第十一話:盗賊狩りはお得なのか
今日は久々の予定があるので、アラームをセットしておいてよかった
起きて、1の鐘を聞いたのは、初めてかもしれないです。
朝の6時というのは、爽快ではなくどちらかというと不快です、眠いです
とりあえず1階に向かい、真面目に起きてるアピールをしにいきます
ダンさんアルマさんはもちろん、癒しの泉アニタちゃんまで起きて働いて
います、なぜか敗北感を感じながら、起きてますアピールを早々に
切り上げ、席について犬のように朝食を待ちます、最近注文するのが面倒に
なったのと、料理法探求の試みの精神の元、毎日アニタちゃんにお任せの
日替り定食です、海老は魔物という事だけはちゃんと告げておきました。
☆☆
「おはようございます、カズマさん今日はお早いですね?」
いきなりのアルマさんのスマイルパンチを受けてしまった
「はい、本日は旅のお供として、ぎりぎりという訳にはいきませんから
それよりも旅行じゃありませんが、8時に広場に集合なのに
アルマさんこそ用意のほうは大丈夫ですか?」
「はい、一昨日すでに用意してあります、さすがに旅人の専門家ですね」
「私もすでに用意済なので、いつでも大丈夫です」
「ありがとうございます、ではごゆっくり」
今日のアニタスペシャルは、鮎の塩焼きかいい仕事してます
お昼は商隊の馬車の中なので、パンを3ついただきました、
これで味噌汁とお新香があれば満足できるのだが
食堂から外を見渡すと、朝の6時半だというのに、ずいぶん人がいる
みなさん同じ場所に行くべき通勤ラッシュという訳ではないはずなので
南地区の通りでこの人数だとすると、住宅エリアの人口は結構いるのかも
しれない、きっとスラムがあるからショートカットできないのが原因
なのでしょうか、外をボーと眺めているとアニタちゃんが寄ってきて
お弁当をいただきました。
予定では7の鐘の前には目的地に着くとの事でしたが、最近地面の上
を走ってないので、道がどうなっているのか不安ですね
部屋で弓をアイテムボックスから取り出し、装備、弓矢は腰の左側に装着
ある意味取りだしずらいですが、弓兵ではないので利き手の右手をフリーに
しておきたいです、奥さん聞いて下さい、よく考えると私冒険者の分際で
LV1のGランクですよ、ギルドに人が沢山いたらお決まりの絡まれるイベント
発生確実でしたね、武器すらもってなかったですし
7時40分だ、慌てて下に降りて、アルマさんに声をかける
「アルマさんもう出ないと、2の鐘迄に中央広場に着きませんよ?」
「そんな時間ですか、それではあなた、行ってきますね」
5分ほどして、アルマさんは中くらい鞄をもって出てきた
いつものようにエプロンは無く、ロングのワンピースに麦わら帽子と
いった出で立ちだ
「気をつけていって来いよ、帰りは遅れても構わないから」
「ええ、あなた、アニタもお手伝いおねがいね」
「うん、お母さんも気をつけてね!」
いい子だ、アニタちゃん、たった4日程度の旅行でお母さんの体を
心配するとは、心の中でお涙頂戴です
☆☆
中央広場に着くと馬車が15台ほど並んでいた、しかし目的の商人は
おらず、一緒に乗る予定の人や護衛すらいない、3分もすると2の鐘が
鳴ったが、今回のメンバーで来ているのは、同乗者の俺とアルマさん
ともう一人女性が一人、他のメンバーはいまだこず、5分前集合はやはり
無理なのか、20分経過して残りの同乗者2人と護衛が4人来た。
しかし、商人がこない、馬車は来た時にいた場所のうちの4台らしい
もちろん御者様はわたしより先に来ていた、褒めて遣わそう
荷馬車3台、馬車1台の計4台、護衛はすべて馬らしい、ブルジョア
冒険者なのか?今の俺と同類かもしれん。
さらに待つこと20分、8時40分過ぎにようやく商人二人が到着
こいつら遅れたのに一言もなしですよ、いじめちゃいますよ
なんだかんだで9時すぎに出発、奥から商人二人、それにアルマさん含め
女性4人、後方に俺の配置、護衛はDランクの冒険者パーティらしく前後に
ふたりずつの配置、1時間半程経つ休憩、俺はする事がないので
荷箱通販で買った、ラノベを読みつつ時間を潰す、だって女性同士の会話に
入るのはバーゲンセールのワゴンに突入するより難易度が高い
☆☆
2度目の休憩時、アニタスペシャルを(たぶんダンさんお手製だと思うが)
食べながら、まったりしていると、何やら一番前の荷馬車のほうが騒がしい
