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勇者になれって言われたけど。  作者: いわしさん
0章 勇者としての異世界生活の始まり
4/9

0-4 大男の正体はまさかの……



シズクに置いてかれて、少し寂しい気分なんだが、今はそれどころではない。

何故なら、ドラゴンを吹き飛ばした大男の安否確認をしなくてはならない。


俺は倒れた大木(たいぼく)を何本も跨ぎながら、恐る恐るその男の近くまで行った。


「…それにしても、この世界にはとんでもない人間しか居ないのか?」


なんて独り言を放った瞬間、

ドラゴンの亡骸(なきがら)の横で倒れていた男がムクリと立ち上がった。


俺は咄嗟(とっさ)に倒れた大木(たいぼく)の影に身を潜めて様子を(うかが)った。


男は、血と土でひどく汚れたタンクトップをパンパンっと払い、


「……よし。結果オーライだなっ!!!」


と、あちこちから出血しながらも、満足そうに歩き出した。


………結果オーライ……なのか?………まぁ結果オーライか…。

それより、今まで倒れていたから、よくわからなかったけど、近くで見るとめっちゃ身長でかいな。

250センチぐらいか?

いや、それ以上だろう。


それに鍛え上げられた筋肉が半端ではない!腕の太さなんて、俺の顔の大きさぐらいあるぞ!?


………やっぱり怪物だろ。っとやべぇなこっちに向かって来るぞ……


どうしたもんか。と悩んでいると、大男は俺が隠れていた大木を軽々と持ち上げ、


…………………目が合った。


『っうわぁぁぁあーーーーー!!?』


俺は驚きのあまり、声を上げながらしりもちを着いた。

それは大男も同じだったのだろう。持ち上げた大木をぶん投げて、声を上げた。おそらくビックリしたのだろう。


「す、すすすいません!!!俺は別に………」


俺はしりもちを着きながら、両手あげて後退(あとずさ)る。

そんな俺を見て大男も両手をあげ、


「大丈夫だ!俺は人間だ!」


と言った。


………え。


「……えっと。あなたは?」


恐る恐る質問する俺を見て、男は優しく笑いかけたきた。


「あーわりぃね。初対面だと大体みんな似たような反応するからな。お前はさっきシズクちゃんと一緒に居た奴だよな?」


「あ、あぁ。勇者のエルって言うんだ。あんたシズクと知り合いなのか?」


「勇者エル?まぁ知り合いっちゃ知り合いだな?あれ?そう言えばシズクちゃんはどうしたんだ?」


「あいつなら、そそくさと帰って行ったよ。全く冷たい女だぜ。それと、『助けられたとは思ってないから』って言ってたぞ?どーゆー関係なんだよ?」


なんだか話してみると普通の人間な気がしてきた。

男は地べたに胡座(あぐら)をかいて座り込んだ。

余程の長身だ。そうして貰えると首が痛くならないで済む。


「相変わらずだねシズクちゃんは。どんな関係って言われても一回会っただけなんだけどな。」


と、首もとをポリポリ掻きながら苦笑する。


「昔からあんな感じなのか彼女は。それより、名前はなんて言うんだ?」


「あぁ、俺はコウって言うんだ。よろし……………」


そう言って、俺の顔を見て、固まった。


……なんだろう。そんなに俺の顔が珍しいのか?この世界に来て二度も同じ反応されると少し困るんだけどな。


「…………えっと?……コウ?」


約五秒程目が合うと、コウは目を見開いて、


「お前もしかして()()()なのか?そうだよなトオルだよな!!!!お前なんでこんな所に居るんだよっ!!!」


__っ!!?


この時全身に電気が走る程驚いた。

()()()とは俺の本名である。(日本での本名)


「………えっ!?……お前誰?」


俺の知り合いには、ドラゴンを一撃で倒せる様な大男は存在しない。てか、地球上に存在しないだろ。


「ってお前ひでぇな!!だからコウだって言ってんだろ?幼馴染の事も覚えてねぇのかお前は。」


__っえ!?


「……ちょっと待て。コウってあのコウ?4日前に総合格闘技で王座挑戦して敗れたあのコウなのか?」


「そうだよ!!その俺だよ!ほら!」


と、言って地元の神社の御守りを見せてくれた。


「えぇぇぇぇぇえええーーー!!!!!?何これどゆこと??ここ異世界だよな!?」



皆さんこんばんわ。


まさかの幼馴染との再開

これはどういう事なのか?

果たしてここは異世界なのか?


次回は、少し時間を遡って、勇者エルがこの世界に来る事になった理由を語りたいと思います。


次回投稿は2日後ぐらいになります。

次回もよろしくお願いいたします!!

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