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神々の代理ゲーム  作者: AAA
第二章
18/21

17話 聖光教団

書き方を少し修正しました。

あと、お気に入り小説登録数が1000を超えました。

楽しんでいただけてるようで嬉しく思います。

神々の代理ゲーム 17話 聖光教団


















ノムランさんが出かけた 翌日



俺は朝食を食べながら 今日の予定を考えていた。



まぁ 予定といっても



狩りに行くか 研究しに行くかだ。



村では10歳をこえると 大人の手伝いを始めて



15歳になったら仕事につくことが暗黙の了解になっている。



まぁ それ以下だと むしろ邪魔になるからだろう。



というわけで 俺にやることはない。



遊ぶのが仕事というわけだ。



しかも 年が離れていて



遊び相手がいない俺は自分のやりたい通りに修業できる。



そんなわけで 少し考えたが



昨日の研究が途中だったので



朝は研究をして 昼から狩りに行こうと決めた。



その後 身支度をして ノムランさんの家に向う。






しかし 向かっている途中で面倒な場面に出会った。



エデルさんの娘のコリエルフィンさんが



村の悪ガキたちの中でも、ガキ大将敵ポジションのクリートさんに絡まれていのだ。



クリートさんは 確か14歳で、冒険者志望の子供たちの中でも2番目に強い人だ。



つまり、コリエルフィンさんの次に強いのだが



少し粗暴でアホなところがあるので



大人たちからは手のかかる子供の代表になっている。



「なぁ コリー いいだろ? 一緒に行こうぜ?」



と にやにや笑っているクリートさんが言う。



「父様がダメだと言ったでしょう! 聞いてなかったのですか!? 

だいたい コリーと呼ばないでください 呼んでいいのは私が認めた人だけです!」



「なぁに すぐに俺を認めるさ それを証明してやるんだぜ?

今なら うるさい大人たちがいないんだ チャンスなんだよ」



「私は行きません! かってにしてください!」



何かトラブっていたが



コリエルフィンさんはどっかにいってしまう。



そうすると



「くっそ! つまんねーやつだぜ!」



と言って クリートさんもどこかに行ってしまった。



俺としては 何かあってもコリエルフィンさんなら



対処できるだろうと考えていたので



心配はしてなかったが 何も起きなくて良かったと思い



そのまま ノムランさんの家に行くことにした。



そして、その出来事は思考の外に出してしまった。






ノムランさんの家で研究し始めて時間がたち



昨日の続きも完成してお昼になったので家に帰ることにする。



ノムランさんがいれば



お菓子かサンドイッチなどの軽食をくれるのだが



いないんだから仕方ない。



残念に思いながら歩いていると



村の大人たちが騒いでいた。



「おお! ミスト! お前はいたのか!」



いきなり 村のおじさんに言われて



意味がわからなかったので



「……何かあったんですか?」



と聞いてみた。



「それがな 悪ガキ5人組がいないんだ」




と言って 状況を説明してくれた。



なんでも クリートさんたちは手伝いをさぼって



子供たちだけで狩りに出かけてしまったらしい。



いつもは村長エデルさんをはじめとした 大人たちと狩りするのだが



昨日からエデルさんは狩りで得た毛皮などを街に売りに行ったそうだ。



しかも 道中は人数が多い方が安全なので



戦い慣れた何人かで街に行ったらしい。



それで子供たちを叱る人が 少なくなっていたから



禁止されてる子供だけの狩りに挑戦したそうだ。



俺はそれを聞いて アホなことをするもんだと思っていた。



さらに ノムランさんも一緒に行ったのかなと ノンキに考えていた。



なぜなら クリートさんはアホだが



実力はあるらしいし、下級魔物なら楽勝だと聞いていたので大丈夫だろうと考えていたからだ。



……はぁ 困った人だな チェコ? 調べてあげてやれ



(はいはーい 子供たちの居場所を探すのね?)



……ああ 面倒だがな 場所がわかれば



……行くところを見たとか言って 方角を知らせればいいだろう



と俺は楽観的に考えていたのだが。



(……………)



(…うっわ~ ヤバいわよ~)



と少しして チェコが不吉なことを言いやがった。



……なんだ? まさかまた中級魔物でも出たのか?



