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神々の代理ゲーム  作者: AAA
第一章
12/21

11話 神器を使う

神々の代理ゲーム 11話 神器を使う


















―――3年後―――





俺が盗賊たちを殺した日から3年がたった。



つまりは3歳4カ月ってことだ。



盗賊を殺した 次の日には 一応守護者に非殺傷の魔法をつけるようにしたが



あの後は 力もLVも上がって 基本的に魔物狩りで常にダンジョンか



中級の魔物がいる場所に守護者を送ることになったので



人を襲って 金を奪おうなんて雑魚な盗賊と会うこともなかった。



ゆえに 俺は調子に乗っていたのだろう。



盗賊を殺したことを 忘れてはいないが



今の俺なら 大丈夫だと もうあんなことはしないと思ってしまった。



そう 俺なら失敗はしないと思い込んでいた。












村から離れた薄暗い森の中 昼過ぎの時間に



……チェコ? 人は近くにいないな?



口での会話より得意になった念話で チェコに話しかける。



(ええ いないわよ というか もう人の気配とか分かるでしょ?)



「……いや 万一があるからな それに」



「……チェコの気配探知は 確実だろ」



チェコの世界の情報を調べる力を使えば



例え相手が 魔法や何らかの術で 姿を隠していても



“△△によって 姿を隠した○○が□□にいる”と情報を見ることができる。



これは 何らかの罠や危険な場所の情報も知ることができるので



かなりありがたい力だ。



「……それじゃ 今日の魔法の練習をしようか」



(そうね じゃあ いつも通り 人の気配は常に探っておくわね)



「……頼むよ」






なぜ 俺がこんなことをしているかといえば



詠唱魔法の練習をしようと思っているのだ。



しゃべれるようになったので



最初は 高度な人払いの結界を貼ってやろうと思ったら



3年前のあの後に 村へ帰ってきた村長の息子で



現村長のエデルさん―超イケメン―にバレそうになったのだ。



彼は妻―かなりの美女―と娘をこの村に置いて



冒険者として 街に出稼ぎに出てたのだが怪我をしてしまったらしく。



1時間以上は体が持たなくて 戦えなくなってしまったのだとか



まぁ かなり優秀な人で LVは497で



なんとS級冒険者だったとか



これは ダークエルフが長寿種で戦闘種族とはいえ



かなり凄いことで



どこかの国に行けば 軍で上位の要職を貰えるかもしれないクラスだ。



しかし 怪我を機に引退し稼いだお金を持って家族と暮らすため 帰ってきたのだという。



まぁ それは いいことだと思う。



怪我をしたのはかわいそうだが



まだ当時6歳だった幼い娘と妻と一緒に暮らすのだ。



幸せなんじゃないかなと思う。








でも! 冒険者一流の勘が俺の魔法に反応するらしく。



<陰行>で東西南北に配置した守護者さえも違和感があるとか 言って調べそうになったほどだ。



今では かなり遠くに守護者を配置して



しかも 不自然じゃないように雑魚の魔物や戦える人がいる時は わざと村へ魔物を入れることもあるくらいだ。



そんなわけで 練習しようと村の近くに人払いの結界を張ったら



顔色を変えて ダッシュしてきた。



激しい運動はダメなはずなのに 大丈夫かと思ったが



急いで証拠を隠滅し 土中に隠れた。



エデルさんは周囲を探知魔法か 何かで探していたが 土中にいるとは さすがに思ってなかったらしく



見つからずにすんだが 魔法を使うことがかなり制限されてしまった。



かなり改良した結果 <陰行>は得意になったので良かったが面倒だと思ってしまうことがある。






ということで エデルさんの知覚外まで村から離れて練習しているのだ。



「……よし だいぶ成功率が上がったな」



(成功率ってより 周囲に被害を出さないようにできたんでしょ)



チェコがあきれ顔で言う。



「……くそ! まさか儀式魔法からやることによって」



「……こんな障害がでてくるなんて… 聞いてないぞ!」



俺は両手両膝をついて 地面を拳でたたく



(…はぁ ミストが そんな無茶やったの 初めてだからね)



(神器でも 異世界の過去のことは調べられても 未来は無理だから)



(しかたないじゃない)



そう 今 俺は詠唱魔法で足止めされているのだ。



理由としては 単純だ。


















才能がありすぎる!!



