第二十話:肩リスとミーナ一への立ち寄り
こちらに来てから寒さを感じたことがない、この感覚は熱帯間違いなし
目指せ冬バカンス。
とりあえず刀を修理する為にラーナに戻る為、5層目のポータルを目指す
パルチザンで攻撃するが、やはり槍は戦争で活躍するだけはあります
高い攻撃力と貫通力、いい武器だった。
ポータル迄戻るのに、2時間程かかってしまった、ラーナに戻って
開いている武器屋に大刀の修理を聞いてみたが、良い返事を聞かない
『預かってもいいが、期待するな』そんな事を言われては預けられない
時間も夜なので、宿にとりあえず泊まる
今日は魚の気分だが、海から距離があるので魚は鮮度が悪いとの事なので
安全に肉料理、魔物の肉らしいが、聞くと食欲がなくなる可能性があるので
スルーです、そろそろマグロの刺身かうな丼が食べたいな。
「ご主人、あまりお腹減ってないの?」
「まあ、適度に減っているけどね」
「ミラは毎日美味しそうに食べるね」
「だって美味しいし、まともに食べれない日が沢山あったの」
「サラは奴隷落ちして、どの位で俺と出会ったんだ?」
サラはちょっと遠いを見る目で考えながらゆっくり答え始めた。
「去年の今頃、住んでいた所を逃げ出して妹と二人で小さな村に暮らして
いたんですが、傭兵崩れの集団に村が襲われてにげだしたのですが
行く当ても無く、森の中に歩いている時に奴隷商達につかまりました」
「それは大変だったね、傭兵に奴隷狩りかこの国もいろいろあるんだね」
「ご主人様のいた国はなかったんですか?」
「なかったよ、呼べばすぐに衛兵が来たし、奴隷いなかったしね」
「そんな国があるんですね」
奴隷狩りか前に酒場で聞いた感じだと組織的やっているようだけど
つまり奴隷が今は買い時なのかな?
「では、湿っぽい話をしてもらったし、改変スキルの検証だけしよう」
部屋でとりあえず持ってきた携帯を試しにやってもらうか。
「じゃあこれを改変してもらえるかな、失敗されると今夜は眠れない」
「えーーこわしちゃいけないんですか、……努力してみます」
「【星の改変】」
光の中から携帯を取り出して、もう一つはラジオだった
慌てて携帯を操作して、図書館で撮影した写真データーが残っているか
確認すると大丈夫だ。
ラジオのスイッチを弄ると電池入りなのを確認、だけど当然だが音がでない。
「ミラ、進化やってみてくれるか」
「【星の進化】」
一度目にモデムに二度目に無線ルーターに変化
「ミラそこで止まて」
「もう一回できそうな感じでしたよ」
「いや、これでいい」
早速自分マシンを起動して、二人のPCもついでに起動、期待のインターネット
は無理だった……
しかし、設定画面でネットワーク接続の項目をみていると、家庭内
ネットワークの構築はできた、これでどうやら肩リスが少し離れていても
大丈夫になった、二人のマシンにもファイルの転送が容易になった
これでかなりファイル交換が簡単にできるようになった。
女神への願いはインターネットにしてみるか?ありかも知れない。
「よし、アニメを送るぞ、ミラはどんな話がいい?」
「戦うやつがいいです」
「10本ほど送ってやろう」
「サラはどうする?」
「ご主人様におまかせします」
よし、ドラマとアニメにエロ系を混ぜておくってやろう。
「サラとミラ、言い忘れてたけど、もしこのマシンが取られそうになったら
地面に叩きつけて壊して、そこに火系の攻撃魔法を撃ち込んでね」
「こわしちゃうんですか?」
「これは信用できる人以外には見せちゃダメ」
「見せたら一日パン2個ね」
「むごいです、ご主人」
「それくらい大切な事だからね」
さて日記もつけ終わったしねるか、明日はミーナに戻って鍛冶屋だな。
☆☆
翌朝、起きてみると二人はいない、これは寝過ごしたか食事は無しか。
「おかえり、さてミーナに行くぞ」
街から少し離れて肩リスを出す、そうすると肩リスがミラに寄っていく
おいおい早くバイクになってくれないと。