振り向くと前方から10人程度の人がやってきた、ミーナへいくのかと思ったら
前方の男たちと護衛が戦闘突入ですよ、近接戦闘を見るのは、TV以外だと
高校時代の剣道の試合以来です
どうやら4人で応戦しているようですが、苦戦しているようです、女性の方
と商人が話をしているようですが、荷物を諦めて降伏するとか、それは反対
だとか?意見が割れているようですね、義賊のようには見えませんから
降伏はないのではないかと思っていると、女性の方が大きな声を上げました
「ここで降伏したらみなさんは財産を失うだけで済みますが、私たちは……」
Dランクの冒険者が4人いて、lv2程度の武器スキルの盗賊相手に
負けるとは思えないのですが、ちょっとやばそうです、一人怪我してます
「あのアルマさん、私王国の法律には詳しくないのですが、盗賊というのは
殺しても問題ないのでしょうか?」
なんといっても私の弓術では当たれば儲けもの、魔法を絡めないと無理です
すると先ほど大声をだして反対していた女性がこちらを睨みつけつつ
「当たり前じゃない、Gランクの人がとやかくいってないで加勢しなさい」
「では若干こちらが不利のようなので、商人のお二方、私が盗賊に危害を
加えるのを承認していただけるでしょうか?」
「あああ、やれるもんならやってくれ!」
さてお墨付きもらったし、やはり【アクアフラッシュ】しかないよな?
「盗賊のみなさま、今すぐ撤退していただけるなら追撃しません
戦闘を中止してください、継続される場合は未熟者ゆうえ命の保証
はできかねます」
「ははは、女の前にお前からころしてやろう」
人生初の2足歩行の動物への攻撃はゴブリンやらオークが良かったのですが
「いざ参る」
【アクアフラッシュ】を小さな声で詠唱しつつ、左手のに人差し指に意識を
集中させつつ、弓を放つ
弓が僅かに光りながら盗賊のお腹に命中そのまま後ろにいた盗賊共々
吹き飛んだ、すかさず第2射、前方右手、女性陣に一番近い盗賊に向けて
弓を放つ、頭から上が爆発して、胴体は後方へ飛んで行った
どうやら、【アクアフラッシュ】の問題点の射程の加減がまったく無理
威力を軽減に努めているが、nato弾程度をイメージするも、50口径の
ハンドガン程度に抑えるのが限界のようだ、加えて光属性で吹き飛ぶし
次に左側で立ち止まっているオバカさんに第3射目、これは右半身に
着弾するもそのまま遺体ともども吹っ飛んで行った、周りを見回すと
護衛が優勢になっていた、結局相手が逃げ出した、俺が4人、護衛が2人
殺して、一人捕まえたようだ、残り3人は逃げたようだ。けが人は護衛
一人と御者一人の合計2人、なんとかあるけそうなので軽傷だろう?
「アルマさんすいません、ちょっとグロテスクな物をお見せして!」
「……いえ、たすけていただいて、ありがとうございます」
「俺は一応アルマさんの護衛ですから。お気になさらず」
「おう助かったぜ」
怪我した冒険者が声をかけてきた
「いえいえ、冒険者登録したばかりですので、邪魔をしてはいけないと思い
援護がおくれました、怪我させて申し訳ない」
「あんたいい腕だな?」Aランクの冒険者か?!」
「いえ、2日ほど前にギルドに登録したばかりの新人ですよ、お聞きしますが
逆に捕虜になった盗賊というのはどうなるのでしょう?」
「近場に埋めていくか、街が近ければ奴隷商人に犯罪奴隷で売れるな」
「ほー犯罪奴隷ですか」
それからしばし、休憩した後、私が頭を吹き飛ばした一人と護衛が殺した
二人の3人は穴の中に埋められ埋葬、あとの3人はバラバラだったので放置
けが人2人と奴隷候補生は馬車へ、商人の一人が荷馬車へ馬10頭は
雇い主の商人の所有物になるらしいですが、護衛ではないわたくしの活躍
に報いたいということで、馬を2頭頂きました、現在、悪戦苦闘中です
私のような貧乏人には乗馬のようなお金のかかる趣味はありません
どうやら肩リスと馬は意思疎通が可能のようで、平地だけならなんとか
なるようです
☆☆
結局3度目の休憩後、なんとかアルマさんの目的の村へ到着です
7の鐘の前の予定が実際は8の鐘の後、午後9時19分です
細かくて結構、馬のせいで大変疲れました、人を殺したらウツになる方が
いると聞きましたが、まったく気になりません、悪即斬です、それよりも
新規攻撃魔法か武器スキルの取得方法をいろいろ検討させられる戦い
でしたね、
☆☆
私はの宿屋の大部屋でいいと言ったのですが、アルマさんが実家に
