純然たる凛
掲載日:2015/12/14
胸を穿つように残酷な終焉を産んだ少年は、もう眠りに就いている。
手の届かない深淵で壊れないように膝を抱えて、安らかな表情をしたまま。
役目を果たした少年は赦されている。その筈なのに弱さが少年を憎むのは、灯火のような自己愛の残骸からだろうか。気まぐれに顔を出す悲しみなんてものは、等閑にすればいい。いくら誠実であっても、純粋であっても、優しさがいつかは別の焦がれる何かに上書きしてしまうのだから。
恐れることがあるとすれば、ガラス瓶に積もるビー玉のように輝き続けてしまうこと。
そうなってしまったなら、「忘れた」と笑っていえればいい。感情に一枚皮を被せてしまえば、その外側こそが真実になる。他人の目に映る色が偽物だとしても、そうやって世界は造られている。
ガラス瓶の中を揺蕩うビー玉も今はひとつ。
目を閉じてしまいたくなるほどまばゆい光を放ち、落ち着かなくてパニックになるような色をしている。
失くしたくない
この気持ちが弱さなのか、はたまた違うなにかなのか、時間を掛けて見定めなくてはならない。今度からはもう、時間の制限はないのだから。
棄てられる為に生きたいとは思えないのだから。
だから笑って云えるんだ。
またね
って。




