表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪女転生~父親殺しの毒殺犯にはなりません~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
 

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/104

32:謁見

 ズラリと整列しているが、それは序列順。まずは公爵家、続いて侯爵家、そして伯爵家となる。さらに伯爵家の中でも順位が決まっているので、列を整理している宮廷職員に声を掛け、並ぶべき場所へと案内してもらう。


 こうして行列に並んで三十分ほどすると、「これより、国王陛下への謁見を始める」と侍従長が告げた。同時に公爵令嬢から名前を呼ばれ、謁見の間への移動が開始する。


 一人当たりの持ち時間は短いだろうが、移動もあるので、謁見がスタートしてからも長い。そうなると緊張感も緩み、前後の令嬢と談笑することになるが……。


「ティナ・ラニア・マルティウス伯爵令嬢、謁見の間へ」


 遂に名前を呼ばれ、琥珀の間を出て、謁見の間へ向かう。先導してくれる宮廷職員の後をついて歩き出すが、じわじわと緊張感が蘇る。


「こちらでお待ちください」と言われて、扉の前で待機となった。心臓の鼓動が速く、深呼吸を繰り返す。


「!」


 別の扉が開き、挨拶を終えた令嬢が出てくる姿が見える。


 いよいよだと思ったら再度名前を呼ばれ、扉がドアマンにより開けられた。


 中に入るとまさにレッドカーペットが敷かれており、そこを進み、玉座の前へと出る。心臓が爆発しそうになりながら、まずはカーテシー。すると国王陛下から「You may rise.」と言われ、顔を上げることになった。


 目が合うと国王陛下が頷き……これで完了!


 挨拶をする令嬢は声を発しないし、国王陛下が「You may rise.」以外の言葉を掛けるのは余程のこと。通常はただ一言と頷くだけで終了であり、これは本当にトムの言う通り、あっという間だった。


 緊張のピークは一瞬で、終わると完全に脱力することになる。そのまま入場とは別の扉から退出し、来た通路を戻り、琥珀の間へと戻って来た。


「お義姉様、どうでした!?」

「ティナ、ちゃんとできた?」

「どうやら無事に終わったようだな」


 ヴィオレット、アマリア、トムに迎えられ、問題なく終えたことを報告。国王陛下から何かお言葉がなかったかアマリアに聞かれ「ありませんでした」と答えると、落胆されてしまう。だがヴィオレットは「お母様、大丈夫です! 来年、私が国王陛下からお言葉を掛けてもらうよう、頑張りますから!」と言っているが……。


 公爵家の令嬢でもなければ、重鎮の令嬢でもない。そう声を掛けられるはずはないと思うが、アマリアは「そうね」と応じる。そして気を取り直したようで、ヴィオレットを連れ、高位貴族への挨拶を再開。会場には第二王子や第三王子、王族の親戚筋の貴族もいて、彼らは大勢に囲まれていたが、その輪に果敢に向かって行った。


 その後ろ姿を見送ると、トムが声を掛けてくれる。


「ティナ。緊張で喉が渇いていないか? レモネードでも飲もうか?」

「そう言われると……口の中がカラカラです!」

「だろう? レモネードがある、いただこう!」


 トムと一緒にレモネードをもらい、そこでは気軽な会話を楽しんだ。それはトムが舞踏会で初めて令嬢をダンスに誘った時の失敗談などの笑い話が多い。おかげで肩の力も抜けた。そうしているうちに気がつけば楽団が登場し、音楽が静かに流れ始める。


「そろそろ国王陛下への謁見も終わり、最初のダンスが始まるんじゃないか」


 トムの言葉に、その通りだと思う。

 控えめだった音楽が、その存在感を示すような大きさになった。明らかに音楽が流れていると、みんなが気付く。


 だがそこで急にその音楽が止む。


 すると会話の波がサーッと引いていく。


「His Majesty the King」


 国王陛下の登場を示す声が聞こえ、女性はカーテシー、男性は一礼で国王陛下を迎える。


 前世で言うなら「God Save the King」が流れる中、国王陛下が広間に設けられた玉座に向かう。着席した国王陛下が目配せをすると、侍従長が最初のダンスについて告げる。


「エリザベス・マリー・ウエスト公爵令嬢、並びに第二王子エドワード殿下、どうぞ最初のダンスにお進みください」


 遂に最初のダンスが始まった。


 公爵令嬢と第二王子、共に高位身分の二人のダンスは洗練されており、お見事の一言に尽きる。周囲ではこの二人が婚約するのでは?なんて囁きも聞こえた。


 その最初のダンスが終わると、白のドレスに身を包む、これがデビューダンスとなる令嬢たちが踊る番になる。


 そうなると分かっているので、会場にいる令息は、続々と白いドレスの令嬢に、ダンスのお誘いの声掛けをしていた。


 その様子を見て、「私も声掛けして欲しい」と呟くヴィオレットには苦笑するしかない。でもそんなふうに笑っている場合ではなかった。パートナーが見つからないと、デビューダンスが出来ないのだから!


(声を掛けられなかったらどうしょう)


 つい不安になるが……。


「初めまして。わたくし、モンテオール子爵家のリチャードと申します。よろしければ、あなたの最初のダンス、ご一緒いただけますか?」

「ありがとうございます。わたくし、マルティウス伯爵家のティナです。喜んでお受けいたします」


 知らない令息だが、声を掛けてもらえたことに安堵する。いよいよデビューダンスだ!

お読みいただき、ありがとうございます!

【お知らせ】新作スタート

『婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした』

https://ncode.syosetu.com/n3124kp/

悪役令嬢による壮大なざまぁのはじまり、はじまり!

ページ下部に目次ページへ遷移するバナー設置済

応援いただけると嬉しいです☆彡

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【一番星キラリの作品を紹介】
作品数が多いため、最新作を中心にバナーを並べています(2025年12月の大掃除で・笑)。 バナーがない作品は、作者マイページタイトルで検索してご覧くださいませ☆彡

●紙書籍&電子のコミカライズ化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~
『悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~ 』

●これぞ究極のざまぁ!?●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は死ぬことにした
250万PV突破『悪役令嬢は死ぬことにした』

●出版社特設サイトはコチラ●
バナークリックORタップで出版社特設ページへ
婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!
80ページが試し読みできる特設サイトへ
『婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!』


●溺愛は求めていませんよ?●
バナークリックORタップで目次ページ
平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!
『平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!』

●壮大なざまぁを仕掛けます!●
バナークリックORタップで目次ページ
婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした
『婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした』

●商業化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢はやられる前にやることにした
『悪役令嬢はやられる前にやることにした』

●もふもふも登場!●
バナークリックORタップで目次ページ
断罪の場で自ら婚約破棄シリーズ
『断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた』
日間恋愛異世界転ランキング3位!

●章ごとに読み切り!●
バナークリックORタップで目次ページ
ドアマット悪役令嬢~ドン底まで落ちたらハピエンでした!~
『ドアマット悪役令嬢はざまぁと断罪回避を逆境の中、成功させる~私はいませんでした~』

●コミカライズ化も決定●
バナークリックORタップで書報ページへ
断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない
ノベライズは発売中!電子書籍限定書き下ろし付き
『断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない』


●心温まる物語●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は我が道を行く~婚約破棄と断罪回避は成功です~
『悪役令嬢は我が道を行く~婚約破棄と断罪回避は成功です~』は勿論ハッピーエンド!

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