俺はあり得ないと思いながら言ってみたが



(むしろ 中級の方が良かったわね)



(もっと厄介な人たちが来てるわよ)



と怖い答えが返ってきた。



……早く言ってくれ 何なんだ?



(聖光教団の騎士に捕まってるわ あの子たち全員ね)



……ハァ! 聖光教団だと?!







聖光教団とは



その名の通り 今回の代理ゲームにも出ている聖光神を信奉している人間の宗教団体だ。



ただ千年前に出来たのだが



聖光神をはじめとする神々は、戦争と魔物によって世界を荒廃させてしまったので



最高神が人たちに直接干渉するのを禁じてしまった。



ゆえに 千年間の間に寿命の短い人間の中では、教義の受け取りかたの違いで派閥化し



かなりドロドロの宗教になってしまっているのだ。



そんな頭を抱えたくなる宗教だったんだが






……なぜ こんなところに聖光教団が?



聖光教団は人間が信奉する宗教だ。



そして聖光神を崇める人間たちの国である



聖光ルドイアは大陸の西の方にあって



とてもじゃないが 大陸の南東にある



この村の付近にいるわけがない。



(それがね 捕まえてる人は聖光教団の中でも武断派だわ)



……武断派だと?



(そうよ 暗黒神から力を貰ったダークエルフは大体の人種から嫌われているけど)



(恐ろしいから関わりたくないってのが普通なのよ)



……それは前に聞いたな



(その中でも一部の武断派は戦争を混乱させ)



(魔人を創った暗黒神様を悪だと決めつけていてね)



(その信奉者であるダークエルフも悪とか言って)



(悪魔狩りや浄化とか言いながら襲ってくることがあるのよ)



……なんだそれは? だいたい暗黒神なんて信奉してないだろ!



(そうはいっても 人間たちはダークエルフのことを詳しく知らないし)



(もともとは戦争時の怨みで初めたのが)



(途中から民の不満を向けるために代わって)



(最近では人気取りのためにやってるらしいからね はぁ…)



……くそ! それじゃ あっちの都合で襲ってきたのか!?



(そのようね… 今回は偉い人を決める選挙で、有利になるためにしたらしいわ)



(でも このままだとたいへんよ)



(武断派はこのあたりにダークエルフの村があることを知って 浄化しに来たらしいからね)



……ふざけてやがるな



(しかも 捕まった子たちは尋問して村の詳しい場所を吐かせるみたいね)



(だから 一応生きてるけど急いだ方がいいわ)



(今は北西の草原に陣地を作ってて)



(そこに連れてって拷問するって言ってるから)



……場所がわかったら 村は襲われるか?



(まぁ 十中八九襲われると思うわ)



助けるのは やぶさかじゃない



というより捕まった子の中には



仲が良かったり いろいろ世話になっている人もいた。



なので 助けるのは最初から当然なんだが



……村の情報を吐かれる前に助けないとな



(そうね 後から何度も来るようになったら面倒だものね)



俺は集まってる村人から、こっそり離れて村の外に向かって走っていく。



村人から十分離れてから



「……チェコ 相手の人数と正確な場所は?」



(ここから北西の草原に約800人ね)



「……北西の草原に800人! まじか!」



(本当よ しかも! みんなLV200以上の神聖騎士たちだわ)



LV200と言ったら ベテラン兵士ランクの中級騎士だ



一般人の村人たちがかなう相手どころか



戦いにすらならず 単なる虐殺になる。



「……っち! 面倒だな つか過剰戦力だろ!」



それこそ 単なる村だったら4分の1で簡単に殲滅できるだろうに



(それだけ ダークエルフを恐れているんでしょ)



