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神々の代理ゲーム  作者: AAA
第二章
19/21

18話 協力者の素性

神々の代理ゲーム 18話 協力者の素性















地面が消えた。



とっさに受け身をとって ゴロゴロと転がったので大丈夫だが



背後から魔法で爆撃されたのだろう。



張ってあった防護魔法で衝撃は消されて体に傷はなかったが



地面を吹き飛ばされ 派手に転がって服が汚れてしまった。



……ふぅ 魔法が防げても足場を考えてなかったな



魔物との戦闘は何回もしたが奇襲を受けたり、敵の攻撃が避ける間もなく直撃したのは初めてだったから



無様に吹き飛ばされる経験はなかった。



チェコに頼り過ぎていたのかもしれない。



(ミスト! 大丈夫!?)



……ああ 大丈夫だが何が起こった?



(それがね!? 魔法を放たれたらしいんだけど 人は検索できなかったの!)



そうなると



……ふむ いやなパターンが浮かぶな



チェコと状況確認していると土煙がはれてきた。



そして 魔法が飛んできた方向を確認すると



そこには実用性を無視した派手な甲冑と法衣をまとった200人ほどの軍団がいた―――










チェコが検索できない人間というのは3種類いることがわかってる。



簡単に言えば、高位神に干渉された者たちだ。



まずは、一番最初に検索できなかった代行者だ。



そして 協力者も検索できなかったことが、あの後調べてわかったんだが



もう1つだけ、わからない人がいた。



それはノムランさんだ。



彼は長寿種だけあって千年前の神代の戦争に参加していたらしい。



そのせいで、千年前に干渉されたんだと思うがチェコでは調べることができなかった。



もし、チェコが調べれたら6年前の中級魔物と群れの戦いも任せれたんだがと後悔したこともある。



なぜなら もう歳で上手く戦えない と言っていたが、LVは687と今ではありえないほど高かったからだ。



ローグガルフくらいの魔物なら遠隔からの魔法で一発か二発だろう。



まぁ 疑問に思ってウロチョロしてたら捕まって、とっさの言い訳で本を見せてもらいたいと言ったから、今の関係があるんだけどな。



それと、さらに子供たちにも力が受け継いでるらしく、高位神の干渉が残っていて力が強い奴だと調べることができないやつもいるらしい。



つまりは1000年前の神代の戦争関係者も調べられないことがあるのだ。



というわけで、結構チェコには不便なところがあった。



まぁ それがわかった時に軽く 使えない(やつ)だな と少しだけ思ってしまい



2週間ほど本から出て来なくて焦って喧嘩したことも、今ではいい思い出(わらいばなし)だろう。



それに補佐聖霊にそこまで求めるのが間違ってんだろうしな。



とはいえ、無理なものは仕方ないのでしょうがなく対策はした。






……チェコ アレをやるぞ!



(わかったわ じゃあ やるわよ?)



俺はノムランさんに誕生日記念でもらった付加魔法付きのブックホルダーに自分の神器をしまっている。



しかも、ちょうど腕と胴体の間に隠すような、拳銃のホルダーと同じ感じで服の中に隠してあるのだ。



というのも<倉庫>に入れるとチェコが出て来れないのだ。



そんなわけで、常に一緒にいるから俺が神器を使って相手のことを調べることはできる。



しかし、戦闘中に本の中に意識を入れてたら、何回死んでもおかしくない。



というわけで応用を考えた。






「……戦闘用知覚検索<神知眼>発動」



この魔法はチェコと意識を<接続>して思考を10分の1ほど、神器の検索に割り当てるものだ。



いろいろと死にたくなるほど、脳にも魔力にも体にも負担をかけまくる上に



調べられる情報の数も効率も下がるんだが死ぬよりはマシだろう。




そんなわけで、俺は高位神権限で周囲一帯の人物を簡単に調べてみた。



そうすると



……げっ…面倒なことになってるな 2重(・・)の意味で…



(あら~ 大変ね どうするの?)



