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悪女転生~父親殺しの毒殺犯にはなりません~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
 

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70/104

70:彼女との関係

 馬車にはコルディア公爵と向き合う形で、父親と私の三人で乗り込んだ。


「コルディア公爵、本当にこの度はありがとうございました」


 父親は馬車が動き出すと、改めてコルディア公爵に御礼の言葉を述べた。


「アマリアがまさか二人の人間を毒殺した悪女だと思わず、ティナを屋敷に残し、出張に出てしまい……。帰国し、公爵からの手紙を読み、またトムから話を聞いて……とんでもないことが起きていると、実感することになりました」


 コルディア公爵はデビュタントでヴィオレットに会い、その目で蝶のブローチを確認した後。迅速に動くことになった。ヴィオレットとアマリアの素性を調べつつ、父親にそれを知らせる手紙を書いていたのだ。そしてその手紙を父親は読み、コルディア公爵に協力すると決めた。父親はトムから聞いていた話をコルディア公爵にも共有。すると公爵は今回の作戦を思いついたのだ。


 父親とコルディア公爵は、水面下で計画をすすめた。そして王都の屋敷へ父親が戻って来たあの日の夜。父親は人払いをして、私にこの件を全て話してくれたのだ。


「しかし今回の一芝居。よくぞ思いつきましたね」


 父親に言われたコルディア公爵は苦笑する。


「二人の素性を調べたら、この計画なら間違いなく動くと思えました。わたし自身、ヴィオレットに会い、あの欲望にまみれた瞳で見つめられ、彼女が何を欲するか理解できた点も大きかったと思います。ヴィオレットがわたしと婚約したいと言い出したら、それに反対し、逆にティナ嬢をすすめる。さらには伯爵の弟であるトム氏の件を踏まえ、離婚をちらつかせれば、アマリアを追い詰めることができると考えました」


 昨晩、父親がアマリアとヴィオレットへの態度を変えたこと。そこからコルディア公爵の計画は始動していた。


「すぐにでも離婚するとちらつかせることで、マルティウス伯爵をなるべく早く毒殺した方がいいと、アマリアが思うようになる。かつ夫婦の不仲の噂が使用人の間に立たないうちに、伯爵を始末した方がいいと思わせることができれば……アマリアは必ず動くと思いました。ヴィオレットは少なからず自身の利害を考え、母親であるアマリアに協力するだろうと踏んだわけです」


 コルディア公爵の言葉に、父親が「うん、うん」という感じで頷く。


「シャロンの動きも公爵の言う通りでしたね。ティナの部屋に、毒につながる証拠を隠すと予想されていましたが、まさにそうなりました」

「使用人であるシャロンについての調べは、まだ全て済んでいません。ですが現時点で分かっていることがあります。それはシャロンとアマリアは、孤児院からの仲だということです」


 コルディア公爵はそう言うと、長い脚を組み直す。


「男爵家にアマリアが引き取られる際、同じ孤児だったシャロンを、自身の侍女にしたいと男爵夫妻に提案。アマリアのその申し出は受け入れられました。シャロンは孤児院から抜け出すことができたのです。アマリアのおかげで。強い恩があるため、シャロンには絶対的な忠誠をアマリアに誓っています。ティナ嬢を貶め入れることも、命じられたので、何も言わず引き受けたのでしょう」


 アマリア、ヴィオレット、シャロン。この三人の行動は、すべてコルディア公爵の計画の中で想定されていた動きだった。


「今回の計画の肝。それは芝居の内容もそうですが、私が手紙で書いた内容を信じてくださるか。計画を知ったマルティウス伯爵が実際に行動に移してくださるか。そこに全てがかかっていたと言っても過言ではありません。さらに言えば、実行するとなっても、伯爵は役者ではないですからね。うまくいくのか。そこはまさにある種の賭けでした」


 父親は帰国し、港町で自身の弟であるトムに会った。そこでトムはアマリアから受けた誘惑を父親に打ち明けた。本来そんな話、兄弟間でもあまりしないだろう。だがトムはアマリアの気質や私への態度を観察することで「この女性は危険かもしれない」と本能的に感じた。そこでトムは父親に全て打ち明けてくれたのだ。これがコルディア公爵の手紙を父親が全面的に信頼するきっかけとなった。


「弟のトムから衝撃の話を聞いた後、公爵からの手紙を読んだのです。もうそうなったら腹落ちするしかありません。ただその手紙では、アマリアのルーツがモロッカ諸島であるとまでは書かれていませんでした。先程聞いて、驚きましたよ。でも使われた毒がマンチニール。そこの出身だったからこそ、入手できたのでしょうね」


 父親の言葉にコルディア公爵が深々と頷く。


「そうですね。毒の入手については、この後の聴取でライズ隊長が明らかにしてくれると思います。おそらく身を守るため、アマリアが手に入れたのではないかと」

「それは……娼館に売られ、下女から娼婦へとなった時。客をとることになった際、自分の身を守るために、ですか?」


 私が尋ねると、コルディア公爵は「ええ、そうだと思います」と応じる。

お読みいただき、ありがとうございます~!

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