り、とりあえず宿を探しにいった二人を食堂で待つ

携帯ないのは不便だな、30分程するとふたりとも戻って来た。


「ご主人さま、空いてる部屋を見つけてきました」

「わざわざごめん、実は部屋を事前に取っておいてもらったらしく

また満腹亭に厄介になる事になった」


「悪かったね、探しに行ってもらったのに」

「いえ、問題ありません」


「じゃあ部屋に行こうか、部屋は今度は三階らしい」


 みんなで部屋に行き、ソファーに座ってまったり。


「ララ、ミミ、テテおいで」


 サラが呼ぶと三匹のリスがソファーの上に乗る、三階の部屋は一人用の

イスではなく三人掛けのソファーが二つあるらしい、座り心地もいい

これで小金貨1枚では安すぎないだろうか?心配だ。


「さて宿取ってしまったけど、またダンジョンに行くか?」


「いえ、私たちもレベル20に成りましたし、今のところスキルポイントを

使う予定はないので、次の機会でいいです」


「そうか、じゃあしばらくはまたミーナを拠点に活動するか」


 ミラがリスと遊んで話を聞いていない、まあ後でサラから聞けばいいだろう。


「そういえば、ララとミミは帰り道は鞄の中にいたのか?」


「いえ、ララとミミは箱の中に入ってもらいました」


「箱ってテテの後ろについてる荷箱の事?」


「そうです、あの中は意外と居心地がいいんです」

「居心地がいいって入ったことがあるのか?」


「はい、前にミラが逃げ出した時に箱の中に逃げ込んだので

追いかけてわたしも中に入りました」


「二人も入れるんだ、すごいな」


「あれ、詰めれば10人くらい入るよ」

「ご主人さま、快適に過ごせるという観点からいくと、箱の中には

二人位が妥当ではないかと」


 荷箱は魔法の鞄と同様か、人間が入れるという事は一段上か

まだまだ検証してない事があるな、複数人乗れるなら奴隷を増やすか

いいかも知れない3人だと一人怪我するだけで崩れるからな。


「テテに沢山乗れるなら、奴隷を増やすか?」

「ご主人、ミラとおねえちゃんだけじゃ不足です?」


「この前もミラが戦闘中に怪我して大変だっただろう」

「面目ないです」


「わたしもパーティを組んで戦闘するなら5人か6人いた方がいいと

思っていました」


「じゃあ今度探しにいこうかな」


「なんで奴隷なんです」

「奴隷じゃなくてもいいけど、その代わりもう動画とかみれなくなるぞ」


「奴隷でいいです」


 俺も奴隷には拘らないが、秘密が多すぎるから仕方ないんだよ

前の奴隷商は今一だったし、期間もそんなに経ってないしどこの

奴隷商にするか、紹介状なしでもいいか。


「サラ、この時期に質いい奴隷はどの辺に集まるんだ、やはり王都かな?」


「王都なら私たちのいた規模の奴隷商がいると思いますが、女性奴隷を

希望でしたら……」


 その間が怖いですよ、たしかに女性奴隷のつもりでしたけどね


「帝国領がよろしいかと、丁度税金が払えなかった人が奴隷になって

いる頃かと思います、以前に帝国出身の方に聞いたことがあります」


「帝国領か、戦争前に奴隷を安く売ってくれるのか」


「ご主人さま、この時期帝国は北の小国群に戦争をしかけて奴隷を集めるのが

常套手段らしいです、加えて国内の貧しい村での徴発でかなり集まるようです」


「やり放題だな、よく周辺諸国から攻め込まれないな」


「帝国領の南側は山になっているので大軍で攻め込みにくいそうです」


 天然の要害か、北部の弱い勢力から奴隷を集めて南に攻め込む

帝国との戦争にはエルミール王国も逃げる訳には行かないわけか

一応貴族になったし、当主としては公国の援助目的で参戦するべきだよな。


 よく朝、久々のアニタスペシャルを食べてからすぐにでかける

サラに聞いた話ではもう奴隷オークションが始まっててもおかしくないそうだ。


 街から出て、とりあえず帝国領を目指す、場所はトレミー帝国の帝都

オリオンというらしい、一応確認の為に一旦北上してエルミール領を進み

西側に海がみえなくなったのを確認してから北東に進む。


 2000メートル級の山々がありますねこれは大軍で攻め込むのは

きつそうだ、流石に2000メートルも飛べないのでヘルメットを被って

街道を走行、途中人に出会ったが当然無視です時速80キロ程度で道を進みます。


 そしてようやく帝国領のが見えてきた、ここから帝都オリオンはまでは

平地なので浮かんで爆走。


 1時間程でオリオンらしき都市がみえてきたのでテテを肩リスにもどして

帝都を目指す、できていた列の後ろに並ぶ、仮想敵国の貴族証じゃ逆効果だろう

列は結構テンポよく進むが、200人以上いるのでなかなか順番がこない。


 並ぶこと1時間半ほどでやっとお呼びで有ります


「冒険者か、入国目的は?」

「はい、奴隷オークションが開かれると聞いたのでやってまいりました」


「G級が奴隷か、まあいいだろう三人で小金貨3枚だ」


 お金を払って都市の中になんか異様な熱気だ、これはもう始まってるのか?