「やっぱり可愛いです、ミラも肩リスが欲しいです」
「肩リスっていうのは売ってるのかい?」
「売ってもいますけど、相性のいいのを探すなら、自分達で捕まえに
行く方の方がおおいです」
「そうか、レベル上げも急務って訳じゃないし、二人がよければ、探しに行くか」
「どのへんにいるか知ってる、サラ」
「カナンのさらに東にある森に多くいると言われてます」
「カナンかミーナの反対だが、まあいいか」
「じゃあ行こうか」
「「はい」」
☆☆
カナンの街、かなりおおきな都市だった、遠くからの観察では王都の半分位
だがなかなか人がいるようだ。
とりあえずカナンの北を東へ向かい森に出た、リスに戻して、歩いて森を
見て回る、この広い森でリス探すのか疲れそうだ。
「肩リスを放して見れば、きっと仲間の所にいくです」
ミラがなんかいってるが、どうやら精霊の使いのような概念でリスを
見ているようだ、本来の姿がバイクというのは言うのはやめておこう。
肩リスを前に放って少し経つと走りはじめた、とにかく死なれたらシャレに
ならないので後をつける、2時間ほどあちこち目まぐるしく動き回った後
北に向かい始めた、途中でオークがでてきたので、倒しましたよ。
そしてやっとリスのグループをみつけた、俺の肩リスは中央に進み
なぜかまわりのリスは逃げずに、こちらを見ている。
「ミラ行ってみたらどうだ、たぶんあの感じなら逃げないだろう」
「お姉ちゃんいくです」
二人はリスのグループの群れに入っていく、リスは逃げずに寄ってくる。
「ひまわりの種はないけどトオモロコシがあるから、エサを上げてみれば」
「やってみるです」
「わたしもやってみます」
集まってきたリスにトウモロコシを与える、みんないい感じで食べてる
これなら、一匹か二匹位ならついてくるかな。
「どうだ、相性が良さそうなのはいたか?」
「わたし、この尻尾が茶色いのがいいです」
「わたしは、こちらの耳のとがったのが気にいりました」
「どうやると付いてくるんだ、まさか契約魔法じゃないだろう?」
「はい肩に乗せて、回ってみて肩から離れなければついてきます」
「だけど、食べ物とか、寝床が悪いと帰っちゃうの」
「まあやってみるんだな」
ミラがリスの乗せてぐるぐる回る、リスも遠心力にも負けずがんばる
一体どちらの為の試練なのだろう?
次にサラがリスを乗せてゆっくり回る、性格がでてるなーー
5分ほどじゃれあっていると、他のリスは離れて行って2匹だけ残った。
「そのリス達で決定か」
「はい、ご主人リスの名前つけてください」
「じゃあよく見分けられないから、二人の名前から
ミラのがミミでサラのがララでいいか?」
「はいです、ミミ宜しく」
「ララちゃんよろしくおねがいしますね」
「さてだいぶ街道付近まできたし、このままミーナへいくか?」
「ミミおいで」
「ララちゃんおいで」
「頭いいな」
「肩リスはすごく賢いのです、いい主人には手招きするだけでも寄ってきます」
「では行くか」
念じてもバイクに変形しない、あれ
「ご主人様どうしたんですか?」
「いや乗り物に変形しないんだ、困ったな」
「名前つけてもらってないからスネているんじゃないですか」
「肩リス、そうなのか」
ジト目で見ると俺の目を見つめ返してくる、とりあえずつけてみるか。
じゃあ、俺も名前のもじりでカカ、ズズ、ママ、これはないな
テテでいいか。
「じゃあテテだ、どうだ良ければ、そのままバイクに変形してくれ」
ぽんっとバイクに変形した、名前のセンスには期待してなかったらしい。
「ではいくぞ、二人ともあとララとミミもおいで」
バイクで北に向けて街道沿いを走る、空を飛んでいて落ちたら困るし
10分ほど走り、進路を北西にむけると街道を走っていた馬車が3台程
爆走している、後ろから馬が追ってくる、これは盗賊イベントか。
どうやら馬車が追い詰められたようなので近くに降りる、50メートル程
離れたところから様子を伺う、さてどっちにつくか?
