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悪女転生~父親殺しの毒殺犯にはなりません~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
 

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38/104

38:仲良くして欲しいです!

 コルディア公爵であると分からないヴィオレットは、ふくれっ面で答える。


「だって紋章を確認することもできなかったのよ! 分かるわけないじゃない!」


 ぷりぷりしたヴィオレットは、男心をくすぐるような可愛らしさがある。これは計算したうえでのぷりぷりだ。


「彼は公爵だよ」

「侯爵? ピーターと同じ?」

「違うよ。王家に連なる公爵家の令息。アレス・ウル・コルディア公爵。聞いたこと、ない?」

「! あるわ! 十八歳の若き美貌の公爵ね!」


 ヴィオレットの瞳がキラキラと輝く。


「噂では聞いたことがあるわ。でも雲の上の存在よ。初めて見たわ! なんて素敵なのかしら!」


 目の前に別の令息がいるのに、ヴィオレットは平気でコルディア公爵のことを褒めた。これにはさすがに令息が「僕がいるのに、公爵を褒めるなんて、ヒドイな」と拗ねる。


「ピーターも素敵よ! もっと宮殿を散歩しましょう。じゃあ、お義姉様、また後で。お義母様とは二十一時の鐘が鳴ったら、エントランスホールに集合するように言われているわ」


 ヴィオレットはそう言うと、ピーターという令息にエスコートを促す。


(本来ここではピーターを私に紹介したりするのが礼儀だと思うけど……)


 ヴィオレットの奔放さに苦笑したピーターが私を見る。これには姉である私が申し訳ないという気持ちを込め、頭を下げるしかない。そうしている間にも、二人はコルディア公爵が消えた方へ向かい、歩き出す。


 私は琥珀の間に戻ると、酔ったアマリアはトムにべったりな様子を目撃することになる。


(ロバーツが手を回したから? 私への関心が薄れる状況が完璧に作りあげられているわ!)


「!」


 アマリアは私に気付いたが、すぐに視線を逸らす。つまりトムと二人きりがいいので、声を掛けないでね……ということなのだろう。


 父親という夫がいるのに。


 トムにべったりな様子は気になる。だが当のトムの方は上手くアマリアをあしらっているように思えた。ならば大丈夫だろう。そこで私は誘ってくれた令息と数曲ダンスを踊り……。


 レストルームに向かった際、ロバーツと会うことができた。そこでコルディア公爵と会えたこと、さらに彼の印象について話すと、ロバーツはビックリしている。


「そんな話をしたのか!? それは驚きだ。場合によってはすぐに追い払われる可能性だってあったのに。……ティナのことを気に入ったのだろうな。しかもハンカチをお互いに交換している。なんだか恋に発展しそうだ」

「!? ま、まさか、そんな!」


 そこで談笑しながら歩いて来た令嬢たちがいるので、一旦私とロバーツは無言になる。令嬢たちが去ると、ロバーツが口を開く。


「どうやらコルディア公爵はシロだったようだな」

「そうですね。彼は……誰かを手に掛けるような人間には思えませんでした」

「ならマルティウス伯爵令嬢の憂いもこれで完全に晴れたか。そうなると……ついに俺はお役目御免だ」

「! それは……そうですね。でもロバーツさんとはこれからも仲良くして欲しいです」


 私の言葉にロバーツが吹き出す。


「仲良く、か。いいね。……俺は一匹狼タイプだ。そこはあのコルディア公爵と似ているかもしれないな、俺は。ゆえに仲良しこよしは性分ではないが……。マルティウス伯爵令嬢だったら仲良しでもいいかな」


 そう言って笑いながら涙を拭う姿を見ると、何とも恥ずかしくなってしまう。でもこれでロバーツと縁が切れるわけではないと分かり、ホッとする。


「とりあえず俺は今日の目的達成だ。一人祝い酒と行くよ。お先にな、マルティウス伯爵令嬢!」


 そう言うとロバーツは手をひらひら振り、エントランスホールへ向かい歩き出す。


(私もお酒を飲める年齢だったら、ロバーツと飲みたかった……)


 なんて思いながら、琥珀の間へ戻ることになる。


 その後は時間になるまで、声を掛けられたらダンスを踊り、そして飲み物で喉を潤し――。


 アマリアがヴィオレットに伝えていた二十一時にエントランスホールへ向かった。

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