「……ああもう! 草原の方向はこっちだな!?」



と言って 戦闘神の神器を取り出した。



獣人族の代行者から借りたものだが



これは身体能力を 注いだ魔力や気力の量だけ上げてくれるのだ。



それを万一戦闘になってもいいように 少し魔力を温存しながら走り出す。






ただし 俺はこの時 ミスを犯してしまっていた。



1つ目は急いでいたせいで周囲の確認を怠ったこと



2つ目はチェコに聖光教団のことを慌てて聞いたので口に出していたこと






しかし それに俺は気付くことなく



……くそ! <転移>は守護者が出口にいないと使えないのが面倒だな



とか考えていた。



実際に守護者は戦闘用だが



基本的にスピードを重視していない。



なぜなら 守護者の重量で速い移動を続けると魔力消費が激しいのだ。



戦闘中は敵から魔力を奪えるが移動中はそうも言えない。



なので 俺は必死に走ることになっている。



しかも 直線距離で走ったせいで



魔物の住処に近いのか さっきから遭遇回数が多い。



それを戦斧で横薙ぎに払って一撃で倒しては走り続けているのだが…



……ああもう! 面倒だな!



そうしながらも 30分は走ったころに



(もうすぐ見えてくるわ でも ギリギリアウトね)



(あの子たちは眠らされてるみたいだけど 陣地についてしまったわ)



とチェコが言うと 遠くに甲冑に身を包んだ男たちの群れが見えてきた。



……眠らされている?



(えぇ 移動中に暴れたから魔法で眠らしたみたい)



(解除されなきゃ起きないわ)