奴隷商人とかだったら、盗賊にやられるのを待つのもいい
感じのいい商人だったら恩を売るもよし、状況次第だな。
「ご主人様、助けにいかないんですか?」
「うーん、どっちが俺たちにとってやばい人間かはわからないからね」
「あの人数で追われるという事は、ある意味良い奴か
悪い奴のどちらかだな」
「ほう守備側は結構優秀な魔法使いだな」
相手は周りを囲んでいるが、魔法師4人の連携でなかなか近くによれない
なかなかいい装備の追手だ、これは国の兵士か冒険者って感じだな。
「ご主人様、周りを囲んでいるのはたぶん傭兵だと思います」
「ほうあれが傭兵か、なかなか練度が高そうだな」
しばらくすると、後方からまた1グループやってきた、第三勢力かと
思ったが傭兵さんのお仲間らしい、囲んでるグループと合流した。
「どうやら多勢に無勢だな、ちょっと近くでみてみよう、反応次第で考えよう」
ゆっくり俺は槍、二人は弓を装備して近寄る
近寄ると周りを固めてるグループの男から声を掛けてきた。
「おまえらだれだ、寄ると命はないぞ」
「これはずいぶんご無体なおっしゃりようで、ちなみに盗賊さんですか」
「ふざけるな、邪魔だ死ね!」
仕方ないか、交渉してないけど決裂ですね。
「【アクアフラッシュ】」
連射して文句いってたやつらを5人程倒す
警戒しているのか包囲網にスキができたので馬車に近寄る。
「こんにちは、いい馬車にお乗りのお客様、今なら特別料金で援護しますよ」
「無礼者、下がれ」
護衛のおぼしき女性騎士らしき方の高飛車発言、どうやらピンチでは
ないのだろう、おせっかいしてしまったようだ。
「これは高貴な方とはしらず失礼しました、では私たちは急ぎの旅なので
ここで失礼します、みなさんの活躍をお祈りします」
「さて帰るか」
トコトコ馬車から離れて来たほうへもどる、両陣営ともに追ってこないので
10歩程度離れた所で守備側の魔法師が話かけてきた。
「そこの御仁、援護頂けるなら喜んで報酬を支払おう」
振り向き顔を見るとかなり疲れているようだ、敵は100人程度
守備側は12人程度戦力差は歴然だ。
「はいみんな嬉しい即金払いならその申し出受けさせて頂きます」
「こいつらを追い払ったら、支払おう」
「お約束を反故になさらないで下さいね、ちなみに殺しちゃっていいのですか?」
「もちろんだ」
「周りのみんさんに申し上げます、わたくししがない冒険者でございますが
只今をもって敵対勢力に加勢する事になりました」
「みなさんに恨みはありませんので、撤退していただければ私は追いません」
「ふざけるな、きさまら三人まとめて一緒に死ね」
短気な方たちです、盗賊系襲撃者なのでしょう、俺のお財布の糧になって
もらいましょう。
「ふたりは先ほどの魔法師の側にいってなさい」
「「はい、ご主人様さま」」
左側から【アクアフラッシュ】を撃ちまくる守備側の近接職の方
は馬車の護衛、魔法師は右の方の盗賊に攻撃を加え始めた
サラとミラも【ウインドカッター】で攻撃。
左側の20人程が終わったので、中央の敵を屠る、レベル25程度
強いのはレベル35もいる、手応えがない気もするが。そのまま殲滅戦に移行
サラとミラもいい感じだ、70人殲滅した所でなんとレベルが上がった。
これはいい、これで俺がレベル8、二人がたぶん20か。
そして10分程度で残り数人は逃げて行った。殲滅終了。
「殲滅終了致しました、お客様」
「ご苦労でした」
「いえ、冒険者ですから依頼を受ければ、実行あるのみでございます」
「貴様だれの手先だ?」
女騎士らしき格好の女性が文句をいってきたが無視無視である。
「魔法師の方、横の方が我々の詮索をしていますが、御代を頂ければ
すぐに退散いたします」
「よかろう、貴公に恩賞を出そう、カナンにいけば十分に歓迎するぞ」
「先ほども申し上げましたが、ここでお支払いいただける範囲で結構です」
「お嬢様、馬車の中でお待ちください」
「ではこれをあの者達にわたして欲しい」
お嬢様なのか、商会か馬車三台ってことは貴族もありうるな
魔法師に近寄り挨拶をする、金貨10枚位もらえるかな?