こんなふざけた理由だと 世界の魔法使いに殺されそうだが



本当のことなのだ。



分かりやすく説明すると 詠唱魔法とはイメージが大切なんだが



俺は儀式魔法によって魔法のイメージは もはや 魔導師レベルさえも超えている。



知識だけなら知の神器持ちなのだ 負けるはずが無い!



なので 初めて使おうとした。



初級魔法の 火球を飛ばす魔法を 撃とうとしたら



通常は 初めてだと発動さえ難しかったりする魔法を 一発で出来た!



ただし 10~20㎝のサイズのはずが



無意識に 魔法図や魔法文字を媒体として 使ったらしく



10メートルほどになった。



急いで消さなかったら 森が吹っ飛んで大火事になっていただろう。



これは脳内に儀式魔法陣を思い描くなんて アホなことしたのと



次々に増やした守護者たちに 魔物狩りをさせて



LVが380になったことによる魂力の上昇によるものだろう。



魂力が上がると さまざまな面で能力が上がるからな。





というわけで ひたすらに威力を小さくしているのだ。



まぁ 無詠唱で撃てば 結構うまくいくのだが



無詠唱は 魔法使いが必死に修練して出来るようになるのだ。



3歳児が使えていたら 凄いを通り越して怖いになるだろう。












「……はぁ こんなものかな」



それから 2時間ほど練習して帰ることにした。

















今の村には15歳以下の子供は十数人程度だ。



しかも 俺に一番近い人でも5歳以上離れている。



3歳児と8歳児じゃ 遊ぶよりお守りになってしまう。



―まぁ 精神的には こっちがお守りなんだが―



さらに 現在 村ではエデルさんが何度も魔物から村を守ったり



下級の魔物を狩って その肉を村人に分けたり 街に売りに行ったりしていく姿を見ることにより



子供たちに 冒険者かっこいい!!ブームが来ているのだ。



だいたいが7~8歳くらいから 木剣の練習や魔法の練習をしているので



3歳児にかまっている暇はない。



なので 遊び相手がいないため1人でいても 不審がられないが 



長い間 姿が見えないと さすがに心配される。



というわけで 村に帰ろうと思った時だった。



俺は面白いことを思いついてしまった。



それが後悔と崩壊の始まりとは知らずに………









家に帰ってくると チェコに計画を話した。



今の自分は おそらく最強の3歳児であろうと



当然だ 3歳なら普通はLV5もあれば 異常なのに自分は300を超えているのだ。



間違いなく最強だろう。



そして 次に代理ゲームのルールのことだ。



どの代行者も 同じ日 同じ時間に生まれる



そして 成長して万全に戦えるようになるだろう



20歳になったら お互いの位置がわかるようになるから勝負をして 決着をつけろってことだ。



だが 決着方法は



1 相手に何かで負けを認めさせる


2 相手の神器を破壊する


3 相手を殺す



のどれか という アバウトなものだ。



簡単に言えば 殺し合いか 何かで勝負だと思うが



良く考えれば 裏道を作ることだってできる



……つまりだ 今の時点で 他の代行者は3歳なんだ



……身体能力から言って



……戦う能力もあまりないだろうから 守護者で神器を奪っておいて



……知の神器によって相手の場所から逃げ回り



……20歳になったら 破壊する ってことにすれば



……俺たちの勝ちは絶対だろう?



村の中なので念話で話しながら提案する



(…えっと いいのかな それ?)



……ルール上 どこにも20歳前から始めてはいけない



……なんて書いてないぞ 大丈夫だって



(書かなくても 分かるからじゃない?)



……まぁ 別にいいだろ



……どのみち このゲーム中は神様が干渉できないように



……最高神が結界を貼ってしまったのだろう?



(それは そうだけど 卑怯じゃない?)



