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いつか君へ…  作者: 半纏少尉
決意の刻 2章決意と見習い冒険者
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13話

思ったよりも書くペースが速いです(^O^)

やればできる子ですね笑

初依頼を受けた次の日、僕は朝の鍛錬を終えてギルドに向かっていた。


「やっぱり新鮮な気分だなぁ…」

街の西側には殆ど近寄った事が無かったし、見習いとわ言え冒険者としてギルドに向かうのは今まで無かった事だ。


「今日は父さんの残してくれたお金をギルドに預けて、書庫で魔法関連の本が有れば読みたいなぁ…」

無ければ無いで魔物関連や、薬草の本を読んで過ごすつもりだ。


「こんにちわ、ギルドの書庫を借りたいんですが…」

ギルドに入り受付に問いかけてみた。


「書庫ですか?すいませんがギルド員にしか貸し出して無いんです」

「あっ!これ、カードです」


僕は懐ろからカードを取り出して受付嬢に見せた。


「見習いの子だったのね?勉強熱心なのね〜

書庫は訓練場に行く途中の、左側の扉がそうよ。

あっそうだ、これからはギルドカードを提示するようにしてね?

まだ見慣れない子達だったりすると分からないから」

書庫の場所を教えてくれた受付嬢に礼を言い、僕は書庫に向かった。


「うわぁ、なんかジメジメしてるなぁ」

書庫に入ると紙の匂いと湿気で息苦しく感じてしまう。

窓を開けて空気を取り込むと目当ての本を探した。


「えーと、魔法関連の本は…あった!」

部屋の両端に並べられた本棚を探していると「魔法理論」「基礎魔法集」「魔法の歴史」と言う本を見つけられた。


その3冊を手に取りまずは「魔法の歴史」から読んでみる事にした。



魔法は遥か昔、それこそ国と言う社会が無い頃から存在しており、人の生活に欠かせないものだった。

当初は、今のように体系化された物では無く原初魔法と呼ばれ魔力を纏う事で具現化させることで、己の体を武器にし、重い物を運ぶなどしていたと推測されている。


原初魔法は人が魔法を学ぶ上で必ず通る道であり、現在の体系化された魔法を使えない者も理論上は使う事が可能とされている。

その最も近い例が魔力操作であり身体強化である。

魔力操作を覚え、身体強化を覚える事で今日の体系化された魔法へのステップとしている読者諸君も活用してきた事だろう。


魔法の祖とされている原初魔法は、それが発見された理由として諸説あるが、私は思うに神話の中の一節では無いかと思う。


創造神ペルティエが世界をつくり、その何も無い世界に太陽神アポロギウスと月と夜の女神ヴェルーナを生み出し昼と夜が生まれた。


そして、火の神ボルケウス、風の神ウィルデーネ、水の神ボトルカ、土の神アルスを生み出した事でそれぞれが司る物が生まれ、世界が調和し生命が生まれたとされる。


生命が生まれ神が調和の役割を持つものとしてそれぞれ大精霊を生み出した。

光のアローラ

闇のデネルブ

火のカイエン

水のウンディーネ

風のシルフィード

土のノルトム

この6柱が大精霊だ。


そして、6柱それぞれの眷属である光、闇、火、風、水、土の中、小位の精霊が辺りにある事で、世界の調和を保っていると言われており、その際に精霊が起こす奇跡を人が真似ようとした、これが魔法の始まりとされている。