泊まれと言うのでご厚意に甘えて、とめてもらいました。
やはり家というのは宿屋とは違った温かさがありますね、起きたら
案の定、9時を過ぎていました、朝食時に食べているのは私一人ですが
アルマさんがこの村に来た訳を知りました、お姉さんが盗賊に襲われて
行方不明だそうです。この世界では、状況次第で即、死体が無くても
死亡扱いになるそうです。奴隷になった人が戻ってきた場合どうなるの
でしょう、冒険者ギルドの規約と同じような扱いなのか
親族が集まり、簡単なお別れ会のようなものを開いて終わりのようです
日本でいう1周忌のようなものでしょうか
本来、明日の夜に来る商隊で帰る予定だったようですが、馬があるので
明日の朝一番で帰るそうです、馬はこの辺りでは乗れるのが当たり前の
ようです、解せぬ
その晩はお酒を勧められましたが、確実に朝起きられないので、遠慮して
早めに就寝、
翌朝、朝5時です、なんでこんな時間に起きてるかというと
帰るからだそうです、山手線の始発並みです、只乗っていると寝て
しまうので、アルマさんと会話をしながらミーナ目指してトコトコ徐行運転
途中2回休みをいれただけで、午後の1時半にはミーナにもどってきました
☆☆
「もどりました、すいませんが眠るので夕食の時間におこしてもらえますか」
部屋へ入って、10分程度も持たなかったようです、夜の7時半に
アニタちゃんが起こしに来てくれたので、遅い昼食、これはすでに夜食状態
食事を食べていると満腹亭の3人が揃ってお礼をいわれました
「カズマさん本当にありがとう」
「カズマお兄ちゃんありがとう」
「ありがとな、アルマが無事で良かった」
「いえいえ、一応護衛ですから、おきになさらず」
「そういえば、あの駄馬はどうしてますか?」
「お前さんの馬か、厩舎で世話しておいたぞ」
「もし、よければアニタちゃん、馬あげようか?」
「え、いいの?!」
もらってくれれば駄馬にもう乗らなくて済むし、アニタちゃんスマイルにも
期待できる、一石二鳥だね
「本来なら妻が乗っている馬もカズマの馬なんだろう?2匹とももうう
なんてできないぞ」
「いえいえ、世話するのも手間と費用がかかりますし、わざわざ売るのも
面倒ですので」
悩んでるな、駄馬を押し付けられて迷惑かも知れんな
「それでは当分こちらであずかって頂いて、売れる相手が見つかるまで
私とアニタちゃんの共同保有という事でいかがですか?」
「そういうことなら、こちらも助かる」
話を終えて、部屋にもどると、完全に眠気が覚めてしまった、これは読書で
時間調整するしかないか?3時ごろまで起きて、9時ごろ目覚めるのが最適
かな、だとすると時間を潰す方法は
日記、ペコの魔法の練習、商品知識収集、体の鍛錬
どれも寝る前にするものでは無いな、仕方ない酒場へいくか?
☆☆
鍛冶屋に聞いた店に来た、北地区の酒場の中でもグレードが高く情報通らしい
店に入って、カウンター席の端に座った、お勧めのカクテルを注文して
30分ほど経過して、従業員の手が空いたのを見て、さらにカクテルを注文
カクテルを受け取る際に金貨を1枚渡して、世間話を頼んだ
どうやら帝国が攻め込む先は公国らしく、その前に皇女をエルミール王国の
大貴族に嫁がせるらしい、攻め込むタイミングは冬になりそうとの事で
冬は気温が20度位で攻める方としては最適らしい
奴隷に関しては、貴族、商人、高位冒険者は基本的に何人か所持している
らしく、戦争直後が一番活気があり、戦争直前は奴隷狩りが大規模に
行われるらしい、奴隷狩りとはある程度のグループが意図的に特定の
村などの人を奴隷に落とす手段らしい、中には盗賊を利用して奴隷を集める
者もいるそうだ、奴隷商人が一番集まるのは各国の王都のようだ
カジノ的な物はこの大陸では、人があまり集まらないらしい
西に位置する大陸では賑わっているらしい、西の大陸には大型船で1か月ほど
かかるらしい、加えて遭難する可能性もあるようで、旅行をする事は晩年
になってからの娯楽らしい、納得だ、日本でいう世界一周だな
その他にも貴族の派閥や闇稼業の事業内容などを聞く事ができた
12時を過ぎたあたりでラストオーダらしく、俺も宿に戻った
なかなか有益な情報を仕入れられた。
残高:残金:222815000円
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