プロローグ(時速170k)
初投稿でございます、未熟者でございますが
お読みいただければ幸いです
ふと目が覚めると妹が俺を起こしにきていた。
なんて事はなく目覚ましが轟音を響かせながら部屋中に響いていた
よく寝ていられたと我ながら関心するが、これが休日を除く毎日の風景だ。
伊達一馬29才独身 家族は無く、職業は自営業だ
しがないバイク便のライダーだ。
東京近郊の築20年のアパート暮らし、起きたら2分で着替えて
ヘルメット片手に外へ
駐輪場にて相棒(HONDA-CBR400)に跨りエンジン始動、暖気の間に自称
ボックス、バイク後部に取り付けた荷箱からアンパンを取り出して食べる。
夜の間に適度に冷えて冷蔵庫よりも美味しく頂けます。
会社へ毎朝の定時コール。
「おはようございます128番、大田区に入りました」
「品川まで到着しましたらまたご連絡ください」
オペレーターより毎度同じような返信があり、横浜市の自宅前より発進
実際は大田区どころか川崎市にすら入っていない、今ここにいると報告
すると出勤中扱いになるが東京に入ったと報告すると、待機中となり仕事が
あれば直ぐに回してもらえる裏技である。
といって本当に羽田空港あたりで仕事の依頼があったら大変なわけだが
だいたい同じ地区に1番、2番待機と2人位はいるので9時前に実際に
仕事がいきなり入るのは半年に一度位である。
そんな感じでぼちぼち都内に向けて走っていたら、本社から着信だ
某8チャンネル様からお仕事、それもロング(100キロ以上)との事
自腹で高速に乗りテレビ局様からの荷物を受け取り目指すは甲府との事
武田信玄ですか、気分も最高、首都高速から中央道へ。
通常は時速130キロ位しかださないが、広告代理店とメディア各位様は
督促が激しいので時速170キロの
一発免停速度で加速、バックミラーでパトカーを警戒しながら進む。
視界は雲ひとつない青空、雨の心配もないし今日の稼ぎも3万は超え
そうだし、ルンルン気分でメーターを振り切る
400ccのバイクなのでたいして加速もしないがそこは気分の問題。
前を走る乗用車が邪魔なので追い越そうと車線を一旦走行車線に
戻した途端前方の長距離バスと思われるバスが急ブレーキだ
このままいけばバスに追突し転倒間違いなし。
ギヤを落としてエンジンブレーキーで速度を一旦落とし右前方に
向かい再加速、しかしバスに少し接触したのか安定感がなくなり
このまま転倒しそうになる。
「これは助かっても後続車両に引かれて良くて病院、たぶんあの世かな」
一人ゴチってみる、あきらめて全身でショックに備えるも
10秒経っても衝撃がこない、転倒もしてない。
慌てて回りを見ると雲の上を走っているような、何もない所にいた。
誤字脱字ありましたら、大変失礼いたします