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悪女転生~父親殺しの毒殺犯にはなりません~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
 

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46:クールなイメージ

 私は三歳で母親を亡くし、コルディア公爵は出産で母親が死亡している。共に母親の愛情を知らないにも等しいが、彼は彼なりに母親の愛情を理解したという。


 コルディア公爵は母親の愛情をどのように捉えているのか。その星空のような紺碧色の瞳を見て尋ねる。


「見返りを求めない無償の愛ではないかと」

「無償の愛……そうですね。そうだと思います……!」


 この世界で私は三歳で生みの親であるロゼと死に分かれている。だが前世の母親は元気に私を育ててくれた。つまり有難いことに、親の愛情を感じ、育つことができたのだ。そして母親の愛情とは何であるかと言われたら――“見返りを求めない無償の愛”これは正解だと思う。


 親は何があっても親であり、最後まで私の味方だと思った。


 ふとここで前世記憶が覚醒した直後によく考えてしまったことを思い出す。


 前世では急死しただろう私に、両親はとてもショックを受けたのではないか。青天の霹靂で私の死亡の知らせを聞き――。


「マルティウス伯爵令嬢。申し訳ないです。こんな話題では、悲しい記憶を思い出させてしまいますよね」

「いえ、そんな!」


 またも私の表情で気を遣わせてしまったと焦ってしまう。しかしコルディア公爵は、私のお皿にストロベリーのタルトを自ら取り分け、食べるように勧めた。そして自身は話を続ける。


「悲しい気持ちの時。甘い物を食べるのは効果があると思います。大量に食べる必要はないです。チョコレートのひと粒で十分」

「それは同意です。……では遠慮なくいただきます!」


 私がストロベリーのタルトを食べ始めると、コルディア公爵はこんな風に話を続ける。


「甘い物を食べ終えたら、誰か身近な人に悲しかった気持ちを打ち明けるのも一つの手です。悲しい気持ちは抱え込む必要はないですから」


 そう言うと自身もストロベリーのタルトを頬張る。その姿を見て、私は思わず持論を展開してしまう。


「コルディア公爵」

「はい」

「僭越ながら私も持論を口にしてもいいでしょうか?」

「勿論。そんな許可など取らず、自由に話してください。王族と謁見しているわけではないのですから」


 王族と謁見……!

 それは昨晩のデビュタントで初めて経験したが、その場で会話はなかった。でも公爵である彼は、国王とも会話したことがあるのだろう。


 私と年齢としては二歳しか変わらないのに。そこはもう「すごい」と思ってしまう。


「母親の愛情を、コルディア公爵も私も。ちゃんと知ることなく成長してしまったかもしれません。では一生、母親の愛情、その気持ちを理解できないかと言うと……そんなことはないと思います」


 コルディア公爵はローズティーを口に運び、興味深そうに私を見る。


「誰かを好きになった時。本当に好きだったら。損得に関係なく、その人のために何かしたいと思えることでしょう。そこできっと母親から与えられるはずだった愛情を感じられると思います。なぜならそれもまた無償の愛であり、母親の愛情に通じるものだと思うからです。そう、自分を愛してくれる人から与えられる無償の愛。これは逆もしかりです。ご自身もそんな愛情を捧げたいと思う相手に、きっと出会うはず。その相手と結ばれ、子宝にもし恵まれたら。感じることができると思います。子供に対しての深い愛情を。それこそが母親の愛情だと、親の子への深い愛だと理解できると思います」


 私の言葉を聞いたコルディア公爵は、そのアイスブルーの髪をサラリと揺らし、さらには星空を模したかのような瞳を大きく見開く。


「……マルティウス伯爵令嬢、それは……」

「あ……あ、あの、何か失礼なことを言ってしまったでしょうか。もしそうでしたら」

「失礼などないです。……とてもいい言葉でした」


 コルディア公爵の美貌の瞳がうるうるしている。そこまで彼を感動させる言葉だったのかと焦りそうになるが……。


 社交界ではクールな公爵と知られているが、そんなことはないのかもしれない。彼はとても感受性が豊かなのだと思う。


「マルティウス伯爵令嬢。わたしはもっと君のことが知りたいです。君が好きな本は何ですか? よく聴く音楽は? 好きな料理は? あ、オリエンタル料理とさっき言っていましたが、異国のお料理が好きなのですか?」

「あ、えっと、その……順番に答えます。えーとまずは」

「失礼しました。矢継ぎ早に質問してしまい。まずは本から教えてください」


 そこからはお互いの好きな物を紹介し合う時間になった。


 コルディア公爵はこのティータイムの最中、嬉しそうに甘い物を食べていたが、そのままの甘党だった。


(世間はクールなイメージなのに!)


 そして好きな本の話で、私が「神話や歴史も好きですが、ロマンス小説も楽しいです」と言うと、「実はわたしもロマンス小説を読んだことがあります。なぜそんなに人気なのか気になり、読んでみました」なんて答えるからビックリ! 


 音楽の話では、好きな音楽家が被り、貿易業を手掛けているだけあり、異国の料理への関心も高く……とても盛り上がることになった。


「……まだまだ話したりないです。でもそろそろ会議があるので、申し訳ないですが、終わりになります」

お読みいただき、ありがとうございます!

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