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12話 ◎日舞の笑顔


  今までの人生で1番の脳のフル回転を見せるんだ!!!!


 俺が日舞から離れたら呪いで危険になるかもしれないだから動けない。日舞と窃盗犯を見て焦りながらもめいいっぱい頭を使う。  


 動けない…呪いがあるからで……あっ!


 俺は閃いた。こういう時、普段なら思いつかないのに思いつけた驚きと喜びが顔に出る。


 ――でもやっていいのか…?

 いや、時間もないやるしか無い!!


 決意を固めた俺は泣きながら座っている日舞に近づきぎゅっと抱きしめた。


 抱きしめられた日舞は座ったまま驚いている。このような経験がない日舞は泣いてるせいか抱きしめたせいか耳まで赤く染まっていた。


「ごめん」


「…どうしたの」 


 グスグス泣く日舞に俺は一言誤った。


「俺が近くにいれば日舞の花に栄養が行く。ならもっとくっついて栄養を送れば一時的でも俺抜きで呪いを花の祝福で打ち消せるんじゃないかと思ったんだ」


 俺は泣く日舞をあやすように手の中に抱きしめながら言った。


「そうなんだ分かった…いいよ」


 日舞はゆっくり目を閉じた。


 うっ、日舞が可愛く見える!

 

 10秒位抱きしめた後、俺は手を離した。俺にもこんな経験はなく顔が火照っている。


 窃盗犯はもう階段を降りて見えない所まで行ってしまっている。それでも何処かで止まってることを願って俺は走り出した。


「いてえ!!」


 前からドスドスという物音と共に声がした。俺は急ぐ。運動部でもないのでそんなに速いわけじゃない。それでも一生懸命日舞のために走った。


 駅の階段を降りる場所に着いた時、窃盗犯の男は階段の一番下で倒れていた。


「よしっ!」


 俺は息を切らしながらも15段位ある階段を犯人と同じ轍を踏まないようにしっかりそれでいて速く降りた。

 焦っていた。窃盗犯の男がこうも転んでいてくれたこと、チャンスが来ていることに。


 これも呪いを打ち消したお陰か?


「おらっ!!」


「ぐあっ!」


 俺は窃盗犯の上に飛び乗り手足を押さえた。

 窃盗犯は暴れようとするが何処か痛めているのか力が弱い。


「おとなしくしろ!」


 この光景を見ていた人が警備員を呼びに行ってくれた。それを見て窃盗犯も力を緩める。

 俺はその間窃盗犯に話しかける。

 

「どうしてあの子のバックを狙ったんだ?」


「…なんとなく…あの子がいいと思ったんだ。お金がなくて誰かの金になるものを取ろうと思ってたんだ。そしたら!」


 窃盗犯は目を見開きおかしくなったかのように語りだす。


「なーんか、わかんないけどあの子のバックが無性に欲しくなってきて、自分でもなんかおかしいとは思ったんだ。でもなーーんか欲しくなってきてよ!」


 狂ったような言い方で窃盗犯は続ける。


「体もなんかふらつくしでよ上手く走れなかったけど、あの時の高揚感は良かったなー」


 窃盗犯がははっと微笑む。


 それを聞いて疑問が湧いた俺は尋ねる。


「なんか欲しくなってきてたってなんでだ?」


「何でだろうな、わかんねえ」


そう話していると駅員の人が来た。


「大丈夫ですか?変わります」


俺の代わりに駅員の人が窃盗犯の男を取り押える。


「あっ日舞は大丈夫か」


 俺は急いで日舞の元へ戻った。





 戻るとそこでは立って他の人と話しをしながら守られている日舞がいた。その暖かい光景に息を切らしながら俺は安堵のため息をつく。


「日舞、大丈夫だった?」


 俺が声を掛けると日舞がこちらを見るなり駆け寄ってきた。予想してなかったその動きに俺はたじろぐ。


「大丈夫だったって、そっちの方が大丈夫だったの!?」


 日舞の目頭がまだ赤いながらも強めの口調で俺に問いかける。


「大丈夫だったよ運良くこけていてくれたから犯人」


「はーうん、それならよかった」


 安堵の息をつく日舞。


 駅員の人がこっちに来る。


「取られたバック持ってきましたよ」


「あっ」


 バックを取り返しに行ったのにバックを持ってくるのを忘れた俺、思わず声にでる。


「ほらバック」


 駅員の人から俺が受け取ったバックを日舞に渡す。

 差し出したバックに日舞が手を出す。


 バックを胸に抱いた日舞が満面の笑みを浮かべて言った。


「芯葉、あ、り、が、とうね!!」


 日舞の日の差した満天の笑顔に俺は心惹かれてしまった――


 この後俺達は警察の人に事情聴取や親に連絡を入れ学校には遅れて行った。






 事件も終わったその日、俺、日舞、鈴白は学校の花壇にやってきていた。


「あれ?嘘だろまだ数日しか経ってないぞ」


 俺は花壇を見て吃驚した。 

 花壇にはまだ植えてから数日しか経ってないはずの花が満開に咲き切っていたからだ。


 日舞と鈴白も吃驚している。


「なー鈴白。花ってこんなに速く咲かないよな?何植えたんだっけ?」


「そうね……」


 鈴白は手を顎に当てながら話す。


「メラポジウムとトレニア、バーベナとかなんだけどどれも、と言うかこんなに速く咲く花なんて存在してないわ」


「そうなだよな」


 俺は顎に手を当て悩む。


「……花が咲いた……俺たちは花で繋がってた花壇からは光の玉が見えたし……これってもしかしたら危険の終わり、ゴールってことじゃないのか?」


 俺は花が咲いた花壇を見て思ったことを言ってみた。


「そ、そういうことなのかな」


 俺の意見に日舞が微笑みながら返事をしてくれる。


「だとしたら嬉しいわね」


 鈴白もこの考えに微笑み喜んでいる。


 俺たちは綺麗に咲いた花壇を見る。


 ちょっとの期間の大きい戦い。俺は乗り越えれたんだ2人を守りきった。


 その達成感が体を巡る。


「日舞、鈴白!」


 日舞と鈴白が俺の方へ振り向く。


「ありがとう…………2人とも――――」



 これで俺たちの花の呪いと花の祝福の話は終わりだ。

 



 

 ヒマワリとスズランが咲き誇った……


   




 すみません突然の最終回です。

 読んでくださっていた方々には申し訳ありませんが次の作品に進みたくてこの作品は畳もうと思い切りのいいとこまで作って最終回にしました。本当にここまで読んでくださった方々、ありがとうございました!

 と言うことで次回作なんですが、こちら『奇跡運争〜運を操り戦う者たち〜』になります。ここまで読んでくださった猛者の皆様ならこの作品も余裕で読めてしまいますなので是非試しでもいいので読んでみてください。お願いします。

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