「では魔法師様、代金をおねがいします」
「ではこれを渡そう、だいたい金貨数百枚程度にはなるはずだ」
中をみると宝石か、まあ安くてもいいし、アルトハイムさんに売るか
「ではお互いいらぬ詮索はご不興を買いそうなので、わたしどもは失礼します」
サラとミラを連れて街道から外れ、そのまま林の中に入る。
木の幹の影から見ているとすぐ出発するようだ、5分ほどで3台ともに
かなりのスピードでカナン方面に走り去った
「さて俺たちもミーナに戻るか」
「はい、ご主人様」
「はいなの」
バイクをだしてミーナに向けて発進、昼の3時ごろになってしまったが
無事到着、そのまま武器屋のおやじさんの所へ行く。
「おやじさん久しぶり」
「おう、あんちゃんか丁度いい」
「頼まれていた新しいのが4本できた所だ、かなりいい出来だぞ」
「刀が2本、小太刀ってやつが2本だな」
「それはありがとうございます、丁度よかったです」
「すいませんが、前に買った刀の修理に今日は来たんですよ」
「後、弓矢も2000本位頂けますか?」
「ずいぶん必要なんだな、私はあまり使いませんが、横の二人が使うので」
「どうも他の店の物が質がおちますので」
おやじさんが店の声をかけると、奥で弓矢を持って店員がやってきた
刀はすでにおやじさんの横にある。
「いい刀ですね、大変だったでしょう?」
「いくら位ですか」
「そうだな前がセットで金貨40枚だったから、今度は金貨50枚って所か」
「はい、品質は問題ありません、では弓矢代金とあわせて、金貨110枚で
いいですか」
「おう、十分だ」
「では星金貨1枚と金貨10枚です、お受け取り下さい」
「確かに受け取ったぜ、まいどありだ」
「またこれ以上ができたらお願いします」
弓矢を袋にいれている風に見せながらアイテムボックスに収納していく。
武器屋を後にして、満腹亭にいくと時間がかかるかも知れないので
アルト商会に向かう、時間は夕方だが約束だけ取れればいいかな。
「すいませんカズマといいますが、アルトハイム様は今いらっしゃいますか。」
「はい、カズマ・ダテ様ですね、すぐに主人に知らせてきます」
俺の名前をしっているとは一介の労働者ではないのかな
10分ほどで中に案内されて、アルトハイムさん仕事部屋に案内された。
「お久しぶりです、アルトハイムさん」
「これはカズマさん、今日は商談ですか?」
「商談というばそうなりますが、今日はご入用の物の数を教えて頂きに来たのと
少々価値のわからない物を手にいれたのでアルト商会で換金できないかと」
「そうですか、ではこちらが用意しておいた、希望商品と希望買取数です」
「さすがですね、毎回先回りされてしまいますね」
書類を受け取り、さきほど手に入れた宝石が入った袋を机の上に置く。
「アルトハイムさんできれば、こちらの品をお買い上げ頂けないでしょうか」
「では拝見しますね」
宝石を眼鏡をかけてじっくり観察している、もしかしてガラス玉かな
20分ほどみたあと、話しかけてきた。
「これはどちらで入手されました」
「カナンの近くの街道沿いで馬車乗った方が盗賊らしい人間に襲われていたので
護衛の報酬として頂きました」
「護衛の報酬ですか?、馬車に乗っていた方はどなたでした?」
「護衛の女性騎士の方が早く去るように言うので報酬だけ受け取り退散しました」
「そうですか」
沈黙の後、引き出しから袋を出すと俺に渡した
「こちらの品、金貨1000枚でどうかな?悪いが星金貨は切らしていてね」
「アルトハイムさんがそうおっしゃるなら、それで結構です」
「次は商品をおもちしますね、その際はお願いします」
アルト商会をでて、さてどうするか?まだラーナに戻れるが。
☆アルトハイム視点
夕暮れの空を見上げながら
「『まさか、ダテ殿が公国の姫と出会うとは』」
「確か丁度公国から姫がカナンに着くころと日時は合っているな」
「閣下に報告しておくか?」
残金:16億2千万と金貨95枚




