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悪女転生~父親殺しの毒殺犯にはなりません~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
 

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55/104

55:公演へ

 バロン・ヤン・ヘルトケヴの公演は、水曜日からスタートしていた。翌日の新聞では初日公演のレビューが掲載され、それはもう絶賛の嵐。


 各国で公演しているヘルトケヴが、この国で公演するのは約七年ぶり。待ち望まれた公演だったので、期待値も高い。その期待にヘルトケヴは見事に答えたわけだ。


「みんな、おはよう」

「「「おはようございます」」」


 グレーのスーツを着た父親は、朝食の席で改めて朝の挨拶をする。深紅のドレスのアマリアは、昨晩の出来事などなかったかのように、穏やかな表情で着席していた。パステルピンクのドレスを着たヴィオレットも、いつもと変わりないように思える。


「今晩はヘルトケヴの公演を皆で聴きに行くことになる。演奏されるのは有名な曲ばかりだが、いくつかマニア向けの曲もあるようだ。そこでいつもの楽団を屋敷に招いている。朝食の後、予習を兼ね、演奏を聴こうではないか」


 いつもの楽団。それは貴族が自身の屋敷で音楽を楽しむ時に呼ぶ楽団のことだ。レコードもないこの時代。音楽を聴きたいと思ったら、楽団を招くか、ホールなどへ足運ぶしかなかった。勿論、自分で演奏することもある。でも一番手軽なのが、楽団を屋敷へ呼んでしまうこと。そしてこの提案に異論などなく、皆、分かりましたとばかりに頷いた。


 こうして朝食後は、屋敷内の小ホールに集合し、そこで楽団の演奏を聴くことになった。

 最初は父親が言っていたマニアックな曲だけを聴くのかと思っていたが、違う。今日の公演の演奏曲を、全て最初から聴かせてくれるようなのだ!


 私はもう興奮気味で鼻息も荒くなるが、隣に座るヴィオレットは……。知らない曲の演奏が始まると、寝ている!


 気持ちは分からなくない。知らない曲で、しかもそれがゆったりしたものだと……眠くもなる。それに個人的な見解としては、眠くなる=リラックスしているのであり、その曲が癒しを追求していれば、あながち寝るのは間違いではないと思う。だがしかし! 今回、公爵家の招待で、しかもボックス席で観賞するのだ。いくら眠りを誘うような穏やかな曲でも、寝てはいけない。


 仕方ないので私はさりげなく肘が当たったふりをして、何度かヴィオレットを起こすことになる。しかも居眠りをしているのはヴィオレットだけではない! アマリアもうとうとしており、それに気づいた父親が、さりげなく起こしている。しかも一度や二度でもなく、何度も。


 もしかしてアマリアとヴィオレットはクラシックを聴くと眠ってしまうタイプなのかしら!? ともかく演奏会の後、昼食の席では昼寝の提案を父親にすることになった。


「演奏会の最中に居眠りは許されない。だが照明は控えめだし、今回聴いた曲の中には『妖精の子守唄』など、眠りを誘うようなものもあった。眠くなっても仕方ないかもしれないが、だからと言って寝ていいわけがないからな。ティナの言う通り、昼寝をしよう!」


 父親もアマリアの居眠りに気付いていたので、私の昼寝の提案を受け入れ、午後は昼寝をして体を休め、夕方からの公演に備える。


 公演に行くため、ティータイムのより少し前から、着替えだった。


 アマリアからは地味ドレスを着るよう指示を受けていたが、父親も帰国したのだ。さすがに父親の前で、そこまでドレスについて文句は言わないだろう。よって自分で選んだ別のドレスを着ることにした。


 こうして私が選んだのは、透け感のあるシルクシフォン素材の、淡い水色のエンパイアドレスだ。ウエストに銀細工があしらわれ、上品で落ち着いているが、地味過ぎることはない。コルディア公爵は落ち着いたドレスを好むが、これなら気に入ってもらえるはず。


 髪はアップにしてパールのついたラリエットを飾る。ネックレスとイヤリングもラリエットとお揃いものにして、お化粧は薄付けにして、チークもルージュも淡い桜色。


 舞踏会へ行くようなゴージャスさはないが、繊細で洗練された雰囲気に仕上がった。


 いつもならここでヴィオレットが部屋に来て、何かしらがある。「そのネックレス、素敵だから私も欲しい」とか「そのショール、お揃いのものを身に着けたい」とか。でも今回、ヴィオレットはコルディア公爵に、婚約者として推薦されなくなったのだ。しかも私が推薦されることを、ヴィオレットは当然、納得していない。朝食の席では普通に振る舞っていたが、これまでのようにべったりするつもりはないのだろう。ヴィオレットが部屋に来ることはなかった。


 これに関しては寂しい気持ちより、安堵が大きい。


 ヴィオレットのべったりはやや過剰だったので、心理的にも重く感じていた。しかも何かと欲しがるので、それに応えることも負担だったのだ。


 安堵してレティキュールを手に部屋を出ようとすると……。

お読みいただき、ありがとうございます!

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