……仕方ない 今は目の前の敵をどうにかしよう



(まぁ それしかないわね)



知ることができた周囲の情報と見つけた人物の情報を見て、自分の愚かさを呪いながら戦い方について考えていく。







「なんだ 今ので死ななかったのかい? 私の手間を増やさないでほしいんだがね」



俺がチェコと脳内会議をしていたら、何故か 軍の中で椅子付きの派手な御輿に乗った20半ばほどの気障っぽい男がしゃべりかけてきた。



さっき 神器で調べた結果、協力者であった。



それに奇襲してきたので、敵であることは間違いない。



とりあえず、様子見で『魔弾の射手』を飛ばしながらポジション(・・・・・)を調節していく。



キンッ! キンッ! カン!



しかし、明らかに甲冑より防御力が低そうなローブや、見栄で作ったと思われる実用性無視の甲冑で簡単に弾かれてしまった。



しかも、気障男(キザオ)



「ふふふ 悲しいな~ そんな か弱い攻撃じゃ」



「あんな平騎士たちは倒せても 〈託宣者〉の私が率いる ルドイア神聖騎士団第3部隊の敵じゃないよ」



と笑っていた。



「……託宣者だと? というかさっきの奴らの仲間だろ?」



と軽く調べた神器の情報からの知識で訪ねたんだが



「フン! 笑えない冗談だぞ!? あんな奴らと一緒にするな!」



「これだから不浄の民は嫌なんだ! 気品ってものがない!」



いきなりキレて



2枚目の端にいるくらいの顔を、それこそ気品のかけらもなく歪ませて怒鳴る。



「良く聞いておけ ガキ! 私はな 3年前に神の啓示を受けた選ばれし者なんだよ!」



「そして この第3部隊は私のためにつくられた部隊なんだぞ!」



「この意味がわかるかね? ふふふ もちろん分からないだろうな!」



「仕方がない 私の凄さを説明してあげよう! ふふっははは!」



怒鳴ったと思ったら、急に自慢をし始めた。



まぁ 神器で気障男の情報は手に入れてあるから



聞かなくてもいいんだが、少し時間が欲しいから素直に聞いたふりをしてやろう。



「私は かの英雄 エシュリット・ビクター・マインダルの子孫である」



「マインダル家の嫡子 ギザード・エリク・マインダルだ」



「しかも 神々から聖光神のために力を尽くすように【一騎当千】の能力を授かりし〈託宣者〉でもある」



「そして 私が選ばれし者の証である 神から授かった【一騎当千】のその凄まじい能力は――



と演説が始まったので



能力ばらすとか アホだなと思いながらも



すでに知っている俺たちは情報の統合を始める。



……どうやら 協力者のことを託宣者と呼んでいるようだな



(そのようね しかも代理ゲームについて知らないわよ?)



……神様も適当な仕事をするもんだ



まぁ 確かに協力者たちに事情を話せば、敵の代行者が強くなる前に殺そうとするだろうが。



だからといって 自分たちの神に尽くせ としか言わないなんて誤解の原因だろう。



しかも、この気障男は貰った力で かなりやりたい放題やってるらしい。



……選考基準に性格の欄はなかったのか?



(神様たちは 人間の1人1人の性格を判定していけるほど 暇じゃないと思うわ)



確かに言ってみてから 良い性格のものを1人ずつ判定して探すのは面倒そうだと思う。



それに後から歪む可能性もあるしな。



と考えていたら



聞いてなかったことに気付いた気障男は



「オイ! ガキ! 私のありがたい話を聞いていたか!?」



御輿から落ちそうなほど乗り出して怒鳴りつけてきた。



「……すまんな 考え事をしていた」



正直に話して謝ったんだが、気障男の顔がどす黒く染まっていく。



「殺す!! 昨日の奴らみたいにいたぶって殺してやる!」



「……昨日の奴ら?」



いきなりの発言だったが



何故かその言葉に酷く嫌な予感がした。



俺が嫌そうに聞くと その顔を見てにやりと笑って



「ああ そうだ! ちょうどいい 見せてやれ!」



気障男が命ずると 兵の中の一人が軍勢の後方にあった荷車から袋を持って来た。



「今からお前も お前たちの村もこうなるんだよ!」



気障男が叫ぶと同時に袋の中身が放りだされた。



それを見た瞬間



自分の顔が歪むのがわかる。



体が震える。



最悪だ。



しかも 見えて(・・・)しまっただろう。



「……っ! ノムランさん… エデルさん…」



そこには街に出かけたはずの村の男性たちが



首だけで転がっていた。













ノムランッさーーーん!!


お気に入りキャラが、また逝った・・・

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