そう聞いて それなら暴れてやるかと思い



そのまま 飛び出して行った。



正直に言えば 村を自分勝手な理由で襲う奴らに



盗賊以上の嫌悪をもっていたのだ。



盗賊も許し難いが 彼らの多くは生きていけないから



犯罪に手を染めるのだ。



しかし こいつらは単なる人気取りのために村を襲いに来た。



その時点で 俺はキレる寸前だったのだ。



最近 チェコに言われて気付いたのだが



俺は家族や仲間などの身内がピンチになると冷静でいられないらしい。



まぁ 仲間のピンチを冷徹にほかっておける人間なんかに



なりたくないので気にしていないが。



そんなわけで 飛び出した俺は



「……貴様ら その子たちは俺の連れだ 返してもらいたい」



となるべく冷静に話しかけた。



しかし 優しく言ったのにもかかわらず



「隊長! もう一匹いました! ガキです!」



と一番近くにいた兵士が叫ぶと



わらわらと 俺を取り囲むように兵士が隊列を組み



1人だけ派手な飾りつき甲冑をつけた男が出てきた。



俺はもう一度だけ



「……貴様らが捕まえたのは俺の連れだ 返してくれ」



と言ったのだが



「フフン 馬鹿を言うな お前ら不浄の民はこの大陸を汚す害虫だ」



「駆除しないといけないだろうが あははっははは!」



と隊長が笑うと 兵士たちも笑い始めた。



「……そうか 返す気はないんだな?」



と 最終宣告をしたのだが



「お前たち この生意気なガキも捕まえろ 面倒なら殺しても構わん」



と 俺の方を見てもいなかった。



完全にキレた俺は



手を横にふった ふった ふった



それだけで振った先にいた ベテランと呼ばれる兵士たちは



バタバタと倒れていく。



一瞬で10人以上が倒れると



さすがにビビったのか



警戒して魔力障壁を貼る者や



攻撃をしようと魔法を唱える者に



剣で切りかかってくる者など



様々な反応をし始めた。



しかし 空中をかすかにヒュンヒュンと風切りながら



目に見えない速度で飛びまわるソレに



誰も気付いていない。



そして 魔力障壁貼った者は風穴をあけられ



攻撃魔法を唱えた者は発動前に頭を撃ち抜かれ



剣で切りかかろうとした者は 振りかぶる途中で心臓に穴が開いていた。



そう これは俺が創造神の代行者から借りた



“創造神の神鉄板”で作った『魔弾の射手』だ。



『魔弾の射手』はオリハルコン製の弾丸に敵対者へ向かって飛び続けろという



単純な命令を大量の魔力で強力に入れてあるのだ。



何故これを作ったかというと



“創造神の神鉄板”は効果が複雑で大きな武器を作るほど、魔力などの力が大量に必要になってくるという



強力だが使いづらいものだったからだ。



無尽蔵ともいえるほど 魔力を喰らう神器に苦戦した結果



考えたのが小さくて殺傷能力が高いもの つまりは弾丸だった。



弾丸を高速で飛ばし続ける。



これなら サイズは弾丸なので数センチだから



サイズ的には魔力はそんなにかからないし



オリハルコン製なので並大抵の防具じゃ止まらない。



しかも 銃で撃たなくてもいいので



裾に入れておけば 暗器としても使える優れものだ。



この構想はノムランさんの教えの中で出来たものなので



ノムランさんには感謝してる。






そして 俺が敵対者と認定した



目の前の甲冑どもは 次々に体に穴をあけながら死んでいく。



一度撃ちだせば 弾丸は敵対者がいなくなるまで飛び続けるので



最初に6発ほど 撃ったのだが



追加をしなくてもかなりの数が減っていた。



しかし 死体が邪魔で敵が見えなくなってきたので



土中に守護者を<召還>して 死体を<土葬>で地面に引きずり込み



甲冑や武器をいただいて死体は埋めておくことにした。



そしたら 3分の1の人影が消えてしまった。



まだ戦闘と呼べるものをしていないんだがなと



思っていると



「何かが空中を飛んでいる!!気をつけろ!!」



と隊長格らしき人物が大声を上げていた。



そうすると ようやく気付いたのか



高速の弾丸を避けようとしたり たたき落とそうとし始める。



しかし そんなことができるはずもなく



次々と倒れては地中に消えて行った。



しかも『魔弾の射手』には 後から付加魔法で<吸収>が彫ってある。



貫いた敵の魔力を喰らいながら 次の敵に飛んでいくのだ。



そんなわけで 魔力切れで止まることもほとんどないし



さらに12発を隠し持っていて



<倉庫>には予備が入っているのだが、使う必要はなかったようだ。



と考えていたら



「うぉおおおおおおお!!!」



「はっぁぁッらあああ!!!」



と30人ほどの甲冑たちが必死になって避けていた。



しかも 身なりがいいところを見ると隊長格以上なのだろう。



だが俺たちはノンキに



……すごいな あれを避けれるなんて



(やるわね みんなLV350以上だわ)



と言って観戦していた。



もっとも、俺たちがこんなに余裕があるのは



代行者の2人を殺した後、人を殺すことに慣れるために盗賊団狩りをしたからだ。



正直 覚悟を決めるには言葉より実践が必要だと思い、守護者ではなく自分の手を汚すことに慣れようとしたのだ。



最初は泣きはしないが、ブルーな気分になっていた。



しかし 治安も良くなるし、精神力こそが魔力を操る根源なので強くあろうとし続けた結果。



今では敵と一度思えば、躊躇も舐めることもしないで戦えるようになった。



さすがに精神も6年間で、この世界に順応し始めたのかもしれない。



それに人種が相手だと、LVが上がりやすいことに気がついた。



これは元々のLVアップシステムが、戦争のために対人で作られたのと魂の形が近いので吸収効率が良いからだろう。



と思い出してたんだが。



頑張って避けている30人以外は地面へと消えていた。



だが、30人も徐々にかすり始めて



致命傷だけは受けないようにし始めた。



俺はそれを見ながら もう一発取り出して



指で(はじ)くと彼らに向かって飛んでいき



1人の心臓に貫いて 彼はそのまま地面に消えてしまった。



「ルドア! くそ! ルドアもやられた!」



「いいから 背中を援護し合え!」



甲冑たちは剣や籠手で弾丸を弾いて行くが



手足を貫通し 傷がどんどん増えて行く



「何が起こっているんだ!?」



「知らん! とりあえず生き延びろ!」



と なかなか白熱した展開になってきたんだが。



観戦に飽きてきたので弾を残り11発、手持ちの全てを空中に投げた。



投げた弾は 一瞬空中で止まったと思うと



目に見えない速度で飛んでいった。



さすがの甲冑たちも弾が3倍近くになったせいで限界を超えたらしい。



次々と倒れて行く。



そうなると1人当たりの弾が増えてしまい



追加してから30秒ほどで全滅した。








人の気配がなくなった草原を見まわして



「……ふう 終わったか」



(うーん…… そうみたいね?)



「……なんだ? その言い方は?」



(なにか 違和感あるのよねー)



チェコの態度がおかしかったので弾を魔法で回収しながら訪ねようとした時



背後から複数の魔法の発動が感じられ



俺は吹き飛ばされた。











ミスト君は無事なのか!?

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