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悪女転生~父親殺しの毒殺犯にはなりません~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
 

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48:週に一度のお楽しみ

 急に真面目な質問をコルディア公爵からされたが、これはもしかすると、今後も私と二人だけでティータイムを持つための、布石ではないかと悟る。よってきちんと答えることになった。


「コーヒーについては、父親の書斎にある本を子供の頃から読んでいるため、相応の知識があると思います。砂糖については……スイーツが好きなので気になりますが、専門の知識は持ち合わせていません。スパイスについては種類が多くて……。そう考えるとコーヒーに関しては、自分自身でもある程度知識がありますし、話せるのではないかと思います!」

「やはりそうでしたか。先程は幅広く交易品について話しましたが、次回はコーヒーに関し、より深く話せたらと思います。また手紙を書きますが、ぜひ時間を作っていただけますか?」


「はい、勿論です!」と笑顔で答えたものの。チクチクと視線を痛い程感じていた。シャロンが「奥様とヴィオレットお嬢様との約束は!」と無言の圧をかけていると分かる。


「君はマルティウス伯爵令嬢の侍女か?」


 コルディア公爵は私から視線をシャロンへ移した。


「はい。私はティナお嬢様の侍女でございます」


 シャロンは臆することなく答える。


「では君から予め、口頭でも伝えてもらいましょうか。いきなり手紙では驚かせるかもしれないので。わたしはバロン・ヤン・ヘルトケヴの公演のボックス席を押さえています。六人が入れる席です。一人で観賞するつもりでしたが、せっかくこうやってマルティウス伯爵家と交流を持つ機会ができました。そこでマルティウス伯爵家の皆さんを招待したいと思います。マルティウス伯爵令嬢も、ぜひ家族ぐるみで一度ご挨拶の場を設けて欲しいと言っていたので、いい機会だと思います。来月になりますが、どうでしょうと、伝えていただけないでしょうか」


 これを聞いたシャロンは、いつもの無表情から一転。頬が少し高揚している。


 シャロンも当然だが、ヘルトケヴのことを知っていると思う。その公演チケットがプラチナチケットであることは、分かっていると思うのだ。そのヘルトケヴの公演の、ボックス席に招待される。この上ない提案。アマリアとヴィオレットが大喜びすることは容易く想像できる。


「ありがとうございます、コルディア公爵! 奥様に報告させていただきます!」


 シャロンがお辞儀をして、コルディア公爵は私を見て、皆に気付かれないようウィンクする。


 もう「お見事!」だった。


 これでアマリアとヴィオレットが口うるさく私に「公爵と会う機会を~」と言うことはなくなる。それに公演以前に私は公爵と会う機会を持つが、それはあくまで「交易品であるコーヒーに関する話」のため。もしこの場に同席したいなら、コーヒーに関する専門知識が必要だが、アマリアとヴィオレットはこの辺りの知見はゼロ。さらに、「家族ぐるみで会うなら、ヘルトケヴの公演で」と、コルディア公爵が提案しているのだ。しかも招待すると言っている。それなのにその公演以前で会う時間が欲しいと言い出すのは……大変失礼なこと。その観点からも、もうこれ以上アマリアとヴィオレットも何も言えないはず。


「ではマルティウス伯爵令嬢、気を付けて」

「本日は本当にありがとうございました」


 コルディア公爵にエントランスまで見送ってもらった私は、きっちりお辞儀をすると、馬車へ乗り込んだ。


 ◇◇◇


 一週間に一度。


 私の日常に大きな楽しみができた。この日の午後、私のダンスのレッスン、教養の授業は免除される。そして――。


「どうしてお義姉様だけ、また公爵邸へ行くの!?」


 パステルピンクのドレスを着たヴィオレットは、既にエントランスまで移動しているのに、大声で不満をぶつける。


「ヴィオレット、仕方ないわ。私たちはヘルトケヴのボックス席へ招待されているのよ。それなのにそれ以前に会いたい、会いたいと言ったら、失礼になるのよ」


 アマリアはこめかみを押さえながら、ため息交じりで答える。


「お義姉様だってボックス席へ招待されているわ! それなのに今日も公爵と会うの!?」

「仕方ないでしょう。あの子はコーヒー豆のことに、やたら詳しいから……。公爵とも良質なコーヒー豆の見分け方とか、産地がどうのとか、私たちでは到底理解できない話をしているの。もしあなたがその場に同席して、何か公爵から質問され、頓珍漢な答えでもしてみなさい。軽蔑されるわよ」

「でもお母様! 普通、令嬢はコーヒー豆のことなんて詳しくはありません。頓珍漢なことを言っても『なんて可愛らしい』になるはずよ!」


 アマリアとヴィオレットは、お互いに見つめ合う。ヴィオレットは自分の言葉を正しいと信じ、アマリアはそれに呆れている。


「コルディア公爵は無知な人間を嫌うわ。諦めなさい」

「お義母様、ひどいわ! 私は無知なんかではないのに!」


 これまで噛み合わないことがゼロではなかった二人だが、ここまで対立するのは、初めてのこと。驚きつつ、私は時間が気になっている。


(そろそろ出発したいのに!)

お読みいただき、ありがとうございます!

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