……それこそ 俺たちは悪名高き暗黒神の代行者なんだ



……むしろ その性質をあらわしていいんじゃないか?



……それに この方法なら相手の命を奪わなくて済むし…



……というか 俺は死にたくないんだ! 安全策でいこうな!



俺が 最近 かっこよくなってきたのではと思う顔で



最高の笑顔を作って とてつもなくかっこ悪いことを言うと



(……はぁぁぁぁあ 別にいいけどね)



(私はミストの知りたいことを 教えるだけだし)



と今までで おそらく最大規模のため息をつきながらも賛同してくれた。



俺は 内心でガッツポーズをとりながら



チェコに 他の代行者の情報を調べてもらった。



しかし……



(あぁ 無理みたいね 代行者の情報は高位神秘匿クラスだわ)



……なに? どういうことだ?



(私が単独で調べれるのはね)



(せいぜい 下級神クラスの情報のみなの)



(それ以上は使用者がリンクして使わないとね)



……ん? つまりは自分で調べろと?



(まぁ 簡単に言えばそうよ)



(でも 元々の使い方はそれなのよ)



(私は 使いやすいように創られた補助聖霊だもの)



……ふむ わかった それで今の俺ならできるのか?



……大量の魔力がないと 高位神クラスの情報は探せないのだろう?



(うーん たぶん大丈夫じゃない?)



……なんだ その答えは?



(だって人が この神器を使ったことないから分からないのよね)



(今までは 私が魔力を貰って調べてたけど)



(直接調べるとなると何か問題が起きるかもね)



……なんてこと言うんだ やる気をなくさせるなよ…



(それで やるの?)



……まぁ どの道 戦っていくなら相手の情報が無いとダメなんだ



……遅いか早いかだろ



……覚悟を決めるさ



そして俺は 神器の正しい使い方というものを



3年間 使っていて 初めて教えてもらった。






自分の部屋の机に あの呪いの本にしか見えない神器を置く



(まずは 本を開いてね その前に立って)



その通りに 行動すると



(次に 神器に魔力を流して 知りたいことを言うかイメージして)



(目をつぶってみればいいのよ)



素直に その行動をすると



……なんだ これ?



意識が 吸い取られるような感覚がしたと思ったら 見たこともない空間にいた。



……な! これは? どこだ?!



パニックになる寸前



(ここはね? 神々の知恵や世界の情報が記録されている場所)



(アーカイブといわれる所よ)



……ここがか?



チェコの声を聞いて 安心すると周りを確認する余裕が出てくる。



周囲の空間は うねっていて良く分からない



全体的に 黒やら白やら紫やら いや もう何色かも わからない色が混ざり合って 流動している



(ああ 空間に 知識自体が漂っているのよ)



(目で見ようとするんじゃなくて 頭で認識してみて)



いきなり 難しいことをいってくるが



おそらく 一番最初の契約の時に 自動的に使い方も教えてもらっていたのだろう



なぜか スムーズに意識をこの空間に溶け込ませれた



(そしたら 知りたいと思う情報を強く思えばいいのよ)



……なるほど なんとなくだが 分かるよ



俺は チェコの言うことを感覚的に理解してることに驚きながら



魔力をつかって この空間の何処に欲しい情報があるのか探して



知識の海ともいえる場所に潜り



さらに 欲しい情報まで 深く潜っていく。



そうすると



……見つけた これだな



欲しい情報を見つけて それを見ようと意識すると



頭に大量の情報が流れ込んできた……








……はぁはぁ 何だったんだ 今のは?



集中が切れたのか 知りたいことを知ったからか



俺は現実に帰還していた。



(あっ! 戻ってきた! 大丈夫!?)



(ミスト! あなた 今 アーカイブに意識を取り込まれそうだったのよ!)



……なるほど この感覚はそのせいか



意識が体から引きちぎられ どこかに持って行かれそうなイメージが体に残っている。



ただ これは俺がいきなりのことに驚いて心が乱れたからだろう。



もう一度やれば 正しく使える気がした。



しかし 魔力を予想より多く使っていて



今 手に入れた情報を思い出しながら 俺はベッドに倒れこんだ。










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