精霊が放出したマナを人が魔力を使い何らかの反応、つまり奇跡を起こす事が魔法と呼ばれているのだ。


結論として、魔法は神と精霊に愚かにも憧れた人間が何代にも渡る研究の果てに辿り着いた場所と言えるだろう。

読者諸君が魔法が神と精霊、引いてわ先人達の研鑽の結果今の体系化された魔法が使える事を忘れずに、驕らず、日々の研鑽を積んで行ってくれる事を切に願っている。


「フウ…、長かった」

大体を要約して必要な所を覚える為に纏めたが魔法の体系化の歴史には、本当に色んな事が有ったんだなぁ…と思った。


「それにしても身体強化が原初魔法であり、今の魔法の為のステップなんて知らなかったなぁ…」

僕は次に魔法理論を読もうと手に取った。


この本には、魔力の練り方を始め、魔法の属性の説明、属性を帯びた魔力についてが書かれていた。


魔力の練り方では、一度何処かで溜めてそこで圧縮する事で魔法全般の威力向上が出来る事が書いてある。

試しにやってみるとなかなかに難しく、上手く圧縮出来なかった。


ただ、これを練習していけば魔力操作の訓練と身体強化の威力の向上が行えるのでこれからの鍛錬に是非活かしていきたい。


魔力の属性については基本の火、水、土、風を始め、上位属性の焔、氷、雷、樹、特殊属性の光、闇、時空についてが書かれていた。


上位属性は2種類の属性を使う事で出来る魔法よ事のようだ。

火と土で焔

水と風で氷

火と風で雷

水と土で樹

になるらしいどうも火と水、風と土は反発し合うみたいでそれを混ぜる事が出来ないらしい。


特殊属性の光、闇、時空は特殊な魔法が多く殆ど分かっていない。

時空属性に関しては昔の文献に記述ごあった事でその存在が明らかになりこれが使える人はいないだろう、と書かれていた。


僕が一番興味を持ったのが属性を帯びた魔力についての記述で、特に熱心に読んでいた。


魔力を練る時に帯びさせる属性をイメージしながら練り込み発現させる事により魔力に属性が宿るそうだ。

実際に帯びさせると、どんなメリットがあるかと言うと、練り込んだ属性と同じ属性の魔法の威力が向上するみたいだ。

それ以外は火なら自分以外が熱く感じ、水なら魔力の巡りを円滑になどそれぞれの属性に合わせた変化があるみたいだけど微微たる量で、普通に魔法を使う方が魔力効率もよかったためにあまり研究されてないようだ。


僕は属性を武器に帯びさせる事が出来れば結構使えるんじゃ無いか?と考えて練習してみようと思っている。


ただ、どうも魔力に属性を帯びさせるには、適正が無いといけないらしく僕に適正があるか分からないからまだ試せていない。


母さんが風の魔法使いだった事から、僕も風は使えるんじゃ無いかと思って居るんだけどどこでそういった検査を受けれるのか分からない…後で受付で聞いてみようかな?

と、そんな風に考えていた。


基礎魔法集はあらゆる属性の基本的な魔法のイメージが記されていた。

ボール系、ランス系、カッター系、アロー系

、ウォール系、トルネード系、レイン系とどう言った形でどう言った事が出来るのかと言うものが記されてしる。


これはイメージの定型で、これを使う事で単体、範囲攻撃のイメージを覚えやすくしている。


熟練の魔法使いになればなるほど定型から外れて行くみたいだ、逆に見習いの場合は、イメージを固めるのに時間がかかる為呪文を詠唱する事でイメージを補完する場合が多いと書いてあった。


それにイメージを強める練習として実際にその属性の物に触れたり、感じたりする事で魔法をより強く使えるらしい。


「ふぅー」

すっかり熱中して読み込んでしまったようで、太陽が真上を通り過ぎており、もうすぐで夕方になろうとしている。


「思いの外熱中しちゃったなぁ…昼も食べて無いし魔法の適正について受付で聞いたら早めに夕食食べよ」


独り言を呟きながら本を片付けて、書庫を出てから受付カウンターに向かった。


「こんにちわシャルルさん、魔法の適正検査を受けたいんですけど…ここで受けられますか?」

「アランじゃない、来てたのね?魔法の適正検査かぁ…一応ここで受けられるわよ、でも殆どの人が使える程の適正が無いの、だからあんまり期待しないでね?」


シャルルさんは付いて来て、と言いながら奥に向かい僕もそれに付いて行った。


向かった一室に入ると、そこは応接室のような場所だった。

椅子に座るように言われて座ると、シャルルさんが台座に乗った水晶を持って来た。


「これが適正検査用の魔法具よ、魔力を流す事でその人の適正が分かるようになってるの、ただ光の強弱でその人がどれだけ使えるのか分かるんだけど実践で使える様な人は殆どいないわ」


そう言って差し出された水晶に恐る恐る手を伸ばし魔力を流し込んだ。

緑の強い輝きと青の優しい輝き僕の属性を示した。


「…これは…風と水、ね…ここまで強く光る所を初めて見たわ」

シャルルさんが息を飲み呟く。


「風と水…シャルルさん、この輝きならどれ位使えますか?」

「…分からないわ、ただ確実に、鍛錬すれば両方とも実践で問題無く使えるわね…」

「本当ですか?…良かった…」


僕は心の底から安堵した、きっと心の底で母さんとの繋がりが、母さんの使う風の魔法が僕に使える、この事が顔も覚えていない僕にどうしようも無いくらい安心したんだ。


(母さん…僕は母さんと同じ属性と父さんの剣で、僕の大事な物を守るよ…)

僕は早速今日から特訓に組み込もうと思い今日は家に帰るのだった。

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