3話 ◎記憶の人Ω
ここ綺麗な所としか知らなかったが名前とかあるのかな。
学校にも早く着きすぎるので寄り道することにした俺は小さい頃よくきては遊んだ竹の生い茂る懐かしい場所に来ていた。
そこで看板などを探してみる。
う〜ん。
ないなー。
この竹が生い茂る雑木林には入り口がありそこにお金を入れる箱が置いてある。
小学生以下はただだったからなー、値段知らなかったけど大人は400円なのか。
少しだけ思い出に耽る。そうやって少しずつ見回りながら時間を潰していく。他も見ていく。
看板らしきものはないな。
隣に家があるがこれは隣の人の家だからいいな。
あらかた探したが看板はない。
「ならっ」
スマホを出してマップで確認してみることにした。現代の必需アプリである。
おっ、って人の家ってことになっててタップしても詳細が表示されないな、これはダメだ完敗だ。
名前を探るのは諦める。
「中入いるか」
箱に入場料を入れ中に入る。
中に入ると外から見ても分かる程の竹が生い茂り砂利が敷き詰められた道が続く。
道に沿って観覧していくと奥に一人の少女が箒を膝に挟みながら座っていた。風が当たりなびく髪がとても綺麗だった。
なんか少しデジャブだな。
その少女はうちの制服を着ていてパット見はおしとやかそうな……って、あれ鈴白さんじゃん。
「え、鈴白さんが何故ここに」
俺の声に鈴白さんがこちらに振り向く。
「わっ!」
急に声をかけたので驚いいていた。
「あれ、芯葉くん!」
「あ、おはようってどうしてここに?」
鈴白さんは驚きつつ困惑そうにあいさつして来た。
「いや、学校行くまでまだ時間あったから寄り道してただけで、見覚えのある所があったから中に入ってみたら鈴白さんが」
「あ、そうなんだ。ありがとう家の観覧スポットに足を運んでくれて」
「家の?」
まさか家とは
「鈴白さんの家!?」
「って言うことはいや」
似てる似てるなー、あの時の女の子が成長したら確かにこんな感じだ!女の子の造形も薄っすらしてたが今鈴白さんを見てたらはっきりしてきた。
「鈴白さんがあの時の女の……」
同時刻ここは駅のホーム
「…通過しますので線の後ろまでお下がりください」 電車がくるアナウンスが流れる。
電車を待つ列の1番前で立っていた日舞輪里。
学校まで少し早く着くな。花壇見る時間はありそう。
花壇を見る為、朝起きが苦手だがいつもより早く起き身支度をした。
電車を待っている。
今来る電車が通過したら次の電車が乗るでん――
ドンッ
いきなり背中から強くされる。後ろにいた人が覆い被るようにホームから私を含む数人が押し出された。
ヒマワリが枯れた……