8:理解
牢屋から出てきた。3人は受け付けに礼をしてギルド本部をあとにした。
龍は皆に明かしていない次の目標に挑むために金を星1~4の依頼を受けて皆でこなしていた。ある日の夜、宿屋でのことである。
Dはこの前思い付いた。面白いこと、を実行した。それは龍が本当に俺のギルマスでいいのかを見定めるためのものである。内容は、今から宿屋で飯を食べる時なので龍の飯の中に即発性のある病原菌を仕込むことである。もちろん最悪の場合死ぬレベルのものを入れた。
全員で小声ではあるが「いただきます」と言って食べた。
D「あなたには心底がっかりだ。」と思った時、
龍は苦しみながら後ろに倒れた。
優火は龍の近くにより必死に訴えかける。
優火「だ、大丈夫ですか!?エストさんどうしよう。」と言ったがDは黙っていた。
そうしているうちに龍は黙り動かなくなってしまった。
優火「狂月さーん!」
Dは口を開いた。
D「それは俺がやった。」
優火「どうしてそんなことをしたんですか!?」と泣きながら言った。
龍「Dそんなこと知ってるよ。」
D&優火「!?」
D「なぜ龍が二人いるんだ!」
そうD&優火の眼前には倒れている龍と立ってこっちを見ている龍がいる。
龍「なぜって、倒れているのは俺の影だから」と言うと、倒れていたほうが起き上がり龍の影へと戻った。
優火はまだ目の前で起こったことに驚いている。
龍「逆に質問させてもらう。なぜこんなことをした?」と笑いながら言った。
D「あなたが本当にギルマスでいいのか試すためです。」と淡々と答えた。
龍「まあ、どんな理由でもいいけど俺もおまえのことを警戒していたからシェイドと入れ替わってた。それにシェイドはどんなあらゆる攻撃であろうと効かないからな」
D「私はまんまとあなたの手の上で踊らされていたのか。」
龍「結局。おまえから見た俺はどんなやつだ?そして俺はギルマスにふさわしいか?」
D「私から見たあなたは限界の見えないステータスを持った。化け物で、私のギルマスにはちょうどいい感じです。」
龍「化け物ねぇー。馬鹿にされてるのか。誉められてるのかわかんねーな」と笑いながら答えた。
そしてDは一生の意味を問うことにした。
D「なぜあなたは牢屋での時、一生などと決めつけるような言い方をしたんですか?ご口授願いたい」
龍「あーあの事か。」
あの日から一週間経っているため、忘れていた。
龍「あくまで俺の憶測に過ぎないが聞くか?」
Dはこくりとうなずいた。
龍「一生牢屋で過ごすと言ったのはおまえの能力を見たからそう思ったんだ。おまえの能力病魔は病原菌の精製、増殖、散布が出来るということは、風評被害にあいやすいということだ。そしてどんなに強いギルドメンバーでも病気にはなってしまう。そこで疑われるのはDだ」
優火が話を聞いていてその後のことがわかったのか。
龍の話の続きを言い出した。
優火「つまり、Dが病気をかけたのか?と疑いそのギルドから追放されて牢屋暮らしの繰り返しになるからですか?」と龍に確認した。
龍「あ、ああ。そういうことだ。おわかりになりましたかい?」
Dは黙っていた。今言われたとおりのことが実際に過去にあったから何も言えずにいた。
龍「まあ、そんな事が過去にあったとしても今は違う。断言してやろう。なぜなら、おまえは俺のギルドのメンバーなのだから、そんな風邪の1つや2つで仲間を切るようなギルドはただのくそギルドだ。
俺はお前の居場所を守る、その代わりお前の得意分野で仲間を助けろ!」とへらへらと笑いながら言った。
Dはふっ、と笑った後にこう言った。
D「あたりまえだ。ギルマス!」
龍「これで本当に仲間になったってことでいいだよな?」
D「ああ、これからは世話になる」
龍&優火「どうぞ、どうぞ。」
優火「家は無いんだけどね」
龍「さっ、さっさと飯を食うぞ。その後、これからの予定を決める」
全員急ぐ必要もないのに急いで飯を食った。
龍「これからの予定は決まっているからそれを説明する。」
D「どうせ金あつめだろ」とつっこむ。
龍「ふっ、考えが甘いな」
優火「違うんですか?」
龍「まあ、話を聞け。いままで集めてきた金でこの依頼を受ける」
ドンッと机の上に置いた。
「依頼名:流血魔王
危険度:星12 ちょー危険
内容:イア・グライシスの討伐
場所:この町の北にある魔王城
報酬:ルビー、サファイア」
これを見た2人は驚きのあまり声になっていなかった。
龍「次はこれだ。」(にやり)