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速報!!勇者の実態を撮る魔王の実態!!

作者: エ二

魔王城本部勇者の被害削減作戦会議にて


「魔王様!!言われたとおりに撮影してきました!!あとは細かいところを編集するだけです!!」

「勇者非信仰作戦は今のままじゃ決行できん!!」

「けれど魔王様!!勇者が想像以上に問題行動を起こしてたんで民の心に揺さぶりをかけるのには十分に値します!!」

「…一応見せてみろ」

「イエス、マム!!」


そう言って配下がモニターに映像を映し出した。

「ただいま、ニュースが入りました。まずはこちらの映像をどうぞ」


画面に写ってきたのは黒髪、黒目、黄土の肌を持つ、御伽噺の存在。生ける伝説。


勇者…


が、黒い肌を持つ子供に切り掛る光景が映し出された。


「これは魔族…の子供のようですね…」

「これは一体どういうことなんでしょうか?あ、中継が繋がるそうです、中継のセラトさ~ん」


映し出されたのは何らかの物体に追いかけ回されているてれびに出している若いイケメンと読んでも差し障りのない青年だ。


「はい!!こちらセラトですけど、今、私は物凄い状況にあります!!」


そう叫んだ瞬間、画面がセラトを追いかけている物体のほうにアップされて、全体像が見えてきた。

それは深淵の闇の如く黒く、光が当たれば妖しくてかり、その足は細く、頭についたそれはどこか武将を思い出させ、その飛ぶ様は人を恐怖に陥れる存在。そう、


言わずと知れたゴキブリと言われる人類の敵である。


ドゴォッ


思わず機材の一部を破損させてしまった。まぁ、後で直すけども…

「ここ編集でラベンダー畑でも映しとけ」

「イエスマム!!」


そんな音とともに花の映像が流れてきた。画面には綺麗な花とともにこんな言葉が書かれていた。


『放送事故のためしばらくの間ラベンダーを見て心を癒してくださいませ』


ちなみにこのラベンダーは我が軍が栽培しているものを使っている。民を助け、軍の財を潤すための宣伝効果は姑息や卑怯というなかれ。魔族だって頭を悩ませておるのじゃ。そして画面が切り替わった。


「すいませんまじすいませんごめんなさいゆるしてくださいっていたいいたい痛いですって!!!」


矢継ぎ早に謝罪の言葉を繰り出し、勇者に足蹴にされている姿は特殊な趣味の人には羨まし…可哀相に思えた。


と、思っていると画面がまた切り替わりスタジオに切り替わった。


「えっと…い、今のは?」


スタッフが画面の端で慌てふためいている。司会者はこんなの台本にないぞとつぶやいている。ゲストはただ、呆然としていた。普通の番組なら編集でカットするべきところであろう。だが、しかし、この慌てふためいている様は民の心を動かすにはちょうどいいのではないかと判断した。


「ここは編集なしの方が現実味が増す。ここは垂れ流しでいこうって言いたいところだが、流石にあざといと言われるからCM入れて誤魔化せ」


部下にそう指示した俺はふ、と思いついてしまった。


「そういや、てれびって富裕層にしか浸透してないよな…あれ?この作戦意味ないのか?」


部下に視線を合わせてみる。

そっと…目をそらされた


「…これどうするよ?」


俺が安くない機材の類を指さして言った。ちなみに、帰ってきた答えは


「「「「「「…」」」」」」


魔王を含め魔王軍は基本脳筋だったのてあった…まじどうするよ?

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