 20分ほど歩いて酒場があるので、酒を注文して奴隷オークションの事を聞くと

明日から3日かけて大規模に行われるらしい、それでこの熱気かうなずけるぞ。


 おすすめの宿に向かう、すでに札幌雪祭り前夜状態らしいのですぐ空き

がなくなるらしい、ちょっと古めかしい宿に着き空きがあるかきく。


「部屋はあいてますか?」

「悪いな、ちょっと満室でな、それでな……」


 そういう訳ね、ローブの下から金貨2枚取り出して、おやじに渡す。


「そうそう、一部屋だけ空いてたんだ、好きなだけ泊まっていってくれ」


「そう言っていただけてありがとうございます、時に奴隷オークションは

明日からだと聞きましたが、昼ごろからですか」


「2の鐘から北側の広場で行われる、今回は規模がすごいらしいぞ」

「ありがとうございます」


 三人で指定された部屋にいく、鍵はなくベッドは二つでしかも小さめだ

酒場の主人が勧めたのもわかる、これでは余裕のあるやつは泊まらないな。


「酒場の主人の話では治安が今は特に悪いらしいが二人は予定あるか?」

「ご主人さま、今日は部屋にいたほうがいいでしょう」


「ミラはアニメ見放題がいいです!」


「今日は好きにすごそう」


「「はい」」


「ご主人、お話もうみちゃいました新しいのをお願いします」

「前に10本以上やっただろう、もうみんな観たのか?」


「とっくの昔に終わってます、好きなやつを見返して耐えていたんですよ」


「仕方ないな、狭い部屋の中でできる事も少ないし20シリーズ程おくってやる」


「今日は映画を見せてやろう、これは2時間くらいかかるぞ」


「うれしいです」


 仕方ない、女性が活躍するのを20シリーズ、映画を5本程おくってやる

これで当分大丈夫だろう。


「サラは何か送ってほしいのあるか」


「私はこのアプリケーションソフトというやつを勉強します」

「サラ凄いな、もうシステムを理解しているのか?」


「はい、私は『星の改変』を使う際に物の知識の一部が頭に流れ込んで

くるので結構物知りだと思います」


「ソフトならいくらでも使っていいぞ、使用できそうなソフトを渡しておこう」

「ありがとうございます、頑張ってこの娘を使いきれる用になります」


 俺はミラに動画を送ってやった後、先ほどの酒場に向かって周りの話を聞き

ながらボトルで頼む、前はバイクに乗るのであまり酒は飲まなかったんだが

こちらの世界ではジュースが少ないので水以外だとだいたい酒になる。


 店の中は20人位、昼過ぎにしてはなかなかの盛り上がりだ。

マスターに話を聞きながら、適当に周りの会話も拾っていく


「マスター今回の奴隷の数はどのくらいなんだ」

「そうさな、ざっと2万人って所か」


「ほうずいぶん多いな2万人も捌けるのか?」

「だから3日もかけるんだろう、まあ戦闘力のある男は戦争いきだけどな」

「そんなもんか、じゃあ明日からの奴隷市は女性の方が多いわけか」

「そうなるな、がんばれよ」


 耳を立てながら酒をのんでいると、さまざまなやつの自慢話が聞こえてくる

金貨10枚用意してきたとか、100枚用意してきたと自慢するやつ等。


「おれはエルフを手に入れるぜ」

「お前エルフは高いんじゃないか」

「俺は20代の女だな」

「俺は戦力になる男がいいかな」


 みんな適当にいってるが、エルフいるんならあってみたいものだ

その後2時間ほど粘ったが、それほど多くの情報は聞けなかった。


「サラ今戻った」

「ご主人さま、おかえりなさい」


「近場の食事処を見てきたが女連れでいくような感じじゃなかったな」


「では部屋で食事にしましょう」


 今日は安宿だから匂いの強い物はダメだから、あえるだけシリーズの

明太子パスタとサラダに一番搾りだ。


 明日だめなら明後日狙う奴隷の話をしながら、明日は早いので寝る事に


☆☆


 朝1の鐘、6時に起きて、栄養剤だけ飲んで広場に向かう

だんだん人が増えてきて広場前はもはや夏コミの開場前のような人と熱気で

包まれている、すごい客の数だな、5千はいるぞ。


 特に俺も周りのやつも並んでいるわけじゃないんだが、前に進めない

2の鐘がなると、どよみきと共に先頭集団が動き始めた

まるでマラソン競技のようだ、ついた先はスタジアム位ある建物で

建物内には鎖に繋がれた奴隷たちがいた。


 その数軽く、東京ドームの観客数と大差ないだろう、2万どころか5万

近くはいるだろう、よく集めたもんだ。


「二人は俺から絶対離れるなよ、ララとミミは鞄に入ってろ、テテは機動倉庫だ」


 鑑定様の本領を見せる時がきた、奴隷市は大まかに値段別に分かれていて

上は金貨1000枚以上のグループから、下は金貨10枚以下のグループまで

実に8グループ位に分かれている。


 男性奴隷は少ないと聞いていたが女性に比べれば半分もいないが、結構いる

子供や老人までいるし、なんでもありだな、手ごろの金貨100枚ラインの

奴隷たちに鑑定を使うが、ユニークスキル持ちはいない。


 さてどうしたものか、時間をかけるといいのはいなくなってしまうが

とにかく鑑定鑑定していると男が声をかけてきた。





残金16億2千万と金貨65枚


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