11:実力
龍「お初にお目にかかります。魔王様、俺はあなたを倒しに来たギルド、アウトサイダーのギルドマスター狂月 龍とこちら二人は愉快な仲間達でございます。以後お見知り置きを」と紳士的に振る舞った。
優火「愉快な仲間達ですか」
イア「あら、案外礼儀正しいわね。でも訂正するところがあるわ。以後はないのよ。あなた達はここで死ぬのだから」と言って赤いデザートイーグルのような銃を2丁出し3発撃ってきた。
龍は焦ることなく対処した。蝋燭によって照らされていた龍の影は、そのときには既に人形ではなくなっていた。龍の立っているところから半径1mが球体状の影に覆われていた。弾は龍の影の範囲に入ると同時に何か柔らかいものに当たったかのように何かに弾かれ地面に転がった。
イア「なにをした」
龍「弾を弾いた」
イア「ちがうそうじゃない。どうやって」
龍「教えてやるか。俺の勝ちに変わりはないし」
と言い律儀に敵に能力を話始めた。
龍「おまえもわかるだろ。俺の影が変わっていることに。」
魔王は銃を構えながら頷く。
龍「俺の能力、影っていうのは、影を操り相手に攻撃をしたり自分の分身を作ったりする。今のは、形なき怪物 ノーフォームモンスター っていうので相手の物理的攻撃のみでしかダメージを与えられない。銃撃、斬撃、魔法系を受けず、打撃のみでしかダメージを与えられない。そして最大の特徴が、自分が考えた形に影を変形でき、影の形と同じものが俺を覆っている」
イア「へぇ、じゃあハンマーで叩けば壊れるのね。」
魔王の持っていた物は赤い銃ではなく魔王自身の体より大きい赤いハンマーを持って龍の左半身を狙うように攻撃してきた。
龍「せっかちだな」
龍はノーフォームモンスターを解除して後ろに回避した。
龍自身魔王の能力をだいたい理解していた。能力は俺と似たような変形型たぶん媒介となっているのは血だろうな。と能力を見極めた。
龍「そろそろ本気をだすかな」
龍の体は黒く濃い影に包まれた。龍がその中から出てくると姿は先ほどと同様にパーカーにジャージとなにも変わっていない。が手には黒みがかった紫色の日本刀のような刀を持っていた。
イア「守るのはもうおしまいですか」と不敵に笑いながら問う。
龍「言っただろう本気を出しておまえを倒すってな」
イア「なるほど、なら私も刀を使ってあなたを倒しますね」
と言ってさっきまで持っていたハンマーは形を変えて赤い、龍の刀と同じくらいの大きさの刀に変わった。
最初に斬りかかったのは龍であった。走って剣の間合いまで近づき姿勢を低くして、右の片手で魔王の太股の付け根から斬り上げるかたちで斬りかかった。魔王はそれを紙一重でかわす。
魔王は思った。さっきより龍の速度は上がりさらにさっきまでの笑いながら説明していたときとは全然違うと。このような思考をしている間に龍は次の攻撃に転じる。そこから右足を軸にして左足で回し蹴りを放つ。それを刀で受け止める。龍の足が刀に当たると足は切れずに魔王の体をも貫通した。
イア「ちっ、いつの間に影と入れ替わった」
龍「今」と聞こえたと同時に魔王は鈍痛を感じた。
龍は「今」と言った瞬間に天井の影から出て来て重力に任せて刀の峰で頭を叩いた。
魔王は膝を着いた。龍は追い討ちをかけるようにもう一度刀を振りかぶる。が龍は刀を降り下ろせずに振りかぶったままである。
なぜなら龍の刀は床から刀まで伸びた血によって拘束されていたからである。その隙を見逃さず魔王は体勢を仰向けにし、武器を使い慣れた銃へと変えて、龍の腹部に五発撃ち込む。
銃弾はやはり龍の腹部を貫通し天井に当たった。
イア「またですか」
魔王は立ち上がり銃をしまった。龍は魔王の真後ろの床から出てきて背中に向かって刀で刺突をするが、魔王はわかっていたかのように後ろを向いた。魔王にはそれだけの余裕があった。なぜなら、龍の腕は床から伸びた血によって拘束され首もとに赤い鋭利な刃物がある。
イア「チェックメイトね」
優火は助けに入ったほうがいいのか焦りながら見ている。Dは煙草を手に持ち興味なさげに見ている。
龍は全然焦らず、むしろこの状況でも余裕でいる。
龍「それはどうかな」
龍は刀を離した。そして龍を拘束していた血は、龍の能力、影、によって支配されたこの室内の影によって逆に押さえつけられた。そして龍は魔王の背後から影でできたハンマーを操りおもいっきりハンマーで殴った。血が飛び散り床をさらに赤く染めた。
龍「余裕」
また投稿が遅れてすいません。
それでも見てくれる方こんなつたない小説ですがこれからもよろしくお願いします。
それと、サブタイトルの書き方を変更しました。