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5分で読める恋愛小説

一途に想ってくれるのは嬉しいですが、そろそろ嫌いにならない?(男女逆転バージョン)

作者: ありま氷炎
掲載日:2026/04/05

「だ~か~ら、嫌なんですよ!もうこれで三回目じゃないですか!」


 警邏隊のベテラン隊員、二十五歳になるガルトは、後輩で今年二十二歳になる女性隊員に虫けらのように見られ、断られていた。


「フリでいいから、本当。フリで。この通り、バイト料は弾むから」

「お金の問題じゃないんです!彼氏に見られたらどうするんですか?っていう、絶対噂になります。いや!」

「俺から彼氏に説明するから、頼む!」

「嫌です。それ以上、しつこいとサリエ隊長に言いつけますからね!」

「それはやめてくれ」

「じゃあ、諦めるんですね!」


 女性隊員はきっぱりそう言うと、彼の前から消えた。


「ああ、どうしたらいいんだ?」

「あ、俺が代役しましょうか?女装でもして?」

「いや、それはいい。っていうか、もう、これは男好きって思われた方が……」

「先輩!俺はそれ嫌です。その案には巻き込まないでください。まじで。もう一生彼女できなくなるから」

「いや、女装はいいんだろう?」

「冗談に決まってるでしょう?」

「だったら、提案すんな!」


 ガルトは逆切れして後輩を怒鳴りつける。

 すると、噂のサリエ隊長が現れた。


「ガルト。お前、またしつこく偽装デートしているのか?隊員を巻き込むなって何度もいっていただろ?」

「サリエ。今度が最後だから、まじで。あ、サリエ。お前がつきあってくれよ。年齢も釣り合うだろ?」

「あほか?前回お前、どんな目にあったか覚えてるか?私もとばっちり喰って最悪だったんだそ」

「……そうだった。思い出した」


 ガルトはぶり切れしたサリエの恋人に、彼の権力を使って滅茶苦茶治安の悪い地域に一週間ほど派遣されたことを思いだした。毎日寝る暇がないほど事件に巻き込まれ、げっそり体重を減らしたくらいだった。


「そんなに嫌だったら、嫌いって一言いえばいいだろう?」

「言えるわけないだろ?あんな可愛いが泣いたらどうするんだ」

「気持ち悪い。可愛いって、だったら、素直にデートに付き合えばいいだろうが!」

「だって、俺は二十五だぞ。相手は十六歳の女の子。犯罪だろ?」

「十六歳なら大丈夫だろ?何迷ってるんだ。長年、告白されまくっていたくせに」

「いや、そうだけど」

「なんで迷うのかさっぱりわからん。とりあえず腹を括ってデートするんだな」

「……いや、九歳年下だぞ。変態じゃないか。俺」

「まあ、差は大きいな。だが、お前見た目はまだ二十代前半に見えるから、二人並んでもそこまでおかしな図にはならなんぞ。なんたって、相手は十六歳だ。やっと十六だな。待っていたんだろ?」

「気持ち悪いこというな。待つわけないだろ!」

「どうだか。とりあえず本当に隊員を巻き込むな」

「わかったよ」


 サリエはそう言い、部下を連れていなくなった。

 残れされたガルトは途方に暮れていた。

 今断ろうとしているデートの相手は、ハナという十六歳の女の子だ。

 彼女が八歳の時、攫われそうになっている彼女を助け、ひとめぼれされたらしい。

 それ以来、彼女から結婚してくれと何度も告白を受けている。

 彼女が十二歳になるまでは、戯言だと聞き流していた。

 しかしある時、、ふとガルトは彼女が可愛いって思ってしまったのだ。

 そこからガルトの悩みは始まり、邪険になってしまった。

 居留守をつかったり、デートがあるから忙しいといったり。 

 ガルトはハナが自分のことを飽きる、または嫌いになると思っていた。

 ぜひ、そうしてほしいと思ったのだ。

 そうじゃないと、自分が犯罪者になった気分がして気持ち悪かった。

 しかし、十六歳になるまで彼女のアプローチは変わらなかった。

 彼女のことは好きだ。

 だが、変態にはなりたくない。

 そこで、彼は考えた。

 自分が若返ったらどうかと。

 同じ歳ならば、いいのではないかと。


 今まで貯めた給金を持って、彼は休みをとって若返りの薬を求めて旅に出かけた。

 しかし、そんな薬はなく、諦めて帰ろうとしたとき、彼は事故に巻き込まれた。

 記憶を失った彼は、助けてくれた人の家でしばらく厄介になることになった。

 怪我は治ったが、記憶がない彼は、拾ってくれた人に恩を返すため、その村で働くことにした。

 男手が少ない村で彼は重宝した。

 そうして1か月が過ぎた時、村に女性が訪ねてきた。

 それはハナで彼を見ると涙を流した。

 ガルトはもちろんハナを覚えておらず、困惑した。

 ハナは彼が年齢を気にしていることを知っているので、年齢のことを話すことはなかった。

 ただ婚約している仲だと伝え、帰る場所もないので、この村で一緒に暮らしていいかと聞いた。

 ガルトは戸惑っていたが、村の人たちは歓迎し、婚約していたのだからと空き家になっていた一軒家を彼らに貸した。


 そうして、二人は一緒に暮らし始め、結婚式まで上げてしまった。

 四年後、子供が生まれた。

 ハナに似た女の子だった。

 ある時、うっかり転んでしまって、ガルトは記憶を思い出してしまった。

 彼は悩みまくった。

 あれほどハナに手を出さないと決めていて、若返る薬まで探していたくらいなのに、彼はハナと結婚し、子どもまで設けていた。


「…ガルト。思い出してしまったのですか?」

「……」


 ハナはガルトの変化に気が付きやすい。


「私のこと、嫌いでしたか?」

「そうじゃない。ただ。俺は歳がかなり上でやばいだろう?」

「もう私は二十歳ですよ。あなたは二十九歳。同じ二十代でしょ?」

「そうだけど」

「私のことが嫌いなんですか?」

「そんなことない。むしろ好きだ。本当はすっごく好きだったんだ。気持ち悪いよな」

「全然、嬉しいです!大家族作りましょうね!」

「は?」


 こうして相思相愛であることを確認した二人は、街に帰らず、村で暮らし続け、村一番の大家族になった。



(おしまい)

「一途に想ってくれるのは嬉しいですが、そろそろ嫌いにならない?」の最初のドラフト。

男性だったら、歳の差なんて気にしないだろうなあと思って、男女を逆にして書き直したのが最初に投稿した短編。

受けると思ったのですが、さっぱりだったので、こっちの最初のバージョンも投稿することにしました。

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